- 本 ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784046214980
作品紹介・あらすじ
名誉と所領を守るため策略をめぐらす名高き兵、出世と婿入りを勘定所入人吟味に賭ける御家人の次男坊――。逃げ場なき運命と現実の狭間で、一所懸命に戦い続けた人びと。千年にわたるサムライたちの奮闘劇!
感想・レビュー・書評
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日本の歴史 無名の人々のお話
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エジプトに出張した機械メーカーの子会社の契約社員,
大庭真一郎のエピソードから,さまざまな時代で働くサムライを描く。
武士を職業としてとらえる点はあまり目新しさを感じないが,
時代が源平から江戸時代までいろいろあるのがおもしろい。 -
時代小説を通して読んだのは、はじめてかも。
短編だし、構成が興味深いものだったので、割と楽しめた。
わからない言葉だらけではあったけれど。
最後の『兵』は、熱かった。 -
12/04/03 ご先祖様も苦労の連続。でも雰囲気は明るい。
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角川学芸WEBマガジンに連載された「存念これあり」の8話を加筆改題し、冒頭の一話を加えたもの。
冒頭は、現代の商社マンがカイロ出張中にタクシーのトラブルに見舞われ、親会社の社員と話すうちに、それぞれが鎌倉権五郎、旗本赤星家の子孫だとわかり、先祖に思いを馳せる。
外国御用出役でイギリス領事の警護をする赤星鉄次郎。
幕府勘定方への採用試験勉強に励む梶原忠四郎。
関ヶ原後のお家騒動で柳生五郎右衛門を倒した村岡弥助。
弘安の役で蒙古軍相手に奮戦する竹崎季長。
平治の乱で親子に別れて戦った源義家。
大場郷の在地領主として国司から免税を勝ち取ろうとする鎌倉権五郎。
常陸介として下った高望王の子で東国に根を張ろうとする平良文。 -
時代小説かと思いきや、いきなり舞台はカイロ!初めてののカイロ出張で苦労する大庭真一郎。駐在員の赤星と昼食を食いながら、「実家は藤沢にあり先祖は歌舞伎でも有名な鎌倉権五郎だ」と明かすところから物語は始まる。
江戸時代は殿様?との問いに「鎌倉時代以降は衰えて侍やめて庄屋だったそうです。でも分家筋は全国のあちこちに散ってサムライを続けていて、越後の長岡家なんか分家筋みたいですね。源義経をいじめた梶原景季も先祖の親戚筋で、戦国時代の上杉謙信も遠い親戚と親父は威張ってました」と語る。
と、いうところから真一郎の先祖の物語が連続短篇小説として語られて行くちょっとばかり趣向と凝らした時代小説だ。とは言え、前後の脈絡が必ずしも明らかではないので、そう思って読まなければ鎌倉権五郎一族の物語とは読めないのが少しばかり苦しい。
著者プロフィール
岩井三四二の作品





