会計が動かす世界の歴史 なぜ「文字」より先に「簿記」が生まれたのか
- KADOKAWA (2019年2月1日発売)
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感想 : 31件
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784046040725
作品紹介・あらすじ
“お金”とは何か。
私たちの財布に入っているお金には、100円、1000円、10000円などの価値がつけられています。
しかしよく考えてみると、ただの金属、紙切れにすぎないものをなぜ高価だと「信じている」のでしょうか。
貨幣や紙幣に込められた絶大な影響力――。
その謎を解く手がかりは、人類と会計の歴史のなかにあります。
先人たちの歩みを「損得」という視点で紐解きながら、「マネーの本質を知る旅」に出かけましょう。
くらしの経済メディアMONEY PLUSの大人気連載「簿記の歴史物語」待望の書籍化!!
【第1章】 偉人とお金の意外な関係
シャーロック・ホームズの“金銭感覚”/投資家として大成功したダーウィンの“目利き” ほか
【第2章】 なぜ「文字」よりも先に「簿記」が生まれたのか?
最初の簿記はメソポタミアの「駒」/ヨーロッパで起きた数字のイノベーション ほか
【第3章】 一国の運命をも翻弄する会計の力
球根1個で家が建つ!? オランダのチューリップ・バブル/フランス革命の引き金となる1冊の暴露本『国王への会計報告』 ほか
【第4章】 産業革命。そして、簿記から会計へ
産業革命は、なぜイギリスだったのか?./鉄道が生んだ公認会計士 ほか
【第5章】 これからの「おカネ」の話をしよう
財務省が消費税を上げたがるワケ/ビットコインが問いかけるマネーの本質 ほか
みんなの感想まとめ
お金の本質とその歴史を探求する本書は、会計がどのように人類の歴史を形作ってきたかを明らかにします。特に「なぜ文字よりも先に簿記が生まれたのか」という問いを通じて、古代から現代に至るまでの経済の流れを紐...
感想・レビュー・書評
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「なぜ文字より先に簿記が生まれたのか」とのキャッチコピーに引き寄せられて一気に読みました。狭義の簿記というより貸し借りの記録を残すことがいにしえの昔から何より重要なことであったと理解しました。そこから派生して文字や表現が生まれてきたとの主張です。会計から見た世界史という視点が興味深い一冊でした。
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著者いわく、歴史は教科書に載らない裏側を見ることに意味がある。
まさに会計の歴史は教科書に載らない歴史としてはうってつけ。
お金は、私たちの欲望が象徴された面もあるので、お金を管理する会計という手法が生み出された起源の歴史を知ることは、人間の欲望の流れをみているようでとても刺激的。
あの手この手を使って、人々から、お金を生み出し、欲望を刺激させて、お金を集め、資本を増やしていく。錬金術は今も昔も変わらない。
産業革命があったのか、なかったのかはの論争は続くだろうが、産業革命が突然起きて、世界が変わったという認識は捨てないといけない。
イノベーションはある日突然起きるものではなく、時間をかけて、私達の生活に浸透して、いつの間にか変わってるようなものなんだろう。
IoTが徐々に社会を変えているように、いまの社会も似たようなものかもしれない。 -
ちょうど簿記の勉強をしようと思った時に、たまたま図書館で見つけた本。しかし本書は単なる簿記の歴史解説書にとどまらず、会計という視点から世界の歴史を読み解く、非常に洞察に富んだ一冊でした。
簿記の誕生と世界史の連動
本書の核となるのは、複式簿記の成立と、それが世界経済に与えた影響です。
• 複式簿記の完成: 13世紀から14世紀にかけて、複式簿記が完成。しかしその1世紀前からイタリアのベネチアでは公証人制度が広まり取引を残す作業ができていた。
• 世界最古の教科書: 1494年、イタリアのルカ・パチョーリがヴェネチアで世界最古の複式簿記の教科書を作成したことが、その普及の基礎を築きました。
その後、歴史の教科書では詳しく語られない「お金」や「経済システム」の側面から、スペイン、オランダ、そしてフランスの歴史的事件が鮮やかに描かれます。
