文豪どうかしてる逸話集

  • KADOKAWA (2019年10月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784046044518

作品紹介・あらすじ

素晴らしい作品を生む人間が必ずしも素晴らしい人間とは限らないし、またそうある必要もない。
読んだらもっと好きになる、文豪たちのかわいくて、おかしくて、“どうかしてる”エピソードを、一挙ご紹介します。

【エピソード例】
・太宰治は、借金のかたに友人を人質に取られた経験をもとに『走れメロス』を書いたが、実際は全然走っていないどころか、友人を見捨てた。
・夏目漱石は、米が稲になることを知らなかった。
・谷崎潤一郎、佐藤春夫に奥さんを譲渡するも、「やっぱり返して」と言い出す。
・尾崎紅葉、友人を捨てた元カノを責め、バイト先に殴りこみに行く。
・国木田独歩が田山花袋に作ってあげたカレーライス、ちょっと変。
・梶井基次郎、泥酔して「俺に童貞を捨てさせろ!」と街中で叫び、友人を困らせる。 etc

【目次】
第一章 太宰治を取り巻くどうかしている文豪たち ~太宰治・檀一雄・坂口安吾・志賀直哉・中原中也・宮沢賢治~
第二章 夏目漱石一門と猫好きな文豪たち ~夏目漱石・芥川龍之介・室生犀星・正岡子規・内田百間~
第三章 紅露時代の几帳面で怒りっぽい文豪たち ~尾崎紅葉・泉鏡花・田山花袋・国木田独歩・幸田露伴・淡島寒月~
第四章 谷崎潤一郎をめぐる複雑な恋愛をした文豪たち ~谷崎潤一郎・佐藤春夫・永井荷風・江戸川乱歩・森鴎外~
第五章 菊池寛を取り巻くちょっとおかしな文豪たち ~菊池寛・直木三十五・川端康成・横光利一・梶井基次郎~

感想・レビュー・書評

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  • 「すごい言い訳!」「〆切り本」の1と2、「悪口本」と読んできたがこれが一番綺麗にまとまっている。
    先ずは表紙。「文豪」というクラシカルな響きから連想されるこの渋さ。
    開くと現れるのが、見返しに挟まれた「帯」のような赤い紙。
    も、もしや二枚目の「帯」?うーん、心憎い遊び心だ。
    そこには「太宰は自らの経験をもとに『走れメロス』を書いたが、実際は全然走っていないどころか友人を見捨てた」とゴシック体で書かれている。
    本文の中に、このあきれ果てるエピソードもしっかり出てくる。

    構成もまた大変分かり易い。
    第一章 「太宰治を取り巻くどうかしてる文豪たち」
    ここでは太宰治そのひとと、壇一雄、坂口安吾、志賀直哉、中原中也、宮沢賢治が登場。
    一番始めに現れるのがこの6人の相関図。これが非常に分かり易い。
    次に文豪ひとりずつの紹介。似顔絵、プロフィール、その下に12,3行で要約された生涯。
    次ページに代表作。それから「どうかしてる逸話」が公開される。
    それはそれは良い段取りで、しかも進士素丸さんによる文章が面白いと来ている。
    そしてどの章の終わりにも著者のコラムがあり、全ての文豪たちをよく研究したのが分かる。
    「どうかしてる逸話」をこれでもかと列挙していても、この文章で救われる。
    弱いひと、情けないひとに対する眼差しがとことん優しくて、嫌な気持ちにはなかなかならないのだ。まぁもちろん笑って笑って笑うけど。

    第二章 夏目漱石一門と猫好きな文豪たち
    第三章 紅露時代の几帳面で怒りっぽい文豪たち(尾崎紅葉と幸田露伴のこと)
    第四章 谷崎潤一郎をめぐる複雑な恋愛をした文豪たち
    第五章 菊池寛を取り巻くちょっとおかしな文豪たち

    何度読んでも笑うのが「芥川龍之介が大好きすぎる太宰治」。もう好きで好きで、ノートに芥川の名前を書き連ね、似顔絵もいっぱい。
    あまりにも好きだったから芥川の後を追って死の旅を急いだのだろうか。それとも建設的な思考がまるで出来ない、クズ中のクズだったのか。まさか、ね。
    「走れメロス」の作品で太宰を知った方、あの裏話はすごいから読んでみてね。

