あなたとSDGsをつなぐ「世界を正しく見る」習慣

  • KADOKAWA (2021年12月16日発売)
4.06
  • (36)
  • (46)
  • (13)
  • (4)
  • (3)
本棚登録 : 592
感想 : 52
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784046055545

作品紹介・あらすじ

2030年までに達成すべき国際目標として「SDGs」が掲げられ、世界は動き出した。
ビジネスや教育現場など、様々な場面でSDGsが謳われている。

しかし、私たちは「本当に意味のある社会貢献」に取り組めているだろうか?
表向きはSDGsと謳いながら、単なる「きれいごと」に終始していないだろうか?

そもそも、私たちの何気ない行動が、世界の問題をむしろ助長していることに気づけているだろうか?

・私たちが「寄付」をすると、アフリカの経済的自立が遠のくかもしれない
・私たちが「新品の服」を求め続けると、バングラデシュの悲劇が繰り返されるかもしれない
・私たちが「肉食」を続けると、世界で「水戦争」が起きるかもしれない
・私たちが「スマートフォン」を買い続けると、コンゴの性暴力が悪化するかもしれない

貧困・環境・資源・紛争といった世界の問題と、私たちの生活は繋がっている。
世界の問題と自分の「繋がり」を知れば、無関心ではいられなくなるだろう。

そうやって内から湧いてくる問題意識を持つことが、本当に意味のある社会貢献をするために欠かせない。

本書ではアフリカで人道支援に取り組んできた原貫太氏が、独自の切り口で世界の諸問題に迫る。
この本を読めば「どこか遠くの世界の出来事」で終わっていた話が、「私の生活の延長線上にある出来事」に変わるはずだ。

さらに、世界の貧困の正しい見方を学び、「アフリカよりマシ」で片付けられない日本の貧困についても理解を深めることができる。

どれだけ大きな問題も、すべては「知る」ことから始まる。
さあ、勇気を持って世界へと続く扉を開けよう。

100万部超の大ベストセラー『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』(日経BP)共訳者・上杉周作氏推薦!

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

関心を持ち続けることの重要性を教えてくれる本で、私たちの生活と世界の問題がどのように繋がっているかを深く考えさせられます。著者は、アフリカでの人道支援の経験を通じて、貧困や環境問題などの国際的な課題を...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「重要なのは関心を持つことだけでなく、持ち続けること」当たり前だとわかっていても難しい奥深い言葉だと思いました。アフリカに対する見方が変わったのと、これからは鳥の目、魚の目で世界を見たいと思う。

  • SDGsの主要なトピックをピックアップしながら、読者に対して問題を提示する本。
    意識する必要があるのは大きく分けて以下の3つの視点。
    ◯遠く離れた国で起きている貧困や紛争が日本に暮らす私たちとも無関係ではなく、むしろ私たちがその原因を作り出していることがあることを理解すること。
    ◯普段私たちが着る服や口にする食べ物は、いったいどこで誰がどのように生産し、社会や環境にどのような負荷をかけているのかを考えること。
    ◯私たちが当たり前のように享受してきた「便利な生活」というのは、途上国の貧しい人たちや地球環境の「犠牲」の上に成り立っている事実があることを理解すること。

    これらの視点をもって、初めてSDGsに取り組む始点に立てる。
    「事実」や「データ」に基づき、「世界を正しく知る」ことが重要で、さらには「関心を持ち続けること」が最も重要と著者は説いている。
    だけど、一般的に「関心を持ち続けること」が一番難しい。

    SDGsの本は定期的に読むようにしている。だけど、読むと気持ちがいつも辛くなってばかり。
    自分の「便利な生活」に嫌悪感が出てくる一方で、同時にその便利な生活を手放せないでいる自分が本当に嫌になる。
    デパートやスーパーで過剰に供給されている洋服や食品を見るだけで嫌な気持ちになるし、シャワーを浴びたり、暖房の温度を上げたり、お菓子を買うにもなんとなく嫌悪感が出てくる。
    必要以上にキラキラしているネオンや看板も気になって仕方ない。
    自分ができることはどんどん取り入れている(つもり)。仲間がたくさんいたらいいなと思っていて(本著にも書いてある)、1人でも多くの人にSDGsについて関心をもってもらえますようにと願わずにはいられない。

