ようこそ、古城ホテルへ 湖のほとりの少女たち (角川つばさ文庫)

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  • アスキー・メディアワークス (2011年9月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (258ページ) / ISBN・EAN: 9784046311818

作品紹介・あらすじ

湖のほとりにたたずむ不思議なホテル。人でないものさえ泊まるという。そこに集められた四人の少女たちは、こう言い渡された。「古城ホテル『マルグリット』。その、女主人になる気はないか」――。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

不思議な古城ホテル「マルグリット」を舞台に、帰る場所を失った4人の少女たちが織りなす物語が描かれています。彼女たちはそれぞれ異なる過去を抱えながら、ホテルの女主人になるための試練に挑むことになります。...

感想・レビュー・書評

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  • ここは少女たちが背負った文化の交差点であり境目での交歓会、なによりも彼女たちの帰る場所。

    児童書にしてはかなり踏み込んだ感じはありましたが、悪人がほぼ不在な優しい物語でした。
    読みやすさも上々で、さすがは少女小説で実績を重ねた「紅玉いづき」先生と言うべきか。
    ちなみに作品の主な舞台はフランス語とその文化を基調に置いた、近代欧州を思わせる架空世界です。
    この際、科学と魔法が共存していることを一瞬で悟らせる世界観の見せ方も素晴らしい限りでした。

    なにより、それぞれの居場所をなくしてタイトルにある「古城ホテル」の主人候補として選ばれた四人の主人公――、少女たちの個性が際立っていました。同時に、彼女たちはそれぞれの世界観を背負っています。
    その上で、新天地に足を踏み入れた今だからこそ。四人がそれぞれ故郷に残した過去の因縁との対峙を迫られる――、というのが全四巻を介してのストーリーラインということになるのでしょう。

    なお、競争相手に選ばれた四人はそれぞれ得手不得手と専門分野を抱えていて、そこが面白いわけです。
    たとえばピーキー過ぎる性能を持つ頑張り屋さんで、応援できる可愛げを持ってる幼い魔女の子。
    万事に対し隙がなく戦闘力も高いけど接客に対してはいささか相性が悪い元軍人にして、男装の麗人。
    カリスマと誇りを兼ね揃え、大変に重い過去を備えた亡国の姫、そして……といった具合ですね。

    全四巻と言わずもっと長続きしても良かったとは思いますが、四人それぞれの手番回を終わらせた上で故郷のやり残しはきっちり清算していますし、とてもキリがいいので私としましてはまぁ満足です。
    おとぎ話じみた象牙の塔だったり、または科学と統制が支配する軍事国家だったり、もしくは神秘とヴェールに包まれた東の異郷だったり、あるいはスカートを翻すオシャレな街並みだったり。四人のホームもその都度、舞台として最大限活かしきったあとなので、これ以上何をやるか悩む事情もあったんでしょうね。

    と。そんなわけで話を戻して、この記念すべき第一巻の内容について触れてみますと。
    四人の主人公の紹介からはじまり、四人で競ってお客様をお迎えするコンペが行われます。
    個性的な宿泊客の歓待を進める傍らでは、予期せぬ闖入者を制圧したのち過去の紐解きがやってきて……?

    実に王道の筋立てですね。その先、トラブルの解決と相互の交流を経て四人が手と手を取り合い前オーナーに認められるまでの過程を描く……と思わせての、まさかの結末に読者が驚かされるかもしれませんが。
    ただ、ネタバレ抜きでひとつ申し上げておくと、彼女たちは自らの手で選びました。
    苦い過去を噛みしめた上で前に進み、文句なしのハッピーエンドを出迎えようと心に決めたのです。

    さて、そんなわけで。
    高飛車な姫様だったり、冷静な職業人だったり、お子様だったり、ふんわりほんわかだったりと。
    性格も口調もバラバラな四人の掛け合いがいい感じに噛み合うのも、読んでて楽しくてたまらない点です。
    実際のところ、この四人の魅力を語っていくだけでレビューがまとめの方向に向かってしまいました。
    ほかにも魅力的なサブキャラがいるのですが、仕方がない。その辺の言及は二巻以降に回すとしましょう。

    以上。
    おとぎ話のようであり、地に足着いた文明世界でもあり、と。
    それらを描き出された、イラスト担当の「村松加奈子」先生の実力も見逃せないところです。今風でありながら、古風で上品なエッセンスもしっかり振りかけられて時代を越えられそうな風格を宿してますからね。

    作品の美術背景に「アール・ヌーヴォー」と「ジャポニスム」という、十九世紀末からフランスで一世を風靡したスタイルを連想させることも確かでしょう。
    カラーを入れた表紙や口絵は児童書のフォーマットに則っているとして。
    挿絵については、どこか木版画を思わせる輪郭だと思えたことが、その印象を後押ししてくれました。

    それから私の場合はこの作品から幼少期に慣れ親しんだ冒険小説のワクワク感、時代も踏まえて「アルセーヌ・ルパン」を想起しました。
    その辺の感想は時代を越えた名著の薫陶を受けて本作ができあがったことの証明なのかもしれません。
    他方では、少女たちの快刀乱麻な活躍そのものが華やかなロマンスを演出する一方。あくまで目的は帰る場所を守るためというギャップも面白さを追求する一手になっていたりするのも面白いところでした。