    そして太宰どころではないいずれ劣らぬクズが、次々に出場する。
    比較的普通人なのが夏目漱石、志賀直哉、室尾犀星(猫好きだから・笑)、国木田独歩。「堕落論」を地でいっていた坂口安吾。
    いかがわしい本を見つけられて中学生のような言い訳をする宮沢賢治。
    借金に慣れ過ぎて錬金術と呼んでいた内田百聞。谷崎潤一郎はやっぱり変態だったし、莫大な印税を使って覗き部屋を作った永井荷風なんてもう。

    幸い「作品と本人は別」と考えるタチなのでこういった本を楽しめるのかもしれない。
    巻末には参考文献がズラリ。こんなに読んだんだ。楽しかっただろうなぁ。
    おもしろ可愛い挿絵は「次の本へ」のイラストと同じ「ほししんいち」さん。
    この絵もとても良い味わいだ。
    ひとの失敗に寛容な時代、そこだけでも取り戻したいものだ。

    • ししまるさん
      ついにこの本に行き着きましたか!
      いえ、でもあなたの「本にまつわる本」が本当に育っていますね。
      僕が作った拙いものから離れて、立派に花を...
      ついにこの本に行き着きましたか!
      いえ、でもあなたの「本にまつわる本」が本当に育っていますね。
      僕が作った拙いものから離れて、立派に花を咲かせています。
      守破離はもう達成しているというか、完璧にモノにされています。

      いろんな人がレビューを読んで、いろんな人が本を手にとって、そこから本や書店や図書館に出会っていくのかもしれません。
      善の連鎖ですね。ロマンですね。

      いやあ、読書って本当にいいもんですねえ。
      次の感想も期待していますよ、さよならさよならさよなら!
      2020/03/20
    • nejidonさん
      夜型さん、楽しいコメントありがとうございます!
      お元気でお過ごしですか?
      「本にまつわる本」は、そういう眼で書架を探索すると次々に新た...
      夜型さん、楽しいコメントありがとうございます!
      お元気でお過ごしですか?
      「本にまつわる本」は、そういう眼で書架を探索すると次々に新たな本を見つけてしまうのです。
      それでこのような結果になっています。すみません。。
      これでは時間ばかりかかりますね。どうか長い目で見てやって下さい。
      いえいえ、まだ「守破離」の「守」あたりですよ(^^; お恥ずかしいです。

      今「図書館巡礼」を読んでいますが、目まいがするような陶酔感があります。
      本当に、読書っていいもんです。
      次のレビューは植物関連です。ふふ。好きなものが多くて申し訳ないです・笑
      4月になったら本棚名を変える予定ですが、アイコンはこのままですので、
      それを目印にお越しくださいませ。
      夜型さん、ありがとうございました!
      2020/03/20
    • reader93さん
      面白そうな本、読んでみたくなる本ばかりでnejidonさんの本棚に心が躍っています。この本も読んでみたくなりました。文豪たちのダメっぷり、想...
      面白そうな本、読んでみたくなる本ばかりでnejidonさんの本棚に心が躍っています。この本も読んでみたくなりました。文豪たちのダメっぷり、想像するからに親しみを感じます。”谷崎潤一郎はやっぱり変態だった”に大笑いしました。走れメロスの裏話、気になります。nejidonさんの本棚に出会い読書欲が倍増しました。これからも楽しみにしています。
      2020/06/04
  • 文豪たちの人間らしい逸話を集めたもの。

    文豪の相関図を図で説明してくれるのが分かりやすくて良い。
    尾崎紅葉、菊池寛あたりの相関図はわりとわかってなかったりしたので、面白かったです。

    太宰とか中原中也などの無頼派や夏目漱石一門の話は有名なものも多い。

    逸話は、泉鏡花の潔癖症が徹底していて面白かった。
    あんぱんは焼いて食べ、手で触ったところは食べなかったとか、日本料理やにいっても手持ちの鍋で煮てしまうとか。
    作品のイメージとも違わないし、なるほどな-と。

