言語の力 「思考・価値観・感情」なぜ新しい言語を持つと世界が変わるのか?

  • KADOKAWA (2023年12月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (392ページ) / ISBN・EAN: 9784046063779

作品紹介・あらすじ

★日本経済新聞 (2024.3.16)書評掲載★
☆PIVOTに著者出演『英語脳を手に入れる』(2024.3.14)☆
★メンタリストDaiGo氏YouTubeで紹介(2024.1.1)★

「ChatGPTの翻訳はますます巧みになっていくだろう。そんな時代に、外国語を学習する意味は何か」
―今井むつみ(慶應義塾大学環境情報学部教授)

「言語が変わると認知はどこまで変わる? 衝撃の研究成果がこれでもかと挙げられ、驚きっぱなしだった」
―水野太貴(ゆる言語学ラジオ)


自分では1つの言語しか話せないと思っていても、実際のところ人間の脳は、複数の言語を操るように設計されている―著者のビオリカ・マリアンは、その事実を明らかにした。
スペイン語を話す人もいれば、日本語を話す人いる。それと同じ意味で、「詩」という言語を話す人もいれば、「数学」という言語に堪能な人もいる。
しかし、ここでもっとも大切なのは、複数の言語を話す能力によって創造性の扉が開かれ、脳の健康や、認知をコントロールする力も手に入るということだ。
そして、複数の言語を話せるようになりたいのなら、今この瞬間に始めることができる。
新しい言語を獲得するたびに、情報をどう受け取り、どう解釈するかということが影響を受ける。
何を覚えているか、自分自身と周りの世界をどうとらえるかということ、さらには感情、洞察、意思決定、行動も、話す言語から影響を受ける。
情報を整理、処理、構築するときも、言語は欠かせないツールであり、だからこそ大きな進歩を起こす力にもなる。
『言語の力』は、数多くの科学的な研究を検証し、新しい言語を学ぶことの利点を紹介している。

みんなの感想まとめ

新しい言語を学ぶことがもたらす影響とその重要性について掘り下げた内容です。著者は、複数の言語を操ることで脳の健康や認知機能が向上し、創造性や論理的思考が促進されることを示しています。言語の違いが思考や...

感想・レビュー・書評

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  • キノコが発する神経の電気信号のようなものが発せられてるとは知らなかった。
    タイトルに惹かれた方は読んでみたらいいと思う。

  • メモ
    もうひとつの言語を持つのは、もうひとつの魂を持つに等しい-初代神聖ローマ皇帝カール大帝
    ドイツ語を話す人は、橋について「美しい、エレガント、壊れやすい、きれいな」と描写するが、スペイン語を話す人は「大きい、危険、長い、強い」といった印象を持つ。
    高齢者の場合、マルチリンガルであることは、アルツハイマー病やその他の認知症の発症を4年から6年遅らせ、「認知予備脳」(脳が認知症の状態になっていても、症状が出にくい状態のこと)を強化する。
    生涯を通じて見ると、2つ以上の言語を習得することは、脳の実行機能の向上につながり、大切なものに集中し、そうでないものを無視するのがより簡単になる。
    そして創造性とダイバージェント思考を用いるタスクのスコアが向上する。
    母語以外の言語を使うと、より論理的で、より社会全体のためになるような意思決定を行う可能性が高くなる。
    全世界で見ると、子どもの約66%がバイリンガルとして育てられ、そして多くの国で外国語が学校の必修科目になっている。
    バイリンガルの脳内ではある単語を耳で聞いたとき、第一言語と第二言語の両方で、その単語のスペルと発音が持つそれぞれの意味が浮かんでくる。
    英語でいとこを表す単語はcousinしかないが、中国語には8つある。母方か父方か、男か女か、自分より年上か年下か。この利便性によっていとこの属性を分類する言葉を持たない言語を話す人よりも、いとこにまつわる記憶を引き出すスピードがはるかに速くなるのだ。
    16歳のときTOEFLを初めて受けた。1回の受験料が、当時ソ連で公務員の医師として働いていた両親の月給を合わせた額よりも高かった。テストを受けるには29時間も列車にのってモスクワまで行かなければならなかった。幸運にもアメリカの大学に入るのに求められる点数を2点超えることができた。
    16でMITを卒業し、19でスタンフォード大学の博士号を取得するような、世界中から集まった自然言語とコンピュータ言語の優秀なマルチリンガルは、シリコンバレー、大学、政府機関にとって貴重な知的資源であり発見とイノベーションを促進する競争で欠かせない存在になっている。
    日本語韓国語はカテゴリーⅣで学習に88週間要する