    以下は本著で述べられているSDGs関連問題の主なもの。
    〇アフリカが古着の「最終処分場」となっている
    →善意の寄付はゴミを押し付けるのと同義
    →やまほどの「古着」が激安で売られている(さらに余っている)
    →アフリカに「古着」を送ることが地元の産業をつぶす
    〇日本では新品の衣服が年間10億着も廃棄されている
    →大量に作った方が安い、在庫を管理するよりも廃棄したほうがコストがかからない
    →1枚の服を作るのに、2700リットルの水が必要(バスタブ15杯分)。
    →さらに服の染色による水汚染が甚だしい。廃水の20パーセントは生地染色処理と言われいる
    〇肉食(特に牛)が水不足につながている
    →家畜を育てるための餌を育てるのに大量の水が必要(人間よりも家畜の餌が優先されている)
    →畜産業のために破壊される森林
    →バーチャルウォーターの話
    〇鉱物資源が豊富な国でなぜ紛争が起こるのか(本書ではコンゴが主)
    →アフリカの歴史(奴隷、植民地)を経てからの現在の先進国との関係性
    →国家予算の半分を先進国からの援助に依存している現実、富が分配されない理由

  • 非常に分かりやすい良本。「世界を正しく見るために、事実ときちんと向き合え」この姿勢こそが大事なのだ。
    数年前の大ベストセラー書籍「FACTFULNESS」(ファクトフルネス)に通じるものがあった。
    昨今の「SDGs」という言葉に踊らされず、きちんと足元を見ることは本当に大事だと思う。
    しかしながら、今の社会では、情報が洪水のように溢れている。
    正しい情報を取捨選択しようにも、それを見極めるのは相当に難しい。
    その審美眼を磨けということだと思うが、簡単な話ではない。
    当然ある一定の知識力が必要だと思う。
    しかしそれこそ情報は溢れるくらい流れてくるのだから、必要な知識力がどれぐらい備わっていれば充分なのか。
    本当のところは誰にも分からない。
    さらに、知識力以外にも、審美眼を磨くための能力を備える必要がある。
    その能力とは果たして何なのか?
    必要な何かが存在しているのは間違いない。
    それが分析力だったり、思考力だったり、想像力だったりするのかもしれない。
    目の前の情報を鵜呑みにせず、批判的に考える能力も必要だろうと思う。
    経営ではよく言われる、ジョブ理論だったり、デザイン思考だったりも、大事かもしれない。
    結局、この能力を持っていれば万能という唯一のものは無いということなのだ。
    そして、こんなに沢山の能力を会得することも不可能であるし、そんな万能な人間なんて存在するはずがない。
    ついついそんな状態で、思考停止に陥ってしまう。
    例えば商品の販売についても、人は選択肢が多ければ多いほど、購入に至る率が下がるのだという。
    食品のジャムを、6種類用意した場合と、24種類用意した場合の購入率を比較した実験は有名な例だ。
    選択肢が多いと選べないというのは、自分自身でも実感するところだ。
    適度な数の選択肢の方が、ターゲットが絞りやすいということであるが、これは「必要とされる能力」という文脈でも当てはまる気がする。
    「これからのビジネスマン、特にマネジャー職は、●●の能力を磨く必要がある」
    という話を、うんざりするくらい聞かされているが、それではどうすればよいのか。
    「結局何をすればいいの?」となった際に、あまりにも会得すべき能力の種類の多さに怯んでしまう。
    「SDGs」も実はその一つだと思っている。
    「能力の高いビジネスマンほど、SDGsの意識がある」と言われても、日々忙しく過ごしているのに、SDGsの勉強もしなければならないのは、あまりにも負担が大きい。
    当然、大切なのは分かっている。
    きちんと勉強しなければいけないのも、頭の片隅では理解している。
    だからこそ、できる負担を減らすように、SDGsの知識を増やすための社内研修なども行っているが、効果はどの程度出ているのか。
    そういう意味で、今の時代は特に「如何に考えさせるか」という心と身体の時間を確保することが本当に難しい。
    逆に言えば、だからこそ敢えて断捨離して、心身の余裕を持って考える時間を作り出すしかない。
    そうでないと、健全に議論して、全体としての最適解を生み出していくことは出来ないのではないだろうか。
    ついつい時間に追われていると、「白か黒か」のような二元論で単純化してしまう傾向がある。
