パリ、娼婦の館

著者 : 鹿島茂
  • 角川学芸出版 (2010年3月27日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046214393

作品紹介・あらすじ

19世紀のパリ。夜の闇にとける赤いネオンサインで男たちを誘う館があった。高級店スファンクスでの饗宴、どんな欲望も満たされる部屋で演じられた物語、20年代にメゾン・クローズを訪れていた日本人の姿-。娼婦の館と娼婦たちの世界に踏み込み、パリの夜の闇に迫る画期的な文化論。

パリ、娼婦の館の感想・レビュー・書評

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  • fra フランス

  • おもしろい!資料探索という意味でも良い道案内でした。往時の雰囲気、いききった人々とメゾンクローズの様子。それにしても愛川徳之助の回想が面白すぎる…盛り場に風俗あり、その変態がパリだし日本のフーゾクでもあると思うのです。普通の女の子がフーゾクに入る動機の指摘は流石リアリティがある。

  • 100年近く前のフランスと、現代の日本の風俗産業の形態に近しいものがあるということが、結局人間のやってることなんて変わらないんだなあ、と。
    ところであとがきに「まえがきに記したように~」とあるけれど、そのまえがきが存在してないんですけど・・・?

  • 「規制主義」の名の下に造られた19世紀から1947年迄隆盛を誇った(一時、私娼による衰退もあるが)メゾン・クローズと呼ばれた娼館(高級店、中級店、大衆店)、娼婦(高級娼婦から私娼、何故娼婦になったか、娼婦の日常)について書かれた本。図版も多数有り、当時の高級娼館の内装がわかる(イギリス国王エドワード7世が皇太子時代に愛用した部屋の写真等)。日本人が昭和5年に出版した懇切丁寧な巴里の歓楽ガイドの引用も。オールアバウト「夜の巴里」。19世紀フランス文学の女性主人公は「浮気する人妻」か「娼婦」なのだ。

  • 20100724
    図書館の新着本コーナーに金ぴかの背表紙が見え、
    思わず手に取っていた。

    この本、ところによりすっごく下品な感じなんだけどやたら面白いです。

    パリという性風俗最先端だった街の娼婦や娼婦宿について、残された記録などからその実態を描いている。

    実にいろいろな角度から大量の情報が盛り込まれているのだけど、その一つ一つが興味をそそります。下品な興味だけどね。

    例えば、娼館にもランクがあって、かの有名な「ムーラン」(ちなみにムーラン通りにあったから、だった気がする)など最高級のものは様々な贅を尽くして客をもてなしていた。

    例えば、細かな時代ごとに娼館の形態も変遷し、サービス内容も進化を遂げて行くのだけど、一時期国境を越えて名を馳せた高級娼館には、一部屋ずつ違う異国情緒の意匠をこらした最上級の寝室まであったとか。

    例えば、華やかな生活に憧れる田舎の少女達がどのように売春ブローカーと接触し、巨大な性産業の中に取り込まれて行ったかとか。

    娼婦には、客を取るほかに色男の愛人がいることが多かったのだが、雇い主側はむしろそれを奨励していた。なぜか? 娼婦の愛人は、いわゆる「ヒモ」。よって、娼婦達が稼いだお金はどんどん若い恋人に吸い取られ、彼らの心をつなぎとめる為に娼婦はますます娼館から逃げられなくなったから。中には、若い色男にお金を払って囲っている娼婦を誘惑するよう仕向ける営業者もいたとか。

    性産業において消費される存在である娼婦には、真の愛や安らぎを求めて同性愛に走る者も多かったそうな。文学作品に残っていたりします。

    今で言う「イメクラ」のような無駄に凝った見世物なども行われていた。

    パリの性風俗を体験した当時の日本人の手記。

    などなど、とんでもないエピソードが盛りだくさんです。

    豪華な衣装、飾り、宝石、飲食物に加え性や愛まで大量消費していた恐るべき街、パリのイメージがすっかり脳裏にこびりついてしまった。

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