  • バイリンガルの利点を様々な視点から描いた本。著者自身がルーマニア人で複数言語を話す。内容はそれはそうだろうなぁ、というものが多く、少し退屈になったのでいったん積読にしておく。

    あとで潮向きが変わったらまた読もうと思う。

  • ・マルチリンガルはストループ課題で他よりもいい成績になることが多い
    ・マルチリンガルの失語症は、母語を失ってから取り戻す、第2言語を失ってから取り戻す等さまざま
    ・バイリンガルの脳は、一次聴覚野などの知覚処理を司る部分や、実行機能を司る部位が特に発達している

  • 言語を学ぶ、複数の言語を操れるとはどういうことか、いろいろ興味深い考察があった。

    p19
    「高齢者の場合、マルチリンガルであることは、アルツハイマー病やその他の認知症の発症を4年から6年遅らせ「認知予備能」(脳が認知症の状態になっていても、症状が出にくい状態のこと)を強化する」

    p27
    「全世界に暮らす人の過半数がバイリンガルかマルチンガルだ。(略)
    ヨーロッパ、アジア、アフリカ、南アメリカの多くの国では、生まれたときから複数の言語に触れながら育ち、さらに学校で、あるいは大人になってからも新しい言語を習う。ルクセンブルク、ノルウェー、エストニアでは、人口の90%以上がバイリンガルかマルチリンガルだ。ヨーロッパ全体で見ると、人工のおよそ3分の2が少なくとも2か国語を話し(欧州委員会の推計によると、3か国語以上を話すのは全人口の4分の1だ)、そしてカナダは人口の約半数がバイリンガルだ。」

    母語ではない言語を使っているときのほうが倫理的な判断から資産の配分まで、合理的な意思決定ができるというのも面白い。
    「ある人を助けるために他の人を犠牲にするのは正しいか」という倫理的な判断を問う「トロッコ問題」について尋ねると、母語で答える場合、5人を救うために1人を犠牲にするのは許されると答える人は20%、第二言語だと33%だという。第二言語のほうが倫理的になる。

    p59「複数の言語を話す人の脳内では言語同士の連想ゲームがより活発に展開されることになる」
    わたしは日本語の「楽器」という言葉しか知らないとき、それは音楽を奏でるものとしか結びつかなかったけど、instrumentという英語を知ってから、この言葉の持つ道具や医療道具という意味も連想されるようになった。

    p62「英語で文章を書くときの私は、母語と結びついている偏見から自由になれる。男女の役割分担といった考え方にとらわれず、思想家、著述家、科学者になれる。」
    わたしも英語でmy husband、your husband、your wifeなどと言うのは楽でいいなと思う。奥さんと呼ぶしかない日本語から自由になれるから。ご主人? 旦那さん? と迷ったりしなくてもいいから。

    p118認知症のこと
    「2つ以上の言語をつねに使い分けていると、脳内ではより多くの神経の通り道が形成される。加齢による脳そのものの衰えは避けられないが、普通よりもたくさんある神経の通り道が、その衰えを補う役割を果たしてくれるのだ。」

    p171
    「「外国語効果」とは、母語以外の言語を使うときのほうが理論的で冷静な判断ができるという現象だ。たとえば、5人の命を救うために1人の命を犠牲にするかといった倫理的なジレンマに直面したとき、外国語のほうが功利主義的に考える傾向がある。恐らくその理由は、外国語を使うと感情が抑制され、対象との間に心理的な距離を置くことができるからだろう。」

    p236
    「アメリカ人の子どもに外国語を教えないということは、教育システムに潜むより大きな問題の一部でもある。(略)ヨーロッパのほとんどの学校では、9歳までに最初の第二外国語を学び、その数年後までに第三外国語を学ぶことが義務化されている。」

