勝利の流れをつかむ思考法 F1の世界でいかに崖っぷちから頂点を極めたか

  • KADOKAWA (2022年10月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784046059994

作品紹介・あらすじ

崖っぷちのマクラーレン・ホンダを“円満離婚”へと導き、F1のトップチームであるレッドブルレーシングとのタッグを実現、レッドブル・ホンダとして2021年の劇的なドライバ―ズチャンピオン獲得の立役者となったのが、本書の著者である元ホンダF1マネージングディレクターの山本雅史氏である。


本書では、その歩みのなかでいったい何があったのか、という初公開のエピソードはもちろん、「F1界はマネジメントのスピードも最速」(山本氏)という世界のなかで、何を基準にどんなジャッジメントを行ない、いかにチームをつくり上げたのか、という氏のマネジメント術が赤裸々に明らかにされる。


さらに、レッドブルレーシング代表を務めるクリスチャン・ホーナー、ヘルムート・マルコ、フランツ・トスト三氏への、山本氏自身による独占インタビューも掲載。F1ファンはもちろん、リーダーとして組織を率いる方、チームのパフォーマンスを向上させたい方など、すべてのビジネスパーソンに向けた待望の一冊。



内容例:「ワイガヤ」にはほど遠かった両者の関係/「ウィリアムズ・ホンダ」復活という野望/「マクラーレンと“離婚”しましょう」/ザウバーF1との契約を白紙に戻した真意/部下の「働く喜び」は上司が準備できる/ホンダで学んだ「三現主義」の大切さ/理想のチームとは美しい“球体”だ/ ドライバ―を奮い立たせる「声かけ」のコツ/「放任主義」でチームもスタッフも成長する/「チェコは伝説だ!」が敷いた勝利への布石/感動的な「ホワイトレッドブル」誕生秘話/マルコも絶賛「ユウキの速さは本物だ」/日本人ドライバーが世界で勝てない理由/「いま」という時代に即した普及策を/一朝一夕に「政治の世界」には入れない……ほか

みんなの感想まとめ

組織の変革やコミュニケーションの重要性を深く掘り下げた本書は、F1の世界を舞台に、成功を収めるための思考法を明らかにしています。著者は、崖っぷちからの復活を遂げたマクラーレン・ホンダのマネージングディ...

感想・レビュー・書評

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  • 「ホンダとマクラーレンが正式にタッグを組む、と発表されたのは二〇一三年五月十六日。ぼくが F1にコミットメントするほぼ三年前のことだ。当時の関係者に聞いたところでは、「自分たちがお互いにそれぞれの仕事を遂行すれば、必ず勝てる」という意識をホンダとマクラーレンはともに抱いていたという。それは、かつて輝かしい成績を収めた自分たちへの自信と自負であったのかもしれない。しかし、そうした意識が結果的にコミュニケーション不足を生み出した。すなわち、お互いにリスペクトし合うあまり、腹を割った議論が不足し、情報の共有が疎かになっていたのだ。  二〇一六年から現場に行くようになってすぐ、ぼくはこの事実に気づいた。  どんな仕事においても、ぼくはまず自分の目で徹底的に観察することを旨としている。全体の状況を正確に判断するため、自社の人間だけでなく、渡り合う相手の言動も、事細かに、隈なく頭に入れていく。最近は PDCAサイクル( Plan〔計画〕 → Do〔実行〕 → Check〔評価〕 → Action〔改善〕)に代わって、 OODAループ( Observe〔観察〕 → Orient〔状況判断〕 → Decide〔意思決定〕 → Act〔行動〕)という言葉が使われると聞くが、観察こそがすべてのスタートである。」

