20代で得た知見

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046047991

作品紹介・あらすじ

友達は軽蔑していい、しかし彼らの美点はすべて盗め
盗めないなら、近くに置いて、とことん可愛がれ
本当の友達かどうかは、十年経ったら判断できる
だからいま、友達がいないと思うのは必然である
本当の友達は、五人もいれば十分である
投資というみみっちい概念を捨てろ、小さい試みで大きなものが返ってくることはない
荒野を歩け、その分野は「まだ分野になっていない」可能性がある、その勉強は「まだ学問になっていない」可能性がある
自分にできないことをいとも簡単にできる奴に対しては「尊敬するか、侮蔑するか、利用するか」の三択だ
親が許せない間は、許せなくていい。ただし、「許せない」にも時効はある。
なにもやらない奴がなにもできない奴になるのは当然だ
言葉を粗末にする者は、仕事も人間も粗末にする
死んだ時、勝ち負けが決定する
二十代の敗北は、生涯の敗北を意味しない
薄っぺらい合格体験記より、電話帳並みの不合格体験記
虫歯は一本放置し尽くすと、最大四十万円の出費を導く
学歴は無意味と知ってから、血の通った勉強が始まる
学歴をひっくり返す方法は、幾らでもある
待っている時に限って「それ」は来ない
人の好きなものをディスる時は、一生憎まれる覚悟を持て
通信制限は自分の人生を生きてない烙印
自分のことばかり考えてたら自分が嫌いになるのは当たり前
数字を見るな、数字の先にある感情を読め
それが無駄かどうかは、未来の自分が決めること
歳上は歳下のように、歳下は歳上のように扱え
話す価値がないと思われることが人間関係に於ける最悪の敗北
手に入っても好きなものが本当に好きなもの
親は突然死ぬ、四の五の言わず年一は実家に帰れ
三万以下のアウターを買うな
経験に金をケチるな
このリストのすべてを疑え

感想・レビュー・書評

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  • 2年前から積読していた本書、やっと読了。

    読む前の心構えとして、本書はおそらく、"20代で読むべき"とか、"20代に伝えたい"とか、そういう強い意図はないということ。なぜなら、55の知見の最後に、小さく「このリストの全てを疑え」とあるから。曰く、作者が20代で得た知見(個人的見解)+数百人へのインタビューの断片集ということで、それが正解というわけでも、そこに当てはまらないといけないわけでもない。読んでいくと気づくが、万人共感型の内容もあれば、かなり尖っていて少数派にしか当てはまらなそうな内容もある。だから、これを押さえておくことは割と大事だと思う。

    以下個人的な感想。
    まず、見開きの袖三行で、これは口にはしたくないけれど、経験あるな…。と見透かされた気分になり、心掴まれ、筆者の『ご挨拶』では大共感。1章は割と共感できる内容が多かった。特に読書好きのみなさまには第49項がおすすめ。2章から先は、正直、共感にまで行かない内容もちらほらありつつ、以下特に心に残った項目7選。詳しい内容は是非本書にて。
    ・16.性分は、直すのではなく、引き受ける
    ・45.すべては白でも黒でもなく、灰色である
    ・49.食事したものしか排泄できません
    ・66.言葉より行動、写真より動画、数字より情動
    ・109.深夜の磯丸水産で
    ・124.ちょいとした堕落論
    ・180.私の愛

    最後に、明日からは、いいなと思ったことは思い切り叫び、好きな人のことは言葉を尽くして褒めたいなと思います。

  • 「20代で得た知見」というタイトルですが、「20代のうちから人生100歳時代を見据えたキャリアパスを描くべし」、といった類の本ではなく、筆者が体験した人生の中で、また様々な20代の人たちにインタビューを行った中で見つけた、「忘れがたく心を動かされた断片」をまとめたエッセイ集・詩編になります。

    青春時代と同じぐらい、20代は悩み患いの多い時代です。
    自分のやりたいことは何なのか、進むべき道はこれでいいのか、自分は何者にもなれないのか、結婚や出産が人生のゴールなのか……。人生はまだまだ長く不確実であるにもかかわらず、20代のうちに下さなければならない決断は、それに不釣り合いなほど多いものです。
    この本は、みんなが見過ごしてしまうもの――考えてはいるけれども言葉にできず、心の奥底に滓として溜まってしまうもの――を、筆者の感性を通して言葉にする本です。
    そのため、刺さらない人には一切刺さりません。詩集や自己啓発本の面白さというのは、自分のバックボーンと筆者の感性の噛み合わせ次第のため、それは致し方ないことだと思います。