  • 「言語を学ぶ」とは、単に語彙や文法を知ることに留まらず、異なる世界観や価値観を内面化し、柔軟な思考力や高い認知能力を獲得することであり、現代社会における協調性と理解の深化に不可欠な力となることを主張している。
    言語に興味がある人、外国語を学ぶのが好きな人、言語学を専攻している人にはぜひ読んでほしい一冊。

    モノリンガルとマルチリンガルの違いを脳科学的な観点からも分析していて、多言語を学ぶモチベーションが上がった。

    言葉を習得して終わりではなく、世界を見る窓を増やすという意識で言語の可能性を広げたい。

  • 外国語の学習の意義を一変させてくれる素晴らしい本
    本書の主眼はバイ/マルチリンガルにあり、多言語を習得することで如何に脳が物理的に変化し高いパフォーマンスを発揮できるか、という盲点なテーマに驚嘆した
    今井先生による解説も必見

    普通に流したけど、「単行本」に解説が付いてるの凄くないか?
    まぁ洋書の翻訳だからあっても不思議じゃなけど、慣れてないからびっくりした

    あのね、この本ホントに良いの
    マジで十数ページ毎に目が覚めるような文章が刺さって読むモチベーションを上げてくれる
    内容も、心理学者故の人間に焦点を置いた研究がテーマだから、文章にも人間味がある感じで読みやすい

  • 訳文も読みやすく「目からウロコ」な事実も多々収められており、そうしたベースのクオリティの高さと手堅い論理展開にうならされる。ぼく自身英語を学ぶ身として、自分が外国語の中に身を置いて考え抜くことがどのような意味をもたらし効用を堪能せしめるかは常々わかってきたつもりなのだけれど、ここまではっきり書かれるとモチベーションも上がってくる。その意味で、言語学習に挑みたい方にとっては好個の着火剤としての1冊になるかもしれない。ただ、言語学習の進化は個人差もある。あくまで個人が自身の成長と虚心に向き合う姿勢が必要と思う

  • 英語をより自分のものにできるようになりたいと改めて感じた。

    ・多言語を学習すると認知能力が向上する
    ・使う言語によってアイデンティティ、考え、世界観が変わる(英語を使用するとより外交的、オープンになるなど)
    ・第二言語を使うときは、より冷静に理論的で合理的な判断を下すことができる。

  • 配置場所・貸出状況はこちらからご確認ください↓
    https://opac.ao.omu.ac.jp/webopac/BB61688658

  • 言語と思考を切り離すことは難しく、母語では語彙が豊富であるが故に感情的になることも。外国語ならば自分の枠から離れた視点を持ち合理的な判断ができる可能性もある。AIが発達しても学習は続けるべきだなと改めて。
    詩の翻訳の難しさの解説が素敵でした。

  • 外国語学習は苦手…と思っているあなた(私)。でも、人間の脳は、もともと複数の言語を操るように設計されているそうですよ。言語学習のすばらしさ、複数の言語で思考することの意義を教えてくれる一冊です。

  • p15まで読んだ

  • もしかするとイノベーションに関わりそう

  • 言語について再考するきっかけを与えてくれる。 
    今後、AIの発達で自分の考えを母国語以外で伝えることについては苦労がなくなるかもしれないが、外国語を学ぶことの意義を教えてくれる。語学はコミュニケーションの手段ではなく、脳を活発化させてくれる。結果だけではなく外国語を身につける過程に大きな意味がある。
    あとは言語によって、時制がなかったり、特定の事象を表現する言葉がなかったりするのも面白い。言語が思考に影響を与えるのは間違いないので、どの言葉をベースにするかで思考は変わってくるはずだ。日本語は複雑で機微に富んでいて難しいがだからこそ良い言語だなと思った。
    以下は注意する(目を配る)についての多言語における表現なのだが、考え方がそれぞれあって面白い。
    スペイン語だとlend attention(あとで返してもらうという意識あり)、フランス語だとmake attention(注目は存在せず自分で作り出さねばならない)、英語だとpay attention(注目がお金のように価値のあるものだという意識かある)、ドイツ語だとgift(贈り物)として扱われる。