    答えはそんなものでは出てこないし、当たり前であるが、単純に正解を求めるものでもない。
    社会がこれだけ複雑化している中で、1人1人がきちんと意見を持って、それぞれで議論して、最適解を見つけ出していく。
    これはどう考えても、時間もかかるし、相当に難易度が高い。
    だからこそ、問題が解決されずに棚上げされてきたのだろう。
    世界には天才と言われる人たちが数多くいるにも関わらず、この問題を解くことは容易ではないということなのだ。
    こんなことを考えると、この複雑な社会を生きていくというのは、本当に難しいなと感じてしまう。
    本書に記載されている各項目も、ニュースで見たり聞いたりした話であるが、こうして本の形式でまとめてもらうと、その解像度がグッと上がる。
    しかし、本当に解決策は見つかるのだろうか。
    衣服ロスの話は、本当に心が痛くなった。
    年間50億着が製造されて、30億着が廃棄されているなんて、そんな無駄なことは今すぐ止めた方がいい。
    しかもその仕組みは、ほとんどが我々日本も含めた先進国の都合で生み出されたものだという。
    この解決は、先進国の我々こそが担うべきではないかと思うが、もちろん簡単な話ではない。
    世界の貧困国が今後は経済発展によって、肉食化していくという。
    牛肉も豚肉も、人の口に入るまでにどれだけの水を消費しているか。
    世界人口は2024年の現在約80億人で、今後100億人までは増加する見込みが立っている。
    そうすると、食料不足に陥る訳であるが、同時に水不足も引き起こすというのだ。
    数十年先には、毎日毎日100億人の胃袋を満たし、生きていくための飲料水も確保し続けなければいけない。
    地球上にある水はほとんどが海水で、飲める水はほんのわずかだという。
    今後は水をめぐって、世界で戦争が起こる可能性すらある。
    水に恵まれている日本で暮らしていると、世界で水不足が起きていることを感じにくい。
    しかし、日本は食用肉についてほとんど輸入に頼っているため、水を相当量輸入しているのと実質同じことになるという。
    日本も当然争いに巻き込まれる可能性がある。
    そういう事実があるということを認識することが重要だ。
    スマホに使われるようなレアメタルが、アフリカ・コンゴ地区での紛争を生んでいる事実も、日本ではなかなか報道されない。
    不当な児童労働によって成り立っている先進国の生活がこのまま成立するはずがない。
    アフリカの植民地支配はなくなったというが、形を変えて先進国に支配されている状況は変わらないが、いよいよ限界にきているため、何とかしなければいけない。
    アフリカと日本を比較しての、絶対的貧困と相対的貧困の話はすごく学びが多かった。
    自分自身で正しい情報を得る努力がまだまだだと感じてしまった。
    さらに言うと、もし情報を得られたとしても、短絡的に考えてはダメで、そこからどう思考を深くしていくか。
    「考え過ぎること」と「深く考えること」は、根本的に異なる。
    そこを理解するのは本当に難しい。
    「1人」と「孤独」は違う。そして、「自立」と「独立」も違う。
    本書内での言葉が深く心に刺さる。
    「1人」とは、自分ひとりの状態。(絶対的な一人)
    「孤独」とは、周囲に人がいて、そこに入れなくて1人でいる状態(相対的な一人)
    そして、「多様な依存先を持つことで、自分らしく生きていけること」が自立。
    「周囲との関係性とは関係なく、自分ひとりで生きていくこと」が独立だそうだ。
    アフリカと日本を単純比較することはできないが、こうして深く考えていくと、複雑な世界が解像度高く見えてくるから不思議なものだ。
    だからこそ我々は勉強しなければいけない。
    社会の課題を放っておく方が罪なのだ。
    「最も深刻な社会問題は、人々の無関心だ」
    これも刺さる言葉だった。
    関心を持てば、その物事の背景も勉強しようと思うし、そこに関わる人と議論が必要だと思える。
    今のスタンスで無関心を貫くのは、大人としてどうなのか、ということだ。
    小さなことでいい。
    社会の課題に対しては、自分はどう考えるのか。
    それを思考するだけで、もしかすると世界は少しだけ改善されるかもしれない。
    その小さな積み重ねが、いつか閾値を超えて花開くかもしれない。
    まずは無関心を止めること。
    それが大事なのだ。
    (2024/5/20月)

