本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784046214270
作品紹介・あらすじ
甘粕事件で大杉栄と共に虐殺された伊藤野枝の波乱に満ちた生涯を描いたベストセラーが豪華装丁で復刊! 激動の社会、人の愛憎に翻弄されながら、恋と革命に生き、時代を駆け抜けた女性を鮮やかに描き出す伝記小説。
みんなの感想まとめ
波乱に満ちた伊藤野枝の生涯を描いたこの作品は、歴史の教科書で習った人物たちが次々と登場し、読者を引き込む魅力があります。女性の地位向上を目指した「青鞜」の背景や、野枝を支える辻潤との関係、大杉栄や平塚...
感想・レビュー・書評
-
某所読書会課題図書: 伊藤野枝の生き方を克明に綴った長編小説だが、歴史の授業で習った人物が次々に登場するので楽しめた.背景にあるのは「青鞜」だ.女性の地位向上を図る目的で出版されたが、何度も発禁処分を受けている.それでも発行を継続した野枝や平塚らいてう.後半では大杉栄や神近市子も登場する.野枝を育てたのは最初の夫 辻潤だ.主婦としての役割を無視して、活動する野枝を暖かく見守る度量があったのだ.大杉栄と妻の保子、神近市子、伊藤野枝の四角関係は、冷静に見て栄の我儘だと感じた.女性の地位に関しては、今でも公平だと言えない部分が残っており、当時の女性たちの奮闘は素晴らしいものだと感じた.
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
冒頭は、伊藤野枝のご家族との対面でのドキュメント。そのまま家族からの聞き書きで現在に至るまでのドキュメントで貫くのかなと思いきや、途中から小説になっている。
思いのほか、辻潤との夫婦生活の話が長く、大杉栄との間柄についてはほとんど書かれていない。それにビックリした。平塚らいてうの恋物語も、結構ページを割かれている。
大杉栄と伊藤野枝夫婦になってからはある意味平凡だから、題材になりづらかったのだろうか。 -
高橋源一郎のおすすめ本である。副題に伊藤野枝と大杉栄とある。この副題は、出版社の言い訳として、続き物であることを示したということである。しかし、大杉栄は350ページのうち、240ページからしか書かれていないので、副題は不適当のような気がする。伊藤野枝が大杉栄と出会うまで、とした方が適切である。
しかし、伊藤野枝という女性がどのような女性であったか、ということがわかりやすく説明されている。
伊藤野枝を主人公にした小説かと思っていたら、司馬遼太郎のように、評伝をフィクションにしたものであった。 -
時間の合間に読むには、重かった。考えさせられることは大いにあり。出会えて良かった。
-
伊藤野枝の伝記小説。
小説はおもしろかったが、伊藤野枝に魅力を感じない。
どちらかというと、神近市子や大杉の妻保子に魅力を感じた。 -
2013/05
-
ジャクチョ先生の描く、伊藤野枝。大正時代の「新しい女」は、今よりずっと奔放なのね。
-
瀬戸内寂聴さんが1966年に発表した「美は乱調にあり」を読んだ。先日もこのブログに記 したが、寂聴さんの米寿を祝って昨月に復刊されたばかりの小説。大正の時代において女性の人権を主張する雑誌として知られる「青鞜」の同人、編集者として活躍した伊藤野枝という 女性が居たが、女性解放の闘士とも目される彼女に焦点を当てて描かれた、いわゆる評伝文学作品で ある。
作家の寂聴さんは野枝やその周囲の登場人物の足跡を事細かに巡り、膨大な関連資料に当 たり、大正期という当時の時代の空気、息遣いまでも鮮明に記述してみせている。微に入 り細をうがちつつ探求していく作家の好奇心には、とても目を瞠るものがある。また同時 にここには大胆な想像力を羽ばたかせて描写されたドラマが、そこかしこに挿入されてい る。特に、主人公の野枝や平塚らいてうという婦人運動家の恋愛、情事に関する描写には、そんな寂聴さんの強大な想像力の羽根がいかんなく発揮されている。どこまでが史実に基づいたノンフィクションでどこからがフィクションなのか、その見境もわからないまま、寂聴さんの小説世界に入り浸ってしまうのである。
野枝をめぐって恋愛関係に落ちた男は少なくないのだが、やはり辻潤(2度目の結婚相手)と大杉栄(3度目の結婚相手)の二人との関係は、ドラマチックな野枝の生涯に強烈な影響力を与えたものであった。翻訳家として仕事をし野枝の理解者でありつつも、煮え切らない軟弱な態度で野枝に希望と絶望とを与えた辻潤に対して、大杉栄のほうはいかにも堂々としており、野枝は辻を捨てて大杉栄に走ってしまう。夫がいた野枝もあきらかな不倫だが、しかも大杉には糟糠の妻に加えてキャリア女性の愛人がいた。当時は珍しいであろう四角関係の当事者でありながら、野枝は野生あふれる生命力で大杉への愛に突き進んでいくのだ。
自分勝手な恋愛論をひけらかす大杉と3人の女性たちの、そんな四角関係の終焉をドラマ仕立てで描きつつ、暗澹とした時代の中での大らかな性の描写もまたためらいがない。だが一番緻密でリアリティを感じさせるのは、辻潤との駆け落ちのような恋であったと思われるのだ。
著者プロフィール
瀬戸内寂聴の作品
本棚登録 :
感想 :
