地球を斬る

  • 角川学芸出版 (2007年6月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784046211033

作品紹介・あらすじ

辣腕外交官として政治のリアリズムを知り抜く著者がロシア、イスラエル、アラブ諸国など世界各地の動向と第三次世界大戦のシナリオを読み解き、勢力均衡外交の視点をもって世界に対峙すべき日本のあり方を提言する。

みんなの感想まとめ

国際情勢を深く掘り下げたこの著作は、著者の鋭い分析を通じて、外交の現実や日本の立ち位置について考察しています。特に、冷戦後のナショナリズムの高まりや、勢力均衡外交の重要性が強調され、各国の動向を理解す...

感想・レビュー・書評

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  • 佐藤優が雑誌コラムで投稿した記事をまとめた著作。
    様々な外交上の出来事に対する著者の見立てが書かれている。
    全体で感じることは日本外務省の致命的な無能力・不作為による国益の損失だ。これは深刻だ。スクール制度の弊害、出世至上主義、ここまでくると恐ろしい。
    プーチン大統領の思惑、上海総領事館員自殺における日本政府の不作為、日中間の領土問題について、北朝鮮との駆け引き、竹島問題、バチカンのインテリジェンス能力の高さ、化学兵器遺棄の新事実、ロシアとの連携、東郷和彦氏の靖国神社参拝モラトリアム低減、英国のインテリジェンス能力、三党返還論の懸念、蕩々、盛りだくさんだ。
    最後のイラン問題の重要性は理解しておく必要があるだろう。アメリカは万が一の時は北朝鮮問題よりも、イラン問題を優先する。それが大惨事世界大戦を防ぐことになるからだ。そのため北朝鮮問題に関しては、日本はアメリカを頼ることは出来ない。ロシアとの連携を重視して対応する必要があるという。また、イラン政府に甘い日本政府の対応にも苦言を呈す。同じ価値を持つイスラエルとの連携を強化することにより、日本の立場を主張する方がメリットがあるのだという。さらにイスラエルの情報機関との連携には多大なメリットもあるという。
    いずれにしてもニュースで流れている内容から外交上のいろいろな思考はできる。興味をもって聞くことだ。それから外務省をどうにかできないか。そうした重いと強く持つようになった。

  • 佐藤 優 著「地球を斬る」を読了した。

    彼の現状部分析は、以下である。

    冷戦終結に伴う、「ナショナリズムの昂揚」が最大の問題であると

    すなわち米ソ・東西冷戦時代にはそれぞれ、自陣営の団結を堅持する必要があり陣営内の自己主張を抑えあっていた。

    冷戦終結後、平和で安定した国際秩序が現れるというのは、幻想であった。

    東西の二項対立図式が崩壊した後、世界は19世紀末から20世紀初めの帝國主義の時代が再来した。ここでいう帝國主義とは、「商品の輸出」のみではなく、「資本の輸出」が主流となった資本主義である。各国が自らの利害・関心を提示して折り合いをつける勢力均衡外交が行われるようになったと、それ故に各国独自のインテリジェンスが必要であるという論である。

    特に「ビジネスとしての自爆テロ」は考えさせられた。

    高騰するオイル価格が、自爆テロをした人の遺族の生活保障を支えている現実・・・。
    産業もない地域の人々の、「命を懸けたビジネス」となっている現実・・・。

  • 佐藤さんがフジサンケイ ビジネスアイの掲載記事を集約した書です。
    国際情勢のことが掲載されており、記事の振り返りやキーワード解説も付加されていて、ちょっとした教科書の様な構成です。

  • なぜか 最近は 佐藤優にはまっている。
    ふしぎと おもしろいのだ。
    佐藤優の とんがり方が。
    外務省に ケンカを売っているのが
    ドンキホーテのようで おもしろい。
    だったら、国会議員になって 外務省をたたけばいいと思う。
    その方が 負け犬の遠吠え にならない。

    インテリジェンスという言葉の重みを知らなかった。
    確かに 情報 と訳していたが
    どうも、国家におけるインテリジェンスは 違うようだ。

    視点・視座を変えてみる
    というのは、必要だなと思う。
    当事者 と 客観的な見方。
    この二つは 重要だ。
    そのことで、情報に 立体感が出る。

    ロシア、イスラエル、北朝鮮。
    その切り口が 斬新で たしかに 地球を 全部見ることが
    できていないことを 痛感した。

  • 外交官の分析は興味深い。

  • 勝者は白い歯をみせてはならない (外交の鉄則)
    口の軽いものは命も軽い
    中世の悪魔学 悪魔を呼び寄せることは簡単だが、いったん呼び寄せた悪魔を消し去ることは至難のわざである

  • ロシア、北朝鮮、中東。
    これらを中心に世界のつながりが暴かれていく
    すべてがつながっている、その裏には、「情報」という戦いがある
    激動の中でどのように国の地位を確立するのか。
    新聞でよく目にする条約、議定書の意義がわかる

  • 答えは全てここにある!

