パンデミック客船「ダイヤモンド・プリンセス号」からの生還

  • KADOKAWA (2020年5月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784046048622

作品紹介・あらすじ

2020年1月下旬、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号に乗り込んだ乗客約2700人は、中国・ベトナム・台湾を巡る船旅を満喫していた。しかし、2月3日の夕方、香港で下船した乗客が新型コロナウイルスに感染していたことが船内放送で流れた瞬間、楽しかった旅の思い出も暗転した。その日、横浜港からそれぞれの帰路につくはずだったのに、検疫のために横浜・大黒ふ頭に停泊することを余儀なくされたのだ。検査の結果、まず10人の感染が発覚、さらに感染者数はふくらみ、隔離されていたにもかかわらず、4000人近い乗員・乗客のうち約800人に感染、7人が死亡した。発覚以来、2週間以上閉ざされた空間でいったい何が起きていたのか。浮き彫りになったのは、危機における政府や船会社の存在感の希薄さと無責任さだった。運悪くこの船に乗り合わせた乗客が克明に描く、不安と混乱の2週間。

・序章 クルーズ船の光と影
・出港 旅のはじまり 
・帰港 危機感なしの隔離前日
・隔離 自由を奪われた船内
・不安 隔離は次のフェーズへ
・疑念 下船はいつはじまる?
・解放 ようやく下船、そして下船後
・対談 小柳 剛×加藤邦英 「乗客には船会社や国の顔はまったく見えなかった」

みんなの感想まとめ

危機的状況下での人々の不安と混乱を描いた作品は、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」での実際の体験を通じて、社会の脆弱性や責任の所在を問いかけます。著者は、隔離された船内での臨場感あふれる記録を通...

感想・レビュー・書評

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  • 臨場感がヒシヒシと伝わってくる。メディアの仕事をしていたようで記録も正確で文章も読みやすい。後半は当事者というより批評家のようになって感謝の気持ちが少なかったのが残念。

  • 災害にしてもそうだが、一番情報を欲している人には届かない。
    今の状況も先もわからない中で過ごす不安はいかほどのものだろう。
    船会社や厚生労働省の対応も完璧だとは思わないし問題提起も必要だろう。
    だがそれにしても文句がすごくて読んでいて辟易してしまう。

    著者が一番苛立っていたのは薬が手に入らないことだ。
    持病がある者にとって薬が切れるということはそのまま体調が悪化することを意味する。
    そしてそれはメンタルに直結する。痛みがあれば尚更だ。
    薬がスムーズに届いたなら、著者もここまで怒りが全面に出なかったのではないだろうか。
    当時他の乗客のSNSを追いかけていたが、薬問題のない方は比較的冷静だったように思う。

    日本人乗客にとって幸いだったのはやはり自国に接岸できたことだろう。
    日本語でやり取りができ、宅配便を受け取れたということは大きい。
    もともと船内のWi-Fiは割高で航行中はあまり利用せず、隔離中に強化され無料で利用できるようになったそうだ。だからSoftbankからスマホが貸与されたのかと合点がいった。

    隔離は不完全だったと思うし情報も空間も閉ざされた中で先が見えず混乱した現場に置かれた状況では不安定になるのはわかる。
    だが最初だったからこそ一番手厚い支援を受けたのではないだろうか。

    日本人の役人は一辺倒の対応しかしない、船長は自分の言葉で話したというが、日本人が同じことを言っても不謹慎だと怒りしか沸かないのでは?
    これが日本ではなく海外で接岸され、現地の管轄だったら更に困難だったのでは。それはそれで邦人を守るのが当然だ!とやはり政府に文句しか言わなそうだが。

    薬が届かない、申請書には薬の名前だけで病名を書く欄がなく、緊急性をどう判断するのだ! と憤っていたたが、紙なのだから余白にでも病名を書いておいたら良かったのに。それがどれほど効果があるかはわからないが。
    水を入れるために外洋へ出たとき、並走している海上自衛隊の船に自殺防止か? 監視しているのか? と疑問を持ったようだが、当時の報道やSNSの中に他の目的が書いてあったように思う。
    隔離されている間は気持ちに余裕がないだろうから気が回らなくて当たり前だが、後日このように本にしているのだから、自分の行動を振り返ったり調べたりしなかったのだろうか。
    著者は外部の記者と頻繁にやり取りしていた割には、情報を得るのが下手なのではないかと思ってしまった。

  • これが去年の春の状態だと思うと、割と日本の国民は早い段階でコロナを警戒していたと感じました。警戒し過ぎてパニックもありましたが。
    高度経済成長に見られるような、目先の利益を追い求めるあまり公害病を広めたように、悪い歴史を繰り返してばかりだと感じる一冊でした。

    春節は、オリンピックは正しかったのか。私達はこの身をもって、見届ける道中にあります。

  • 期待していたのとは違った。

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著者プロフィール

1947年2月18日生まれ。1970年武蔵大学経済学部卒業、1976年早稲田大学仏文科大学院修士課程中退。1976年東北新社入社。外国映画、海外テレビドラマの日本語版吹き替え・字幕制作、アニメーション音響制作、およびテレビCM制作に携わる。2011年3月に同社を退社し、現在は夫人とともに長野県在住。文学・思想誌「風の森」同人。世界中が注目した「ダイヤモンド・プリンセス号」に乗船し、隔離された船内の一部始終を目撃、同船内で73歳の誕生日を迎えた。

「2020年 『パンデミック客船 「ダイヤモンド・プリンセス号」からの生還』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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