    —『勝利の流れをつかむ思考法 F1の世界でいかに崖っぷちから頂点を極めたか』山本 雅史著

    「 幸いにもというべきか、ぼくはこれまでの人生で〝離婚〟の経験がないが、かつての伴侶との決別を選択した友人によれば、それが決まった瞬間、これまで二人で過ごした時間が走馬灯のように心に甦ってくるらしい。この〝円満離婚〟は、ぼくがホンダ F1の責任者となってまだ一年半後の出来事だったが、その瞬間にぼくの心に浮かんだのは、「ホンダとマクラーレンは、最初から最後まで〝掛け算〟ができなかったな」という悔しさにも似た感情だった。〝掛け算〟とは、京セラ・第二電電(現・ KDD I)の創業者であり、戦後日本を代表する経営者である故・稲盛和夫氏の言葉だ。稲盛氏は自著のなかで、「人生・仕事の結果 =考え方 ×熱意 ×能力」が自らのフィロソフィーであることを述べている。  この方程式にぼくは二十代のときに出合ったが、「目から鱗が落ちる」とは、まさにそのときのようなことをいうのだろう。なぜなら、ぼくはそれまで、「考え方・熱意・能力」は、それぞれ〝足し算〟するもの、と見なしていたからだ。それぞれが積み重なることで、そのぶんの成果が上がる、と考えていたのである。しかしそれが〝掛け算〟になれば、たとえば、ある人が仕事に対して溢れんばかりの熱意をもち、それを実現する能力に長けていても、パートナーとすべき相手との考え方が食い違ってその項がマイナスになるだけで、全体の結果もマイナスになってしまう。」

    —『勝利の流れをつかむ思考法 F1の世界でいかに崖っぷちから頂点を極めたか』山本 雅史著

    「そうしたビジネスシーンの極地が、おそらく F1という世界なのである。そのなかで現場を仔細に観察することなしに、大局的かつ即断即決の判断など行なえようはずがない。そこでホンダのフィロソフィーである〝三現主義〟、つまり〝現場〟で〝現物〟を見て〝現実〟の問題に立ち向かっていくマインドがいかに大事になるかということを、ことあるごとにぼくは痛感した。  もちろん、そうした世界でも「根回し」や「忖度」がないわけではないが、それすらも意思決定を極限まで早めるためのツールなのである。数多くの日本企業のなかで、ホンダは先んじてグローバル化を成し遂げたメーカーの一つだ。しかしそのなかで長年働いてきたぼくですら、 F1のスピード感は「衝撃」のひと言だった。」

    —『勝利の流れをつかむ思考法 F1の世界でいかに崖っぷちから頂点を極めたか』山本 雅史著

    「なお、本章でぼくは契約の話をたくさんしてきたが、そもそも理想的な契約とはどうあるべきか、ということについても、最後にひと言述べる機会をいただきたい。  パートナーシップの関係性の本質は、 50/ 50であるべきだ、と思う。じつはこの考え方は、契約を結ぶうえで、とくに国際的な取り決めをするうえでも不可欠である。なかには自社を有利にするために相手より多くの主導権を握ろうとする人がいるが、じつはそれは結果的に自社にとってもネガティブな結果をもたらしてしまうことになりかねない。   50/ 50の関係性が崩れてしまうと、そこに力関係が発生し、ニュートラルに相手のことが見られなくなる。それによって、お互いが幸福になるための〝掛け算〟もできなくなる。つまり、よかれと思って契約で自分たちが優位に立つことは、結果として自社のためにならない場合もある、ということだ。  もちろん、ときには 50/ 50ではなく、 60/ 40や 70/ 30のほうがスムーズにいくケースもある。ただしそれとてお互いに信頼関係があり、どちらも同じ幸福が得られるということが前提だ。日本人にありがちなのは、海外に出ると肩に力が入りすぎ、日本にいるときと同じスタイルが保てなくなる、というパターンである。〝会社を背負っている〟というプライドは仕事を進めるうえで重要だが、結果的にその思いが、望ましい結果を遠ざけてしまうこともある。」

    —『勝利の流れをつかむ思考法 F1の世界でいかに崖っぷちから頂点を極めたか』山本 雅史著

    「ホンダに入社したばかりのころ、尊敬する上司にいわれた言葉がある。「好きな人間と一緒に仕事をして楽しいのは当たり前だ。波長も方向性も合う。しかし、ほんとうの参謀とは、真逆の意見を素直に伝えてくれる人だ」。」

    —『勝利の流れをつかむ思考法 F1の世界でいかに崖っぷちから頂点を極めたか』山本 雅史著

    「昨今流行りのブレインストーミングなどとは異なって、「ワイガヤ」は人と人との実存がぶつかり合う真剣勝負である。だからこそ、ときに誰も思いつかなかったアイデアが降りてきて、それがチームのあいだで共感として広がったりもする。上司がいると本音を語れそうにないな、と感じたときには、若手だけで一泊二日の泊まりがけのミーティング旅行に行かせたこともある。ぼくが参加するのは、二日目の夕方の終わりがけだけ。その目的も「報告を聞く」のではなく、「どのくらい面白い話が出てきたか」を雑談交じりで、あらためて話してもらう。最終的にどんなアイデアが生まれたかを知ることも必要だが、そこに至るまでにいかなる会話がなされ、各人がいま、どんな気持ちでプロジェクトに挑もうとしているのか、そこにどのくらいの共感が生まれたかを理解することこそ、マネージャーの役割だ。」