    この本を読んで思ったことを一つ。
    人は誰でも上記のような葛藤を抱えながら世界と折り合いをつけています。それが故に、自分が抱える孤独や幸不幸なぞは、他の人間も当たり前のように経験しています。むしろより凄惨な孤独を味わった人もいれば、幸不幸の急転直下を経験した面白い人物もいます。上にも下にも実力者だらけであり、自分の矮小さを思い知ることでしょう。
    ですが、そうした取り柄も特徴もない人間が感じる、些細な気の迷いや感情の揺れを拾い集め、「当たり前の中から生まれたその人特有のエモさ」へと醸成させるのがこの本です。その一般人のエモさを一般人の感覚で触れ、心が揺れればイイネして、揺れなければおしまい、そんな読み方が適切かと思います。


    最後に、私が面白いと思ったものをメモとして記載しておきます。
    購入される前に本のテイストを確認したいという方も、是非活用してみてください。



    過剰こそが唯一の正義…根暗でもパリピでもインテリでもオタクでも、極端を突き詰めれたほうがうまく行く。世界を中心にせずに己を中心に据える。そして、どちらに振れられない人は、「中途半端」に特化すればいい。

    性分は直すのではなく引き受ける…優柔不断な性分を直すより、何についてなら徹底的に手は抜かないかを決め、それにリソースを割くのがいい。どうすればもっと楽に事を運べるかに特化して、上手くできないことは上手くできる人に任せれば、他人のためにもなる。欠点は欠点ではない。

    女は生き様である…年上の男からすれば年下の女は金も知識も経験も自信もない。そんな彼女に何らかの幻想を抱かせて落とすのは簡単。我々は年齢差恋愛に幻想を抱きすぎである。そこにあるのは経験格差による幻想。そんな女に足りないのは度胸。美貌は劣化するが、生き様は消えない。一方、そんな男に足りないのは愛嬌なのかもしれない。

    流行より百年先も成立するクラシック…移ろいやすい流行などはもう追わなくていい。百年先も成立するクラシックをご自身なりに確立してしまったほうがいい。

    「夢などなくとも、人はならざるを得ないものになる。そして、ならざるを得ないものを受け入れるしかない」

    不条理な世界と戦うための武器一式…現実を戦うための武器は次のようなものではないか。
    1 自分は何が好きか知る
    2 何が売れて、何が必要とされているのかを知る
    3 何が売られていないか、なにが欲しいかも知る
    4 今何を作れるのかを知る。それに向けて何を身につければいいかも知る。

    退屈を殺す…「それについてはもう知っている」と思うとき、人間は退屈する。「私はそれについてなにも知らない」と一歩下がれば、私達は退屈しなくて済む。

    雑談…雑談の延長線上に、仕事がある。あったら良いな、できたら面白いの延長線上に、仕事がある。周りに軽率に軽い話を振りまき、言いふらしておいた方が、いざその話になったとき、あなたの名前を周囲が挙げやすくなる。黙っているより訴えたほうが、機会は増える。

    良いものを見つけたら良いと叫ぶといい

    神聖にして不可侵な閉架…弱点は、突っついてもいいけど突き刺してはだめなのです。美点は、触れてもいいけど、「こうあれ」と呪いをかけてはだめなのです。

    地下アイドル…地下アイドルグループに、20代で得た知見を聞いたところ、「いきなりやってくる人は、いきなり去って行く」と答えた。ものすごい愛をいきなりぶつけてくる人はそれが同じ量帰ってこないと分かると、すぐにいなくなるという。全力で愛してると叫ぶことは、全力で愛してくれって意味であり、自分は愛されて当然だと思っている。

    女の怒りと、男の怒りの違い…女は、今怒っていることから過去へと話が遡及する。過去怒ったことはその場では怒らず、怒りが溜まったら、満額で決済する。
    男は、起こってもその場限りで、絶対的に相手に非を認めさせることができれば、今日はそれでよしとする。男は、怒りはその場で都度、少額決済する。

    どちらかを選ばなければならないとき…究極の選択を迫られたとき、ぜひ思い出していただきたいことがあります。それは、「自分が選んだ選択とその結果を心から受け入れたとき、かつてのその選択は判断時に遡及して、どちらを選ぼうが正しい選択になる」ということ。導かれた結果すべてを強く受け入れることで初めて楽になる。