• 価格革命と覇権争い: 15世紀のスペインの台頭とアメリカ大陸からの銀の略奪による価格革命、そしてオランダの台頭へと続く時代の流れが、貨幣鋳造(ヨーロッパの鍛造と中国の鋳造の違いなど)といった技術的な話と結びつけて解説されており、大変興味深く読み進められました。
• バブルと財政改革: 18世紀フランスでは、ジョン・ローによるミシシッピ会社バブルの発生とその崩壊、そしてジャック・ネッケルの財務改革とそれが招いた既得権者への反発が、**フランス革命(1789年のバスティーユ襲撃)**へとつながる背景として描かれます。国王への会計報告書が、民衆を動かす一因となったという視点は新鮮でした。
産業革命と日本の成長:簿記が果たした役割
18世紀から19世紀にかけてのイギリス産業革命の解説も圧巻でした。
著者は、技術革新の連鎖が「人手不足」や「生活水準の向上」から生まれたという、一般的な見方とは異なる切り口で歴史を紐解きます。
• 農業革命と人手不足: 囲い込みによる農業の生産性向上(農業革命)や、ロンドンの大火(1666年)後の大再建による石炭需要の増加が、産業の土壌を作ります。
• 機械化の必然性: 「人材を安価に利用することは経済成長につながらない」という鋭い指摘は、労働を機械化し、生産性の向上を目指す技術革新の重要性を強調しています。
• 公認会計士の誕生: この時代の成長を支える鉄道事業が、公認会計士という職業を生み出すきっかけとなり、1880年頃に簿記が完成したという経緯も知ることができました。
また、明治以降の日本の富国強兵、戦後の高度経済成長についても、具体的な経済政策とともに解説されています。特に、下村治氏の洞察に基づいた所得倍増計画(1960年)が、いかに日本の飛躍に貢献したかという点は、現在の経済を考える上で非常に参考になりました。
現代への提言と知的好奇心
終盤では、消費税、仮想通貨、そしてAIといった現代的なトピックにも触れられています。特に、AIの規制に関しては「一握りのエリートが独占することの方が恐ろしい」とし、オスマントルコのアラビア語印刷物禁止の例を挙げ、知識の開放と教育の重要性を説いています。
著者は最後に、「歴史の本には必ず語り手の意図が紛れ込んでいる」というエドワード・H・カーの言葉を引用し、読者に対し、歴史家を研究することの重要性を教えてくれます。
まとめ
本書は、「高校生でも誰でもわかる様に簡易に歴史を紐解いている」との言葉通り、難解な経済や歴史の話を、具体的なエピソードと著者の鋭い洞察力で楽しく、かつ深く学べる良書でした。新しいことを学び、挑戦することの重要性を改めて認識させてくれる、知的刺激に満ちた一冊です。
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ネットで見つけた会計の視点から見た世界史の通史です。一人の著者が開設する通史の本は興味がります。会計についてのみ述べるのでなく、その背景および周辺についての情報が面白かったです。
なぜイギリスで最初に産業革命が起きたのか、カッコの良い解説を学校では勉強してきましたが、この本に書かれている内容には納得できました、このような瞬間は読書をしていて良かったなと思います。
以下は気になったポイントです。
・ダーウィンの進化論には、それ以前のものにない3つの特徴がある、1)枝分かれ進化(私たちとチンパンジーは約5000万年前に共通の祖先から枝分かれして別々に進化した兄弟の関係)、チンパンんジーをどんなに頻出改良してもホモサピエンスにならない2)内在的な意思、進歩の法則の否定(より多くの子孫を残せたものが広まる)、3)宗教的背景とは無関係(p49、59)
・シャーロックホームズが活躍した19世紀の1ポンドは現在日本でいう、24000円の価値であった(p50)
・現代人の身体的特徴が出揃ったのは約180万年前、ホモ・エレクトゥスの時代、走るのに適した長いアキレス腱、走行中に頭が揺れても平衡感覚を失わない大きな三半規管、物を投げるのに適した柔軟な腰・肩、だから石器を作り刈りをして生活した(p61)