  • 原貫太さんのYouTube動画の内容をまとめた本。国内外の問題点・課題を公平な視点を持って学ぶことができます。

    本書の学び
    1.関心を持つこと以上に、関心を持ち続けることが大切。そうすることで、いつか、自然と次の行動に移すことができる。同じ興味、関心を持っている仲間を見つけるとなお良い。
    2.鳥の目、虫の目、魚の目で、物事を正しく見よう。無意識の偏見や自身の願望が入っていないか?メディアに踊らされていないか?良い意味で疑ってかかることが大切。
    3.ベジタリアンの種類は様々。ヴィーガン、ラクト・ベジタリアン、オボ・ベジタリアン、ペスカタリアン、フレキシタリアン。

  • 企業の取り組みがメディアで取り上げられたり、学校の宿題でも関係することについての作文の宿題が出たりと、身近な課題となっているSDGs。

     これからの世界を生きていくためには考えなくてはならない重要な課題なのだけれど、この本に痛いほど、いかに自分が本質を知らないかを知らされました。

     経済発展だけでなく、環境や社会が抱える問題にもバランスよく取り組み、その根本的な解決によって世界を持続させようという17個の目標が設定されましたが、解決すべき問題の本質がわからないと具体的に何をするべきかわからず、おそらく多くの人にとってどこか他人事感があるのではないかと思います。

     この本を読むと、見えないところで、思いもよらないところで日本と他の国がつながっていることがわかります。本当は何を考えなくてはならないのかが見えてきます。

     とてもとても深いのですが、子どもたちにはこのレベルで問題意識を持ってほしいなと思います。

  • 著者は国際協力の分野で活動されている方。

    日本で一年間に供給される新しい衣服の量38億点に対して、消費者が購入する量は約20億点。アパレル産業からの二酸化炭素の排出量は、全体の10%を占める。綿の栽培に必要な水の量は、Tシャツ一枚に約2700Lで、一人当たりの飲料水の約5年分に相当する。

    穀物需要量のうち食用が57%に対し、飼料用が37%を占める。グリーンピースによると、畜産業をはじめとした工業型の食料システムは、森林破壊の原因の8割を占めている。

    世界有数のリチウム鉱床であるチリのアタカマ塩湖では、リチウムを採掘するために行われている地下水くみ上げによって、現地の住民たちが利用できる水資源が減少したり、生態系が影響を受けたりしている。

  • 寄付が必ずしも途上国の支援になるとは限らない、かえって害になることもあるのは知りませんでした。
    社会問題に幅広く触れられ、入門書としておすすめです。私はこの本のおかげで社会問題を自分事として考えられるようになりました。

  • とても勉強になりました。
    アフリカの問題等知らなかった事が多々ありました。
    色々な視点で物事に関心を寄せる事の重要さ!
    関心を持ち続ける事、大切ですね!