    梶井基次郎の乱暴狼藉、暴れん坊なところと、作品は真逆。
    繊細なメランコリックさが若いころは乱暴な感じででてしまっていたんですね。

    あと、作家の生年、没年が記載されていたけど、改めて作家の歳の関係が分かったのが良かった。
    この本に出てきた文豪たちを生まれ年順に並べると、以下。

    淡島寒月 1859-1926
    森鴎外  1862-1922
    正岡子規 1867-1902
    夏目漱石 1867-1916
    幸田露伴 1867-1947
    尾崎紅葉 1868-1903
    国木田独歩 1871-1908
    田山花袋 1872-1930
    泉鏡花  1873-1939
    永井荷風 1879-1959
    志賀直哉 1883-1971
    谷崎潤一郎 1886-1965
    菊地寛  1888-1948
    室生犀星 1889-1962
    内田百閒 1889-1971
    直木三十五 1891-1934
    芥川龍之介 1892-1927
    佐藤春夫 1892-1964
    江戸川乱歩 1894-1965
    宮沢賢治 1896-1933
    横光利一 1898-1947
    川端康成 1899-1972
    梶井基次郎 1901-1932
    坂口安吾 1906-1955
    中原中也 1907-1937
    太宰治 1909-1948
    壇一雄 1912-1976


    自分のイメージと違う部分もあり。
    活躍した時期や、いまでも人気があるかどうかなどでイメージかわりますね。

    江戸川乱歩の本名は平井太郎だとか。確かに本名で行かない方がよいかも。

    直木三十五の悪ふざけ企画「文壇諸家価値調査表」がなかなか面白い。
    小説家たちを学識、度胸、風来、人気、性欲、未来、好きな女、などで採点。
    当時の文壇って若者たちのサークル状態だったでしょうね。

  • 本屋で感覚買い。
    厳選された内容でとても読みやすい!
    コレって誇張されていないの?
    だとしたら文豪ってぶっ飛んでますね…

  • 笑える話がいっぱいあって電車では読めそうにありませんでした。
    文豪と言えどおかしな部分がたくさんあって、なんか安心しました。

    エピソードや交友関係、代表作の分かりやすい説明が知れて良かったです。

  • こういう文豪逸話ものっていろいろあるけど、こんなに面白いと思ったのはなかなか無い(笑) 何度も吹き出した。 昔の文豪って本当に変態や変人多すぎるなー。今じゃ考えられない金銭感覚と倫理感覚。菊池寛、人間味あるな、いい人だー。文藝春秋立ち上げたひとなんだー、芥川賞、直木賞つくったり、スゴイひとだ。もっと、他の文豪逸話もどんどん出してほしい!面白かった!

  • 聞いたことのあるエピソードもあるけど、軽妙な語り口で紹介される面白エピソードに思わず声を出して笑ってしまった。借金といえば太宰治や石川啄木というイメージだったけど、川端康成がもしかしたら一番の借金王かもしれない。
    あと、この本の遊び紙が凝っていてとても素敵。和菓子屋さんの包装紙みたい。

  • おもしろかった。
    文豪のおもしろおかしなエピソードで、ますます好きになったり。えー!?って思ったり。ガッカリだったり。
    いろいろ知れておもしろかった。
    文豪の作品、読んでみたくなりました。

  • 文豪の簡単な紹介と代表作、くすりと笑えるエピソードをまとめた一冊。

    教科書に載っているような文学は、難しいイメージが先行してしまうのですが、そんな作品を書いた文豪達をぐっと身近に感じることができるエピソードばかりでした。彼等の交友関係も垣間見ることができます。

    特に太宰治や谷崎潤一郎、近しい人達の逸話は破茶滅茶でびっくりしました。面白かったけど、近くにいたら嫌だなぁ。類は友を呼びますね。
    激動の人生をおくらないと、すごい作品は書けないのなら、生まれたのが今の世でなくて良かったな。と思います。

  • 江戸川乱歩って子どもの頃にコナンで名前を知って以来よく聞くけど、エログロ書いてる作家さんだったのか。しかも冨樫ばりに休筆してたっていうなかなか面白い方だと知った。文豪たちのエピソードが面白いのはもちろん、著者の言い回しが分かりやすいうえに笑いを誘う。本編も面白いけどあとがきでもクスッときた。