・ヒトには他の哺乳類にはない強力な武器がある、それは「暑さに強いこと」直立二足歩行のお陰で、太陽の照り付けが激しくなる正午頃に日の当たる体表の面積を小さくできる、大量の汗をかくことができ、体毛が薄いので冷却効果も高い(p62)体重の2%しかない脳は全身のエネルギーの20%も消費する燃費の悪い器官である、脳が大きく進化した背景には理由がある(p63)私たちが持つ巨大な脳は、群れの仲間と「上手くやっていく」ために進化した、身近な仲間との「貸し」や「借り」をきちんと理解し、記憶しておくために高度な知識が必要になった(p67)
・お金よりも先に文字があり、文字よりも先に簿記があった(p75)
・イタリア両替商の組合は、1299年にインド=アラビア数字の使用を禁じた、ドイツのフライブルグではローマ数字か文章で記述されていない負債の証明書は無効であるという法律が1520年に制定されている。スコットランドでは17世紀になってもローマ数字が使われていた。北イタリアで複式簿記が発達した要因には、早い時代からインド=アラビア数字が広まっていたから、さらに重要な背景は「公証人制度」が普及していたから(p90)
・11世紀初頭にはイベリア半島の3分の1は、およそ20のイスラム公国によって支配されていた、15世紀には、アラゴン・ナバーラ・カスティーリャ・グラナダ・ポルトガル王国があった、1469年にアラゴン国王とカスティーリア女王の結婚(王国統合)により、イスパニア王国ができた、1492年には最後に残ったグラナダ王国を滅ぼして「レコンキスタ=イスラム勢力排除」が終わった、その後にフェルナンドとイザベラの次女フアナがオーストリア大公、のちの神聖ローマ皇帝・マクシミリアンの息子・フィリップと結婚したことで、スペイン・ハプスブルク家の版図はさらに広がった(p121)
・中南米では一度減った人口(疫病、紛争の頻発など)をなぜ回復できなかったのか、スペイン人たちの布いた制度は、本来なら食糧生産に従事すべき男たちを農村から引き離し、金銀を掘らせた、結果として現地人の共同体は崩壊し、飢饉と貧困が蔓延した、子供が生まれても育てられない状況になった(p124)
・オランダ独立戦争は「80年戦争」とも呼ばれるが、1568年の反乱に始まり1609年に事実上の独立が達成され、80年もかかっていない。オランダの独立が国際的に承認されるのは1648年のウェストファリア条約なので、ここでオランダの独立戦争は終結した(p131)
・中央銀行がお金の供給量を調整する主な手段は、買いオペ(売りオペ)、公定歩合、預金準備率、現在の日本では長らく金融緩和が続いているが、これら3つの方法を駆使して世の中のお金の供給量を増やそうとしている、計画的で穏やかなインフレが経済によって望ましいから(p137)
・スペインの王(カルロス1世、フェリペ2世)は気づかなかったが、貴金属の価値は絶対的な物ではない、他の商品と同様に、供給量が増えれば価値は下がる、大量の銀を中南米から持ち込んだことで、当時の欧州では銀の価値が下落した、お金としての価値が落ちた、こうして1540年代から1640年代にかけて、欧州全土で大規模なインフレが起きた(p141)
・スペイン帝国は植民地の略奪と開発によって、金銀を得ようとした。イギリスのように植民地で貴金属を見つけられなかった国々は、貿易によって金銀を国内に流入させ、貯め込もうと考えるようになちなかった、これを「重商主義」と言い、これが後に大英帝国が覇権を握る布石となる(p143)
・当時の欧州の人たちは、アフリカ大陸を実際よりも小さく自分たちの土地と同じくらいと見積もっていた、アフリカ西岸はカナリア諸島の辺りで海流の向きが変わるため、大航海時代初期の帆船では、それより南に進むことができなかった、その海域さえ突破できれば、東向きに針路をとってインドに直進できると考えられていた(p148)
・1602年3月、中小の貿易会社が統一され「オランダ東インド会社(VOC)」が設立された、これが世界最初の株式会社と呼ばれる理由は3つ、1)事業継続を前提、長期に渡り植民地の維持が可能、2)無限責任から有限責任制へ、3)株式の譲渡が可能になった、市場での自由な売買が可能となった(p153)
・18世紀のイギリスで起きた「南海泡沫事件」は、歴史上有名なバブルのひとつで「バブル」という言葉がこの事件をきっかけに生まれた。南海会社は、東インド会社設立のおよそ110年後(1711)に設立された、事業目的は奴隷貿易で、スペイン領の南アメリカに奴隷を供給する商売(アシエント貿易)の独占権をイギリス政府から賦与されていた。そのほかの存在理由として、政府の財政難の解消があった、イギリス公債の一部を南海会社の株式へ転換する政策が取られていた(p176)