    —『勝利の流れをつかむ思考法 F1の世界でいかに崖っぷちから頂点を極めたか』山本 雅史著

  • F1に興味をもって良かったと思える本。どんな組織が変化に強く、コミュニケーションを生み、結果を残すかが分かる。

  • 情熱を傾けることは、とても大切だ。F1という特殊な世界でも、それは言えるんだと感じた。考え方として、共感できる部分は、いくつかあった。根回しもあっていい、ただし率直に意見するのと。強いチームは、それぞれの役割を理解し、ただただまっとうすること。真っすぐでイイ!!

  • 感想
    徹底的な準備と状況に対応する柔軟性。言葉にすればこれだけ。意思決定を下すための情報をどのように集め利用するか。勝利まで遠くて近い。

  • F1ファンであれば2021年の歴史的な激闘はまだ記憶に新しいところでないかと思うが、その劇的な幕切れを演出したキーマンの一人と言える人物が書いた本。
    純粋に読み物としても面白いし、ビジネス書的に何を取り入れて何に活かせるかを考えるのも有用だと思う。
    日本人としてはやはりホンダは応援したい会社だと思った。


  • モータースポーツにおける最高峰であり、且つ、最も特異な世界であるF1において、頂点を極めるまでのストーリー、最高です!
    山本雅史さんの自叙伝でもありながら、F1の世界から得たチームマネジメントの極意が凝縮されている、F1ファンだけでなく、組織を束ねるビジネスマンの参考になるおすすめの本です。

  • 理想のチームは美しい球体。

  • 第4期(次の参戦が見えてきてるので実質第4期ですよね)のホンダを劇的な優勝に引っ張っていった立役者の一人。
    苦渋の日々から歓喜の瞬間までとこれからを山本さんの視点で語ってくれています。
    今読んでもあの悔しさと喜びが溢れてくる、本当にすごい数年間だったなと思います。
    マネジメントって難しいと日々感じるこの頃、参考になりました。
    ただ働く喜びをまだ感じられていないので当然部下にも感じさせることができない私はまだまだです。

  • ビジネス書ではなく、レッドブルホンダの内側を知りたくて読んだ。マクラーレンホンダの契約解消からトロロッソ・レッドブルとの契約までの話や組織論まで楽しめる内容。F1好きなら必読!

  • 元ホンダF1マネージングディレクターによる
    チームとして勝利するための思考法。
    著者はとてもコミュニケーション能力がずば抜けた
    方だと思います。
    ピラニアクラブと呼ばれるF1政治世界で
    ホンダとしての立ち位置を確保し、
    様々な交渉の場でその能力を発揮したはず。
    じゃないと
    2019年オーストリアGPでレッドブルチームが
    ホンダPUで初めて優勝したときに
    チーム代表としてホンダの田辺エンジニアが
    表彰台にあがるなんて、あり得ないです。
    2020年トルコGP(中止になった日本GPの代替)
    ではレッドブルのF1マシンがホンダカラーに
    全面塗装されましたが、これもあり得ないです。
    ひとえに、著者のコミュニケーション能力によって
    達成できた出来事かと思います。
    (著者はレッドブルチーム代表の粋な計らいと
     おっしゃってますが)
    本作はF1の世界で著者が経験されたことを
    一般のビジネスに落とし込んだ場合の
    勝利の流れをつかむ思考法です。
    組織から脱落してフリーランスの自分としては
    大変勉強になりました。
    改めまして、山本さん、チャンピオン獲得、
    おめでとうございます。

  • 勝利のために粘り強く主張する。チームは総合力で、理想の組織は球体。強みを合わせて大きな目標にチャレンジする

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著者プロフィール

1982年、本田技術研究所に入社。栃木研究所技術広報室長、本田技研工業モータースポーツ部長を歴任し、2019年よりHonda F1専任としてマネージングディレクターに就任。2021年、Red Bull Racing Hondaのドライバーズ・チャンピオン獲得に貢献。現在、Red Bull PowertrainsのアドバイザーとしてF1に参画する一方、全日本スーパーフォーミュラ選手権でTEAM GOHの監督として若手ドライバーの育成をサポート。

「2022年 『勝利の流れをつかむ思考法 F1の世界でいかに崖っぷちから頂点を極めたか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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