  • 複数の言語を話すことが、人間の認知や心の動きとどう関わるかを論じた本。

    著者は自らもマルチリンガル(複数言語を使う人)の、心理言語学者。母語はルーマニア語。言語学は心の働きと言語の関係を研究する学問(p13「はじめに」)。

    従来の言語学はモノリンガル(ひとつの言語だけを使う人)を前提としがちだったが、世界的にはマルチリンガルの方が多い(p27)。

    アイトラッキングや脳波測定などの実験から、マルチリンガルの特性を挙げる。
    かつて、違う言語は脳の違う部分を使うと考えられていた。実際は、マルチリンガルの脳には神経ネットワークが複数存在する。ある言語の単語が課題として出ると、似た発音やイメージの違う言語の単語も同時に思い出すといったように、脳内で複数のネットワークが同時に活性化する。その中から不要な情報を無視するという操作を、マルチリンガルは日常的に行っている。
    こうした負荷の高いタスクを日常的にこなすことにより、マルチリンガルは実行制御をつかさどる灰白質が発達する。また、ものごとの関係について、新しい組み合わせを発見するといった視点の柔軟性が高まる。
    さらに脳内の代謝物質濃度を変化させ、経験が次世代に引き継がれる可能性がある。エピジェネティクス=遺伝子時代ではなく、遺伝子の発現が変化する仕組みを研究する学問分野(p109)。

    また言語は、感情や価値観に影響を与える。
    母語は感情と結びつきやすい。トロッコ問題のように、感情と合理的判断とが反する課題を解く際には、母語以外の方が感情を排して合理的な判断を下せる傾向がある。

    人工言語の可能性。自然言語では、どうしても生育環境等の容易にコントロールできない要素が絡んでくる。人工言語を使った実験により、人間が自然言語を獲得する仕組みを解明する可能性がある(p285)。
    コードという観点からは、数学も言語の一種(p294)。

    結論としては、バイリンガルには優れた能力がある、みんなバイリンガルになろう、という話。
    成長後に学ぶのでも良いらしい。新しい言語を学ぶのに良い時期は、一番が生まれたとき、二番が「今」(p337)という言明は、勇気の出る話ではある。

    監訳と解説は今井むつみ氏。研究者だけあって、本文の面白さを補足しつつも、読者として注意が必要な点にはきちんと釘を刺している。
    補足の部分として、通訳や翻訳をAIで行えるようになった現代にあっても、人間の認知を向上させる上で、外国語の学習は意味があるという指摘。考えてみれば、移動手段が発達していてもある程度歩いた方が健康の維持に良いのは当たり前だが、こと言語の点でこれを指摘されると新鮮に感じてしまう。
    注意点の第一は、本書の想定するバイリンガルとは日常的に複数言語を使う人であり、たとえば専門分野でのみ英語を使う研究者等はおそらく想定外である点。
    第二は、ある点で能力の高まる傾向があるからといって短絡的にバイリンガル教育に飛びつく必要はない、という点。同じ効果は、多言語化以外の訓練でも得られるかも知れない。実際に本文内でも、数学も言語の一種という指摘がされている。

  • 第一章は、おんなじような説明何回するんだよー、、、と、読んでいて少し飽きてしまいました。
    ここで、一旦やめようかと思いましたが、けっこうすっ飛ばして流し読みして、二章を引き続き頑張って読むことに。
    一章はとにかく、『バイリンガル、マルチリンガルの方がいろんな面において有利だよ』ということかと。

    第二章の方が読み応えがあった。
    しかし、やはり説明が長い印象。もっとシンプルに、頼む、、、と思ってしまいました。
    というわけで、こちらもサラっと読んでしまい、ほぼ積読になりました。

    本書は言語を、本当に細かく深掘りした本という印象で、言葉についてじっくり向き合いたいという方にとても向いていると思います。
    言語の『教科書』のような本だなと思います。