・1716年にジョン・ローが作った、バンク・ジェネラルは、フランスで初めての発券銀行(紙幣を発行できる銀行)となった、海外貿易の決済に紙幣(銀行券)を使えるようにし、さらに、税金は全て銀行券で支払うという法令を公布した(p191)1718年には王室銀行と改称、重要なことは、王室銀行が銀行券の発行を貴金属の準備と切り離した(=不換紙幣の発行)こと(p192)これがミシシッピ会社のバブルとなった(p198)
・中世までは国会運営は王家の私的財産によって賄われていた(=家産国家)近世以降は戦争の大規模化に伴い、最終的には国民から徴収した税金によって国家を運営せざるを得なかった(=租税国家)、国民は税金を納める代わりに議会を通じて、税の使い道を監視させるように要求した、現在では当たり前の、議会制政治、国民主権は、租税制度の発展に伴い産声を上げた(p208)
・日本で一般国民が苗字の使用を許されたのが、明治3年、苗字の必称義務が課せられたのは、明治8年である、明治9年には俸禄廃止となった(p215)
・産業革命には、第一次(軽工業、石炭、蒸気機関の時代)産業革命、第二次(石油、電気、重化学工業、電機工業、非鉄金属工業)が発達した時代がある、2世紀あまりの時間がかかっている、人々の生活の変化も緩やかで、産業発展は「革命的」ではなかった、18世紀末まで一般庶民の「豊かさ(=人口一人当たりの所得)」は、新石器時代と大差なかった(p223)200年という歳月は人類文明1万年の歴史から考えると「ごく短期間」で変化したことになる(p232)
・気候変動で狩猟採集で得られる動植物が減り、さらに人口増加によって食糧難に陥ったために「仕方なく」農耕を始めた、農耕の開始により人々の生活水準は落ち、死亡率は上昇した。狩猟採集では、木の実・肉類などをバランスよく食べられるのに対して、濃厚定住生活では食事が穀物ばかりになり、栄養素が澱粉質に偏る、定住生活は人口密度が高くなり、身体的接触が増え、さらに排泄物で土壌や水質が汚染されて疫病が簡単に蔓延した。ではなぜ農業に切り替えたか、それは高死亡率を補って有り余るほどの出生率が上昇したから、狩猟採集生活では複数の赤ん坊を同時に育てられない、女性の出産間隔も短くなった(p225)
・農耕開始から約1万年間のほとんど全ての期間で一般庶民は貧しさに喘いでいたが、18世紀末から人類の科学・技術・経済は急激に成長を始めた、イギリスを皮切りに、北米・欧州・日本が「マルサスの壁」(=人口が増えると食糧は相対的に減り、食糧難と栄養失調が常態化し人口が増えない)を打ち破った、これにより人口の大部分が農業に従事していた時代は過去のものになった。かつては一部の特権階級だけのものだった「美食」「音楽」「芸術」「ファッション」「海外旅行」が一般庶民にできるようになった(p229)
・優れた発見や発明だけでは世界は変わらない、まずその発見や発明が広く使われて、産業の成長に繋がらなければならない、さらに、それが次なる発見や発明の土台にならなければ世界は変わらない(p235)1589年にイングランドの司教が自動靴下編み機を発明し、特許を得るためにエリザベス1世と謁見するが「靴下職人から仕事を奪う」として許可されなかった(p235)
・産業革命が生じた原因を理解するには、なぜ人々が現代のように技術革新を必要とするようになったのか、技術革新の需要面を解明しなければならない、18世紀のイギリスは、世界で最も労働者の賃金が高く、燃料費の安い地域であった、だからこそ労働を機械に置き換えるというインセンティブが生じ、それを可能にする技術革新への需要が生まれた(p240)そのため技術革新に投資することで利益を出せることになり産業革命がイギリスで始まった(p243)
・ペストによる人口減少で、西欧州の人々は一時的に「マルサスの罠」から解放された、人手不足で賃金は上昇、利用可能になった土地が増えて食料価格も下落、大量死のおかげで皮肉にも人々の生活水準は向上した(p249)
・鉄道は過去200年で人類の生活を最も変えた発明の一つである、イギリスのマチェスタ〜リバプール間では、運河なら片道36時間かかるが、鉄道は5時間で結び運賃は3分の1となった、駅馬車と比べて時間が正確であり、鉄道の普及は人々の時間感覚を変えた。それまで数日〜数ヶ月という単位で過ごしてきた人々が、何時何分という単位で行動するようになった。さらに1847年以降、鉄道の時刻表はグリニッジ天文台を基準に作成されるようになった、国内でも地域でバラバラだった時刻が統一された(p254)