    尖閣諸島問題、北方領土問題。
    外交力の浮沈はこの人から学べ。全てはそこから解決の糸口に繋がる。

  • インテリジェンス(情報)のお話

  • 3月5日読了。佐藤優氏がフジサンケイ ビジネスアイに週刊連載した、日本/ロシアの外交情勢を中心としたインテリジェンスに関するコラムをまとめ、単行本化時のコメントと語句の解説を付与したもの。外交の場で出されるコメントに込められた「シグナル」の読み解き方と、それを読み解けない日本の外務省のダメダメさ。後半部では主に北朝鮮の戦略とそれへの対応について述べられる。単行本発売が2007年、内容も小泉~安倍総理時代の話なので最新とも言えないが古典として突き放してみることもできない、中途半端な鮮度な気もする。(これは筆者のせいではないが・・・)各国がゲームのルールに従ったやり方で国益を追求することが、地球の益につながるのだろうか。

  • 佐藤優氏がサンケイビジネスアイで連載をしていたコラムを単行本化したものらしいです。そのコラムのタイトルそのままのようですが、『地球を斬る』というタイトルはセンスとしてどうかと個人的には思います。どうなんでしょう。

    それはそうと内容ですが、この人にはもう少し腰を落ち着けてひとつのテーマを深堀りして論じてもらいたいと思うのです。外務省の特定個人に対する喧嘩売りの様相も一部呈してきていて、それはそれで面白く、著者としても計算づくではあるのでしょうけれども、やはりどうかと思われます。締め切りもあり筆がすべるというところもあるのかと思いますし。

    ただ、もちろんこの人のインテリジェンスの高さというのは、私が判断できるところではないですが、本書でも十分示されていると思います。

    期待をこめて今回は星3つで。

  • インテリジェンスの専門家による国際情勢分析集。各分析ごとに後からみた自分の分析の検証をつけていて面白い。ただ、この人の論点が正しいのかどうか、自分には判断できなり。今の外務省はダメ、といわれても、10年前までは良かったのか?と思うし。国の機関以外(企業や個人)のインテリジェンス能力は十分高い、というところに救いがある?

  • サンケイに連載している時事ネタを収録。
    買う程ではないと思った。
    2007/11/29

  • 日刊経済誌『フジサンケイ ビジネスアイ』の連載コラムをまとめたもの。国際政治と経済、インテリジェンス(情報)と絡まる面白い話題を読者に提供するというのが課題。記事ごとのキーワードに解説をつけ、各稿の内容に対して検証を行っている。この点で国際政治に関心を持つビジネスマンにとってはよい読み物、マスコミ・商社・公務員を志望する大学生にとっては試験対策副読本、高校生にとっては政治経済や現代社会の生きた教材となったという点が売り。
    2006年初頭から2007年3月までの約1年3ヶ月間の世界の政治的動向の分析やそれに伴う日本の対応、人物評などが盛り込まれている。しかし特定の国家を名指しで危険国家と非難したり、実名での人物批判も行っているためここでその内容について詳しく触れることはできない。
    筆者がロシア外交専門の元外務官僚であった関係からロシア関係の記述が多いことや、国力からいっても日本のインテリジェンス能力は決して低くない、しかし外務省の組織的問題のゆえに潜在能力が発揮できないでいる、という主張は同人の他の著書と変わりがない。単に娯楽目的であればどの本にも同じことが書かれているのであえて手に取る必要も感じないかもしれない。著者の意図はインテリジェンス上の常識、法則を複数の著書で繰り返し訴えることでこれの定着を図ろうというところにあるのかもしれない。
    なお諜報機関や秘密警察に対する以下のような記述は興味深い。
    諜報機関は秘密裡にある人物を葬り去ることがある。しかし、そのような場合に目立つ場所や方法を選ばない。僻地で交通事故に見せかけるというやり方が一般的。
    秘密警察はその国での女性スキャンダルなどのもみ消し(これももともとは組織の仕掛けた罠)などによって協力者として近づいてくる。そして最終的には機密情報の提供を求めてくる。しかし、自国の警察や所属機関等に報告すればそれ以上深追いはしてこない。報復のような無駄なことはしない。など。
    このような外交の裏面を事実と捉えるかどうかは読者に委ねられている。またテロは一部狂信者によるものではなく、経済効果があるため根絶が難しい。テロに対する一番の対策は、テロによっても経済効果が得られないということを粘り強く示していくことであるとの記述も興味深い。
    一部過激といってもいい発言もあるため、著者の主張内容に抵抗を感じる人はいるかもしれない。しかし文章は平易で、読み物としておもしろいことは言うまでもない。

  • 外交は人なり。

    不作為体質のニポンの原因は、危機感の欠如だとおもひます。。。

  • 佐藤氏の著作の中でも最も読者の存在を意識して書かれた本である。突き放すようで、読者に強く語りかけてくる、読者を誘導する文章。もちろん面白い、しかしこの人の面白さが分かるのは獄中記のような所謂独り言に近い本だと思う。バチカンのインテリジェンスについてもっと突っ込んで書いて欲しかった。

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著者プロフィール

1960年1月18日、東京都生まれ。1985年同志社大学大学院神学研究科修了 (神学修士)。1985年に外務省入省。英国、ロシアなどに勤務。2002年5月に鈴木宗男事件に連座し、2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―』(新潮社)、『自壊する帝国』(新潮社)、『交渉術』(文藝春秋)などの作品がある。

「2023年 『三人の女 二〇世紀の春 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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