  • 9月21日テレビドラマ「半沢直樹」の録画を観終えTwitterで感想をエゴサーチしていると気になるツイートを見つけました。
    「半沢直樹に勝ちました。現場からは以上です」実際の書店ランキングの写真とそのひと言。「え!?あの半沢直樹の新刊を上回る本!?F!?一体誰だ!?」お恥ずかしながらその時はまだFさんを知りませんでした。とにかく「20代で得た知見」どんな本なのか調べ、まず「男性である」。こういうジャンルで男性は珍しいですよね。
    そして普段SNSで人気が出て発売される本は全く買いません。個人的に「メンヘラ」「サブカル」そういったイメージが強いからです。
    ではなぜ購入したのか?
    その決め手は「20代で得た知見」このタイトルでした

    私は今21歳です
    世間で言う「大人」を1年と半年過ぎました。
    「子供の想像していた大人」
    みなさんはどんな大人を想像していましたか?
    私は「自由で毎日楽しくキラキラ華やかしい大人」
    そんなイメージを描いていました
    実際の生活では「時間に追われ、友達と遊ぶ機会が減り、お金も限られ、彼氏をつくる余裕もない。そもそも出会いもない」
    毎日なんのために生きてるのか。正直わかりません。
    全然『キラキラ』した時間を過ごしていません。
    「大人ってなんなんだろう」
    そんな疑問の中「20代で得た知見」と出会いました
    出会うなんて素敵な言葉を使いましたが半沢直樹のお陰です。笑

    実際手に取って読んでみると心が少し軽くなりました。
    「大人なんて存在しない」
    確かにみんな見た目は大人で中身は子供のままなのかもしれませんね。そう考えると日常生活多少は生きやすくなりませんか?
    読み続けると普段私が考えている世界がどれだけ狭かったのか痛感しました。

    読み終え「よかった!」「つまらなかった。」とすぐには感じられないと思います。
    ただ21の私からして言えることは
    「読む、読まないでは人間のおもしろさが変わる」
    と思います。
    大袈裟に聞こえるかもしれませんが読み終えるときっとわかっていただけるんじゃないかな?そんな気持ちです。
    Fさんの言葉を鵜呑みするのではなく「ひとつの意見として」「考え方として」軽い気持ちで受け入れてみる。そうすることによってそれぞれの人間臭さが生まれるのではないでしょうか。

    今私たちは「SNS」と生活する毎日。
    周りからの目、評価、見えない何かと戦う日々。
    他人のために生きているような真っ暗な世界。
    そこに本当の幸せはあるのか
    もしくはSNSの中に本当の幸せはあるのか
    そんなことも考えました

    長くなりましたが最後に
    この本とともに年を取る人生も悪くない
    ふとした時に思い出す
    無責任だけどFさんの優しさがあり憎めない
    それが『20代で得た知見』
    私はそう思います

    一人でも多くの方が自由に楽しい毎日を過ごせますように

    P.S.
    数年後にきっと、星5になるはず

  • 著者が20代で触れた(というと、若干語弊があるが)、183の"知見"が集められた本。それぞれを読んでいるうちは感心したけれど、多分身にならないだろうと思う。いま(2023年4月)は、そういう気分になれないから…。

  • Fさんが様々な人にインタビューを行い、それと自分の考えや感じ方を織り交ぜながらエッセイとして纏めた作品。
    仕事・恋愛など人生で一度は訪れるであろう場面をFさん独自の視点で読み解いていくところがとても面白かった。長いものから短いものまで、矛盾しているようで真理をついたようなものまでどの言葉も、その中に熱さやハッとさせる発見など読んでいて全く飽きずに最後まで読むことが出来て良かった。
    読書は、人生の先読みであると誰かが言っていた。この本を読んだことで20代をしっかり、前を見ながら歩き出せるなぁと感じました。只今23歳、人生の予習本の一冊として頑張りたいです。

  • 20代をとっくに通り越した私に、もう少しで20代に手が届く10代にすすめられた本。
    ご丁寧にお気に入りの文章に付箋まで付けてくれていた。
    圧倒的な言葉の数々・・・・。
    昔、会社の上司や、先輩や、親に言われたような、納得したような、しないような、そんな若い時に酔っ払った勢いでやらかしたような気分になる読後感。
    でも「これは私のバイブルなんです!」とすすめてくれた彼女は、きっとキラキラした20代を過ごすことでしょう。
    専ら小説ばかりの自分には凄く新鮮な本でした。