    親ガチャについても書かれていたがなるほどと思うところがありましたw

  • 原貫太さんのYouTubeチャンネルから。
    YouTube以上のことを知れるのかと思って購入したが、ほとんどYouTubeと同じ内容だった。
    良いとされてることが地球の裏側ではマイナスに働いてる。自分が持てていなかった視点を学べた。虫の目、鳥の目、魚の目は意識して生活したい。
    ただ、結局世界を良くするためにはどうしたらいいんだろう?って感想に辿り着くのが、読み終えた後ももやもやが残って残念。本書の目的として、読者に考えさせたいんだろうが、せめて「僕はこう考えますが皆様はどうですか?」ぐらいはあってほしかった。

    日本の貧困については、あまり共感できんかった。25年かけて植え付けられた自己責任論はなかなか消えないな。

  • アフリカやコンゴの現状を知った
    良かれと思ってやっていたことが
    アフリカを逆に苦しめていることも衝撃だった

    関心を持つこと以上に、関心を持ち続けること。
    分かってはいるがこれが一番難しい

  • YouTubeを見たことが、この本を手に取るきっかけとなりました。
    アフリカの現状を良い視点から教えてくれる一冊です。古着の寄付が、実際にはゴミを海外に送り出す行為になっていることに気づかされました。彼らが自立した生活を送れるよう支援することこそ、正しい応援のしかたですが実践が難しいでしょう。
    また、肉食問題や水資源問題が非常に深刻であることを改めて認識しました。地球と共存できる社会へ発展していくことの難しさを、痛感させられる内容でした。紛争地域の性暴力の意味も考えさせてくれた一冊でした。

  • 以前手に取った際は、
    第1章の以下のくだりで耐えられなくなり本を閉じてしまっていたが、
    今回は最後まで読み通すことができた。

    ・2016年、東アフリカ共同体は輸入古着の関税を段階的に引き上げ、最終的には古着の輸入を禁止することで合意していたが、「自由貿易協定に反する」とアメリカが貿易制裁のプレッシャーをかけたため頓挫した
    ・1980年、アフリカによるアフリカのための包括的な開発計画「ラゴス行動計画」が作られたが、世界銀行や国際通貨基金などが主導した「構造調整プログラム」によって頓挫した

  • 世の中の複雑な事象は、善と悪でクリアカットに見れば、分かったつもりになる。そもそも、世の中のことなんて善悪、正義と悪の二元論で語れるはずがない。

    そんな社会問題を、データを示しながら客観的な視点で伝えてくれる。筆者の謙虚な姿勢が伝わる文章にもとても好感が持てる。

    衣服ロスや肉食が水不足に繋がることなど、授業に使えるテーマがたくさんあって参考になった。
    良い本でした。

  • 331シラカ
    SDGsの先にある社会問題と、自分がどうつながっているかを意識する必要があると説いています。自身が取り組みをするとき、どういった社会貢献ができるのか自発的な意思をもって参加する必要があり、これが世界を正しく見る習慣の根幹ではないでしょうか。
    アフリカの経済的自立、衣服ロス、肉食が水不足を引き起こす、世界の紛争とスマホ、データからアフリカを読み解く、日本の貧困

  • 切り口としては目新しいものはないが、アフリカ現地に行き、現状を見た著書だからこその説得力がある。

    相対的貧困のみんなと同じことができないという辛さという表現がしっくりきた。

    自立とは、多様な依存先を持つこと。それが自分らしく生きることにつながる。

  • 卒論を書く為に読みました
    古着ってすごく良いイメージを持っていたけど、
    結局は日本やアメリカのような先進国が途上国にゴミを押し付けているだけという内容に納得した
    それで自国の衣服廃棄量は減ってお金になり、メリットしかないけれど、相手国はアパレル産業が危うくなったり、大量の古着は売れ残り廃棄される為、大気汚染に悩まされたり
    環境についてとても考えさせられた

  • 社会問題の捉え方の視点の提供をする本

  • この方のYouTubeを良く見るのでどういう興味本位で読んでみたらYouTubeの内容をまとめたものでした。

    自分的には良い行動はどこの国かも分からない見ず知らずの人を傷付けてしまうんだなと考えるきっかけになった。

    本当に世界を正しく見れるようになる良書です!!