    日々自分が使う言葉、聞く言葉、周りにあふれている様々な言葉に、思っていた以上に自分自身が振り回されて、影響されているということは、とてもよくわかりました。

  • 武蔵野大学図書館OPACへ⇒https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000274120

  • 佐賀大学附属図書館OPACはこちら↓
    https://opac.lib.saga-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BD05350209

  • バイリンガル、マルチリンガルの人の脳の特性を説明した本、といったらいいのだろうか。

    複数の言語を習得するとよいこととして、以下のことなどが挙げられていた。
    脳の白質、灰白質がともに大きくなる。
    作業で取られてしまう部分を空けておくことができ、他の認知的なタスクに当てられることもできる。
    もちろん高齢化すれば、脳の働きはモノリンガルの人同様に衰えるが、衰え方がゆっくりになる。
    アルツハイマー病の進行を遅くすることができる。
    常に脳内で複数の言語をコントロールしている状態になるため、脳の実行能力が高まる。
    他の人が気づかない関連性に気づいたりするなどの、創造性が高まる。

    こんな風に次々と挙げられていくと、そもそもバイリンガル信仰が篤い日本では、「そら、子供をバイリンガルにせねば!」となりそう。
    (そういう人には、まず巻末の今井先生の解説から読むことを強くお勧めしたい。こうした「よいこと」はモノリンガルの人が言語を学んだり、他のことを学んだりすることの中でも高めることができる、とある。)
    アメリカだと、外国語を学ぶインセンティブがなく、外国語教育への理解も低いと聞いたことがある。
    移民が多く、日本以上に多言語環境なのに、むしろそれをよくないこととして理解している節もある。
    そんな中では、本書のようにバイリンガル、マルチリンガルの人々の能力を強調して伝える意味があるのだろう。
    日本とアメリカの文脈の違いを感じさせられる。

    筆者は30年ほどfMRIを使って、言語を使う際の脳の働きを研究してきた人。
    かつ、自身もルーマニア語を母語とし、ロシア語を学び、自分の意思で米国留学をし、さらに第二外語としてフランス語を学んだというマルチリンガルの人。

    研究の中で、現在言語を扱うのは脳の局所的な部分ではなく、複数の場所のネットワーク的連関によるということが明らかになったそうだ。
    頭部の衝撃などによる失語症になったマルチリンガルの人の研究も少数ながらあるようだ。
    その症状の出方も多様で、片方の言語だけが損なわれたり、日によって話せない言語が変わるとか、話せる言語と考えることに使う言語が分かれてしまうこともある。
    まさに、言語が脳の広い部分で扱われることの証拠だ。

    エピジェネティック(遺伝子の発現のしかたを研究する分野)と言語の関係も考えられるらしい。
    まだ十分な研究が出ていないそうだが、今後こうした研究の結果を読むことができるのだろうか?

    後半は社会と「言語的なもの」との関わりを次々と取り上げていく。
    言語と政治、言語とジェンダー、移民の子どもたちと学業成績の関係、言語の中に文化が埋め込まれているのか、動物・植物の伝達と自然言語の違い、人工言語、特にコンピュータ言語、遺伝子情報もコードである点では言語に似た体系性をもつ。
    バイリンガルの創造性、言語習得の巧みさをもってすれば、自然科学の「言語」を習得するのにアドバンテージがある、という。
    これも…可能性の議論としては受け入れられる。
    ただ、最後まで読んできて何なんだが、バイリンガルをどういうものと定義するのだろうかと疑問になってしまう。
    とりあえず、どちらも同じくらい流暢であること、と考えてよいのかな?
    しかし、そんなことが実際ありうるのか?
    多言語状態で暮らす人は多いけれど、生活で使う言語と教育や仕事の場面で使う言語などと分かれていることが多いそうだ。
    とすると、同じような能力を各言語で身につけることは難しいだろう。
    現実には、どちらの言語も十分には身につかないというケースがあるとも聞いたことがある。
    バイリンガルになるには、そもそも一定以上の能力を持った人でないといけないのでは?
    いろいろなことを考えさせられるし、この問題、まだまだ面白い研究が今後も続いていくのだろうかね。

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