  • 20代でいるうちに読んでおきたいなと思っていた本。
    ものすごく面白くタメになるかと言われると、ページをめくり読みながら「ふーん」と特に何も響かない部分が多い。でもその中でたまにキラリと胸に留めておきたいなと思える文章もあり。
    そんな宝探しをするような気持ちで読みました。
    響くか響かないかはひとによりけり、な感じです。

  • 1.この本を選んだ目的 
    何かで紹介されているのを目にして手にしました。
    よく考えたら、人が考える『20代で得た知見』を知ったところで、『だから?』となりそうだと思いましたが、せっかく手にしたので、読むことにしました。

     
    2.あらすじ
    筆者のFさんが20代で得た知見というものを書き綴っている。
    大きく3章にわかれていて、その下に全183もの知見とするものが並んでいます。
    ページ数が285ページだから、ほぼ、1ページ、300文字〜1000文字で1編という構成です。
    『20代はこれでいいんだ!!』という感じです。
    一つのことに対して想いを語るという感じではなく、日々の生活で感じたことを書き殴った感じでした。


    3.感想
    このFさんは30代ということだから、また、10年後に同じタイトルで本を書けば、まったく違う内容になるかもしれない。時間の経過の中で、経験や、出会う人など、多くのものに影響を受けて、その時だした答えが、まったく別の答えになることは往々にしてあるから。

    このFさんは10代、20代に絶大な人気があるとのことなので、10代、20代向けの本として、良い本だと思いました。

    それから、片面赤色ページがあって、驚いた。読みずらかったけど…

    なかなか、よい言葉が含まれていると感じました。
    詩集みたいな感じ。
    これを20代で得ることができるのは素晴らしい。

    『自分の心を動かしたものだけが、真のインプットである。誰かの心を動かしたものだけが、真のアウトプットである。』なんて、なかなかいいね。

    ぜひ、20代で得た知見を40代で語り直してほしいと思いました ^_^

  • 2020.9.26
    26歳の私。
    学ぶことが大いにある本でした。

    社会人に慣れてきだした今。
    生活に余裕のない今。
    将来と過去の狭間にいる今。
    物事を一方方向からしか見る経験がない今。


    多くの人の考え方で沢山の方向から一つの物事を紐解いてくれているようなそんな感覚でした。
    使える言葉は全部使って、私たちに伝えてくれている本だと心から感じました。

    ここで得た知見やものの見方や考え方を最大限にします。
    一歩を踏み出します。


    3.6.7.8.10.12.14.21.22.36.40.52.59


    何を言ってるかわからないでしょう。私もです。

    二十代について語る者は、二十代についての後悔が多すぎると考えられないでしょうか。

    良い本とはなんだろう。何度も読み返すに値する本です。ではそんな本にはなにがあるか。謎が、意味不明が、ある本だと思う。

    人は自分に欠けているものほど、それを持っている振りをしようとする。

    これまで敗れたあらゆる夢や目標の中に、己が本当に成しとげたいことは一貫して変わらずそこにあり続ける

    あなたがいなくなっても生きていける。でも、あなたがいると、もっと楽しい。あるいは、もっと楽しかったかも知れなかった。

    醜いとされているもの、不快と感じられるもの、一見役に立たぬように見えるもの、歪と感じるものを「なぜそうなのか」「なぜそこにあるのか」「意図的なのか、あるいは単なる失敗なのか」という考察とともに不断且つ客観的にに見つめなければならない。
    豊かさとはつまり、目の前の貧しさから、どれだけの教訓を雑巾絞りのように絞り出すか。

  • 読み終わった直後の、ほんとに、ほんとに悪気はない素直な感想ね。
    何も得られん。

    そう、この本からは何も得られない。それが得た知見。
    まだ20代でみえる世界なんて極狭も極狭。学校というばかちいせぇ世界から毛が生えたくらい。それをすごく痛感しました。
    正解なんてない。
    恋も愛も結婚も離婚も死別もぜんぶいっしょじゃない、
    どれがいいとか、どれが悪いとかねぇんだって気付きます。

    なにか学ぼう!真似しよう!はない。

    今のわたし、これでいいやぁって思うようにする。

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著者プロフィール

1989年11月生まれ。神戸出身、新宿在住。男。著作に『いつか別れる。でもそれは今日ではない』『真夜中乙女戦争』。

「2021年 『真夜中乙女戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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