  • 著書のYOUTUBEは見たことなくてこの本で初めて知りました。アフリカで国際協力をされているお方。原貫太さん。

    第1章 アフリカはなぜ今も経済的自立ができないのか
    第2章 「衣服ロス」から考える環境廃棄社会
    第3章 肉食が水不足につながる「不都合な真実」
    第4章 世界最悪の紛争とスマートフォン
    第5章 データをもとに「アフリカ」を正しく読み解く
    第6章 なぜ近年、日本で貧困が叫ばれるのか

    本編で6章にわけて説明されていてそれがとてもわかりやすくて、首が痛くなるくらいにうんうんと唸らせてくれます。

    第二章では、私たちが良かれと思ってやっている服や靴のドネーションがアフリカやカリブ海の国々ではさらに貧困を招くことになっている。
    年間8300万㌧の衣服をごみに出す。これは1秒に1トラックの量です。ファーストファッションで次から次へと服が作り出されては飽きたら捨てられる。(この本で初めて知ったのですが、アパレル業界が出すCO2は航空業界や船が排出するCO2をはるかに超えているそうです。)

    先進国ではこの服を処理できる場所もCO2の排出もできない。だから、善意という面目でごみを後進国(ごみ処理システムもない国)に押し付けている。
    ガーナで衣服関係の仕事をしていた80%の労働者が衣服のドネーションで仕事を失ってしまった。
    しかし、ドネーションの輸入をやめれば4万人の人たちの雇用が失われ先進国のアメリカから関税免除廃止などの経済制裁を加えられるという悪循環。
    いいも悪いも昔から先進国がアフリカを搾取し続けている。これによってアフリカが経済的自立をしようと思っても足を引っ張り続けているということですね。

    著書がいうように、2010年に起こった東日本大震災、千羽鶴と全く同じ現象ですね。震災復興に本当に必要なのは資源を無駄にした千羽鶴ではなくて、食料や水、インフラの復興であり、ごみを送られてもごみ処理システムも復興していない現地では迷惑以外のなにものでもありません。

    本当に必要なのは、彼らの立場になって考えるということなんですよね。

    そして、アフリカは政治的にもまだ安定してない。日本も国としてアフリカに支援金を払っていますが、そのほとんどは政治家の懐に消えていってるんですよね。それが、またアフリカの国々の汚職を増やし経済的自立からはまた遠ざかっているんだろうな。

    第3章では、どんどん西洋的な食文化になってきて世界がどうなってしまっているのかに焦点を当てて説明してくれています。
    ここでも先進国の需要に答えるがために、後進国が犠牲になっている背景が見えてきています。近年、日本でも30年前に比べてお肉を食べる量が格段に増えてきています。それは他国も同じ。それを補うように、後進国のブラジルやアルゼンチンでアマゾンが伐採され家畜の放牧に使用されたり、家畜の飼料用の穀物を栽培しているのです。今の段階で食用穀物が57%、飼料用穀物が36.6%。このままではどんどん飼料用の穀物が必要になるのは目に見えています。それに、家畜は土壌を汚し流行りの伝染病も生み出し、さらに水不足も引き起こします。
    私自身、フレキシタリアンでヴィーガンになれとは言えませんが、週に1回、慣れてくると週に半分はお肉なしの食事って結構思っているより簡単だったりします。今では歳のせいかもしれませんが、牛肉は食べると気持ちが悪くなるのでほとんど食べれなくなりました。ミートフリーマンデー(Meat Free Monday)も流行っているのでこの機会に1度でも試しにやってみると意外な心地よさを体験できるかも。