  • 誰もが知っているあの文豪に、こんな意外な一面があった!?素晴らしい作品を生む人間が必ずしも素晴らしい人間とは限らないし、またそうある必要もない。読んだらもっと好きになる、文豪たちのかわいくて、おかしくて、“どうかしてる”エピソードを、一挙ご紹介します。
    さくさく読める。文豪に興味のある人は小ネタとして楽しめると思う。どこかで聞いたなっていうのは森茉莉のエッセイで聞いた鴎外の話だった。日本文学、全然読まないでここまできちゃった。今更だけど、筆者のキャラから入ろうかな(笑)ちょっとは感情移入できるかも、しれない。

  • 確かにどうかしてる笑。

  • 文豪たちの人間味溢れるエピソードが読める本。
    文豪の作品って難しいイメージがあったけど、読んでみようかなと思えました。

  • 面白すぎて読んでいる間に何度も吹き出しそうになりました。2周目よみます!

  • くすっと笑えておもしろかったです!
    より作者の作品が楽しめる気がします!

  • あー、今と比べてなんて自由でおおらかな時代だったんだろう!
    破天荒を面白がってくれる人がいて、間違いを許してくれる人がいて。
    世界が広い。日常に流れる空気感が広々してる。
    貧乏も病気も今よりもっとシビアで、自由より義務や常識が勝つ時代だったかもしれないけど、それだけに同好の士の絆は強い?!世間が味方じゃなくても、お天道様は見てくれてる、そんな感じ。
    分かりづらいか。

    ひとつ言えるのは、彼らが自然に名作を生んだのではないということ。自由奔放に振る舞いながらも、本はアホほど読んでるし書くための努力はする。
    悪意で人を裏切らないし、友人となればそれこそ家を売ってでも援助を惜しまない。

    エピソードはおかしいけど、日本の近代文学はこの人たちあったればこそなんだなぁとしみじみしてしまいました。
    流行りの作家ばかりじゃなく、名作も読もうぜ!

  • 断片的に知ってるエピソードが繋がった。文筆家たちを色々な項目ごとに点数づけした「文壇諸家価値調査表」が面白かった。容姿で99点をつけられてる里見弴、一体どんな超絶イケメンだったのよ…

    (Twitterより)

  • 面白かった!
    酔って太宰に絡む中原中也の話は何回聞いても笑ってしまうし、大宰と檀が2人で酔ってガス栓ひらいて檀だけ正気に戻って太宰を見捨てる図も笑ってしまう。
    ドMの谷崎潤一郎、寡黙で借金上手な川端康成、文壇諸家価値評価表とかいうトンデモ評価表を書いた直木三十五、芥川賞と直木賞を創設しその懐の大きさで皆に慕われた菊池寛......
    それぞれの個性と関係性が分かりやすく書いてありとても楽しかったです。そしてそれぞれのエピソードがまた、本書のタイトルに恥じない「どうかしてる」感。

    文豪に対する敷居を下げてくれる本である一方で、出典がきちんとページごとに記載されている点もとても良い。もちろんそれぞれの有名作品もきちんととりあげられており、よんだことのない文豪の作品も読んでみようと思わせてくれました。

  • お、おもろ〜!
    文豪達、ぶっ飛びすぎ。
    特に太宰。予想を上回るクレイジーさ。
    戦時中、混沌とした世の中で娯楽も今より少なかっただろうに、あえて文学を通して自分自身をみつけて世の中に作品を広げた偉大な文豪達に拍手!

  • 有名な賞の名前になっているあの作家や、教科書にも載っていて誰もが知るあの作家のおもしろエピソードがこれでもかと詰まった一冊。
    文豪という言葉から気難しく、お堅い人が多いのかと思っていたが、この本で一気に覆された。女性、酒が好きで、喧嘩っ早く、お金に困っている人のなんと多いこと。
    文豪と呼ばれた人達の人間味溢れる一面を知ることができた。

    あと、猫好きな人が多い。

  • 文豪どうしのエピソードが面白かった!もっと知りたい。
    イラストも似ててイメージが湧きやすかった。
    紹介されてる主な著書の部分も読みたくなる書き方。

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著者プロフィール

1976年2月生まれ。舞台演出照明、映像制作、グラフィックデザイン、ライターなど、マルチに手がけるクリエイター。「カッコいいニッポン」をテーマに活動するパフォーマンスチーム「en Design」では照明演出を手がけ、 同団体のブログに寄稿した記事「文豪どうかしてる逸話集」がきっかけとなって本書の出版に至る。

「2019年 『文豪どうかしてる逸話集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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