・明治の頃の世界では工場は1日11時間操業が一般的であったが、日本人は11時間2交代制を採用し、機械を実質半額で利用できると気づいた。こうした工夫の積み重ねで、日本の近代工業は離陸し、着実は経済成長を始めた(p286)戦後日本の成長は明治期とは真逆の発想であった、安い労働力でも利益を出せるように資本(=機械)を利用する工夫ではなく、高度に資本集約的な(高額)最新鋭の生産技術、設備を「あえて」導入した(p290)1950年の鉄鋼生産は効率が悪く(小規模生産)そのため低賃金にもかかわらず、日本産の鋼鉄は50%も割高だった、こうした非効率な工場を最新鋭のものに置き換えることが日本政府の狙い(=効率の良い工場を建てることで他国と競争できるようにした)であった(p291)
・1950年台の自動車組み立て工場の最小効率生産規模は年間20万台ほどであった、これに対して最新の技術を貪欲に吸収した日本の自動車工場は、1960年代には年間40万台(ホンダ、トヨタでは80万台)にまで引き上げることに成功した、つまり1年間で40万台をせいぞうする時に1台あたりの費用を最も安くできる工場で生産活動を行うようになった、こうして日本は高賃金を払いながらも製品に競争的な価格をつけられるようになった(p293)
・次の100年で最も経済的に成功できるのは、AIでも人間でもなく「新しい技術を味方につけた人間」だからである。1997年にIBMのスーパーコンピュータが世界一となったが、現在の最強プレーヤーは誰か、AIと人間を組み合わせたチームが最も優秀な成績を収めるようになった(p329)
・15世紀半ばにグーテンベルグが活版印刷機を実用化したことで安価な書籍が流通し、教会やギルドは知識を独占できなくなり、人々の知的水準が向上、宗教改革とプロテスタントの誕生により、カトリック教会の威信は失われた(p335)一方、オスマン帝国の支配者は活版印刷が発明されて間もない1485年に、アラビア語の印刷物を禁止した、エリートが知識を独占する体制を作り上げたことで、オスマン帝国の支配者たちは何百年も権力の座に居座ることができた、1800年になっても成人の識字率は2−3%であった。結果として西欧工業国に大きく遅れをとることになり、第一次大戦の敗北によりオスマン帝国は消滅した(p336)
・この先10年を生き抜く方法、それは「知的好奇心を失わないこと」である「勝ち組」と見做された職業でさえも AIの発達いかんでは安泰ではない、「AIを味方につければいい」と言っても、そのためには仕事の進め方を変えなければならない。新しいものを楽しめない人や、慣れないことをして「素人だと馬鹿にされるのを恐れる人」には辛い時代になる、必要なのは新しいことを学び、挑戦すること、あなたの未来は「あなたが未来にワクワクできるかどうか」にかかっている(p336)
2024年10月20日読破
2024年10月22日作成 -
会計の歴史などがわかった。
よかった -
会計の重要性が、これまでの歴史と紐づけられて詳しく解説されていた
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ルカ・パチョーリは近代会計の父、「スムマ」の中で複式簿記を解説している
お金よりも先に文字があり、文字よりも先に簿記があった
秤量貨幣は現代的な意味での「お金」とは呼べず、通貨単位に近いもの
「現金」が増減するときは、必ず、他の「何か」が同時に増減している
複式簿記では、取引のふたつの側面を1行にまとめて書き、この1行を「仕訳」と呼ぶ
PL(損益計算書)の当期純利益と、BS(貸借対照表)の純資産の増価額とは必ず一致する
お金の本質は、貴金属と交換できることではない。みんながお金の価値を信じているからこそ、お金には価値がある
身長は、その人の栄養状態に敏感に反応する指標です
消費税には、貧乏な人ほど税負担の割合が重く、お金持ちほど軽くなるという特徴がある
(逆進性)
あらゆる税金の増税には景気を覚す効果がある
消費税のいちばんの強みは、「税収の確実性」
税金の目的は、国家の財源を得ること
バブル期以降は、法人税と所得税を減税して、代わりに所得税を上げることで税収を補ってきた
移動性の少ない、消費や労働所得に重税が課せられる