    第4章では、世界であふれたE-wasteの行先を。全世界のE-wasteのほとんどがアフリカに流れ着く。
    2019年で5360万トンのE-wasteが作り出されたけれども、結果20%しかリサイクルされない。アフリカにE-wasteのリサイクルシステムがなかなか構築されていないから、住民がリサイクルパーツを取り出すのに一番簡単な方法 ”燃やして溶かす” をするしかないんですよね。それによって、20-30歳代の人々が次々にがんにかかっているという状況。

    第5章では、真のアフリカを読み解いています。大量にとれる資源がゆえに搾取され続けてきたアフリカ。
    私、恥ずかしながらアフリカのことまったく知りませんでした。コンゴが2つあるということも知りませんでした。1つは、コンゴ共和国(Republic of the Congo)で主にフランスの植民地であったところ。2つ目は、コンゴ民主共和国(Democratic Republic of the Congo)でベルギーの植民地であったところですね。というのも1971年-1997年に国名がザイールとなっていたのでそちらのほうがなぜが耳に聞きなれている気がします。

    画像
    1965年、モブツがアメリカのサポートをへてDRCのトップに立ちあがります。というのもアメリカがロシアとの冷戦中に必要なコバルトが当時はロシアとコンゴにしかなかったのを機に、アメリカがコンゴを支配したかった為。アメリカはコバルト欲しさにコンゴを実質支配し、その代わりに金銭や武器をモブツに支給。それが、結果としてモブツを独裁者に変えていったんですね。モブツはやがて、武器の供給を外交の脅しに使い始めた。アメリカは歴史的にも独裁者・共産主義者にかなり敏感ですから、ベルギーと裏で画策し1961年にモブツを暗殺。
    先進国に搾取され使われ続けた成れの果てには、内戦、政治汚職、そして信じられないくらいの格差だけ。0.0001%の高所得者がアフリカすべての富の40%を支配している。トップ3名のアフリカの高所得者がアフリカの半分の人口の財産よりも多くの財産を持っている。

    1989年のマルタ会談がきっかけに冷戦が終了し、アメリカのDRCへの興味も沈下。アメリカの支配が終わったDRCは、国も退化し1996年についにコンゴ戦争に。1997年にはローランカビラ反政府勢力がルワンダとウガンダのサポートをきっかけにコンゴを支配。しかし、ルワンダとウガンダのサポートはコンゴの資源が欲しかったが為。2回目のコンゴ戦争は、ローランカビラがルワンダとウガンダを相手にとったコンゴを守るための戦争。全世界の60%ものコバルトがとれるコンゴ。ここでも資源のために搾取され続けています。ほかにもコンゴには、3TG(Gold, Tin, Tungsten, Tantalum)が豊富に採れるので武装勢力の資金源になっています。だから、内戦もなかなかなくならないんですね。

    悲しい悲しい歴史がこの国にはあります。そのことを勉強させてくださったこの本や、もっとコンゴについての他の本を読もうと思うきっかけになった著者にはありがたい気持ちでいっぱいです。

全45件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

1994年生まれ。フリーランス国際協力師。早稲田大学在学中よりウガンダの元子ども兵や南スーダン難民の支援に従事し、その後NPO法人を設立。講演や出版などを通して精力的に啓発活動を行う。大学卒業後に適応障害で闘病するも、復帰後はフリーランスとして活動を再開。ウガンダのローカルNGOと協働して女子児童に対する生理用品支援などを行い、現在に至る。2017年『世界を無視しない大人になるために』を出版。2018年3月、小野梓記念賞を受賞。

「2021年 『あなたとSDGsをつなぐ「世界を正しく見る」習慣』 で使われていた紹介文から引用しています。」

原貫太の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×