お金の本質は、譲渡可能な信用
技術革新は、人々が利益を得られる水準でしか進みません
次の100年で最も経済的に成功できるのは、AIでも人間でもなく、新しい技術を味方につけた人間
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会計の歴史を知ろうとして、手に取ったが、世界の歴史までも知ることができた。そもそもなぜ会計が必要なのか、という根源的な問いを分かりやすいストーリーで語っていて、とても興味深い内容だった。
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戦争も植民地支配も、国家運営も工業もお金が動き、そのお金が動く正当性が必要となる。
会計も会社組織も監査制度も、歴史が必要としたもの。
そんな背景を知ると数字を寄せ集めるだけのような会計というものが、少し違って見えてきて面白い。 -
簿記をやってみようかと思いました
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簿記会計の歴史の本という事で読んでみたんだけど、ちょっとトピックが散乱している。ただ、サラッと軽く読めるのは気分転換によかったな。複式簿記会計の体系が、つい150年前くらい前に確立したばかりなのは知らなかった。企業規模拡大に伴い、企業所有者と投資家が分離していったからと。なるほど。
参考文献が充実しているので、ここからいくつか読んでみたい。 -
2021/3/6 20/30
目からウロコが落ちまくり、面白すぎた。
こうやって会計の視点から歴史を見てみると、新たな気付きとか知見が得られるのだな… -
“お金”とは何か? なぜ紙幣・硬貨に価値があるのか? 貨幣・会計にまつわる歴史を紐解きながら、お金の本質をわかりやすく紹介する。
第1章 偉人とお金の意外な関係
第2章 なぜ「文字」よりも先に「簿記」が生まれたのか?
第3章 一国の運命をも翻弄する会計の力
第4章 産業革命。そして、簿記から会計へ
第5章 これからの「おカネ」の話をしよう -
一つの物事をいかに多方面からアプローチすべきかという事を考えるには良い本だと思う。
ただ、これは会計の本でも、簿記の本でもなく歴史の裏側、教科書に載らない別方向からのぞいた本だと認識しなければがっかりしてしまう。
今の人間んは一方向的からしか物事を判断する事ができないし、そもそもしようとは思わないのではないか。先端技術も大事であるが歴史から学ぶこともまた重要であるという事を考えさせてもらった。 -
2019/08/12 読み終わった。
ブロガーが書いた会計の歴史の本。軽くて読みやすい反面、ちょっと内容が浅かった。
タイトルにインパクトがある。文字より先に簿記が生まれた。言われてみればそうだなと。文字の一番初めの必要って物の数を表すことだから(そうだろうなというのは納得いく)そう考えると当然だった。 -
簿記や会計の成り立ちというよりはお金や経済の成り立ち的な部分が強い。歴史上の固有名詞がかなり多く出てきており、当たり前だが歴史成分はかなり強め。会計を理解したい人より歴史が好きな人向け。 -
おもしろかったです。鉄道事業が公認会計士の必要性を導いたんですね。しかしよく調べたものです。驚きです。
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世界史の中で会計がどのような影響を与えたのかを語った本。
会計そのものの説明はあまりなく、中心は「おカネ」とそれを取り巻く政治状況の解説になってる印象。
長い人類の歴史の中で、会計(お金)にまつわる大きな重要な出来事を取り上げて書かれていて、お金の動きが歴史を動かしてる様が興味深く書かれている。
惜しむらくは説明は現在から見た評価の紹介に注力するあまりに歴史ではなく出来事の説明で終わってるところがあって、全体的に離散的に感じて流れがわかりにくいところ。
あとがきには「面白そう」と思ってもらうことを目的に、時にはやや勇み足的な独自解釈も厭わないで書いた、立場が替われば見方も変わるのでいろんな切り口の本を読んでほしいとあるのだが、この本の面白さはいろんな本と読み比べることでより深まると思う内容だった。
著者プロフィール
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