    総じて、不思議でワクワクさせる秘密の隠れ家じみた古城ホテル「マルグリット」が素敵でした。
    そしてその中身となる、過去を背負ってもとにかく前を向いてカラッとしてる女の子の強さも最高でした。
    明日に向かうための元気をもらえて、きっと誰かにとっての宝物になれるそんな作品だったと思います。

  •  私がこのレーベルの対象年齢の頃に読んでいれば、彼女達を大切な友人としていたかのも。彼女達のホテルへ5人目の女主人として共に在ることを願いながら眠りにつき、他愛のないお喋りに花を咲かせ、お客様を一緒に出迎える事を空想していたかもしれない。
     今、この本を読む少女達にとってもきっと、そうであることを作者は願っているのではないかしら。
     それ程には彼女らは魅力的で、古城ホテルというロケーションも想像力を掻き立てる。

  • 児童書から出てるが中身はちょっとファンタジー入ったラノベ。わけあり少女4人が古城ホテルで女主人として奮闘するさま。それぞれ個性的で欠陥もあって面白い。フェノンが一番凡人そうでおっとりしつつ、実はすごいんです、ていうの好き(笑)。まあ皆すごいけども。マルグリットとヘンリーの心通わせる回想シーンがもうちょっとほしかった。ヘンリー切ない過去なのに、4人の少女たちにかかるともうぼろくそに・・・。あとはせっかくいい舞台なので、もうちょっとホテル内部の描写がほしいかな。いまいち頭に思い浮かべなかった。

  • 湖の側にある古城「マルグリット」。
    帰る場所を失くした4人の女の子が蒼の番人に
    「このホテルの女主人(メトリーゼ)にならないか?」と
    話しかけられることで始まる、メトリーゼをかけた少女たちの物語。

    魔法を封印されたピィ、軍を追われたジゼット、
    秘密の過去を持つ普通であることを願うフェノン、
    国を亡くした王女リ・ルゥ。

    メトリーゼになれるのは4人のうち、ただ一人だけ。
    後継者を探す老いたメトリーゼ・リュシエンヌと
    いつも傍らにいる青銀の瞳、青みがかった灰色の髪、
    髪と同じく青銀の衣装に包まれた羽のように軽やかな所作、
    思いの他低い声を持つ蒼の番人サフィール。

    奮闘する個性豊かな4人の少女と、忍び寄る黒き獣。
    悲しみの過去と秘められた恋、蒼き番人の守りしもの。

    異界への扉が開く古城ホテル・マルグリット。
    変わるもの、変わらなければいけないもの、その後に残るもの。
    カモミールの咲く頃、喜びへと変わるはずの約束。

    みんなの寂しさや悲しみを包み込み、変わろうとしている
    マルグリットのこの先が楽しみ!

  • ホテルの女主人になる気はないかと問われるのは、追放された魔女、美貌の軍人、とある稼業から足を洗った娘、亡国の姫。
    紅玉いづきらしさを児童文庫に封じ込めた作品。
    これで新しい世界へと踏み出す子が増えると楽しいなあ。

  • 「あなたのことを、お待ちしておりました」
    帰る家のない四人の少女と、不思議なホテルの物語ーーー

    四人の少女、サフィール、ヘンリー、リュシエンヌ、そして古城ホテルマルグリットそのものに、それぞれの背景物語を感じさせるところがとても好きです。四人の少女についてはそれぞれ王道ものの追放者なので入りやすい。王道ものの追放者が四人も揃って、一つのホテルを経営するとかワクワクする。それとあとがきで書かれていたように、〝ホテルの〝あかりが旅をする人の心をあたためる、というホテルという場所への愛も感じるのがなんかとても好きだった。建物好きなのが呼応したか…。
    時々へこたれることはあっても、決して負けない女の子のお話。小学生が主対象であるというのを考えても、女の子だけでなく男の子にも、勇気を与えてくれるお話だと、いいなぁと思う。続き読む。

  • (2015-05-03)(2017-07-22)(2017-9-02)

  • まじ面白かった

  • 戻る場所を持ち合わせない、全く性質の違う四人の少女が集い、古城ホテルの女主人の座を競う。
    少女達にはそれぞれに事情があり、客もまた一筋縄ではいかず、さらにはホテルにすら裏がある。
    そんな中で、彼女たちは自らの性質と才を生かしてそれぞれできることをする。

    樹川さとみの「楽園の魔女たち」を彷彿とさせました。
    あちらも好きだったのですが、こちらも面白いですね。
    微笑ましい話は好きです。
    女子が集まるとちょっとえげつなくなるのでヘンリーくんがんばれ。

  • 異世界のお客様も滞在する古城ホテルの女主人(メトリーゼ)に合格するのは、
    4人の少女のうち誰か?


    最初からシリーズとして出す予定だったのか、
    掘り下げが全然ないのが残念。

  • 書店勤めで児童書担当の時、並べてて表紙が気になり、ずっと読んでみたかったものでした。中心の軍人かっこいい!と思ってたら女じゃないか。惚れた。

    内容は、それぞれの理由で帰る場所をなくした少女たちが、謎の美少年の導きによって古城ホテルの女主人(メトリーゼ)になるべく奮闘する話。
    魔法の使えない魔女のピィ、元軍人のイケメン少女ジゼット、滅んだ国の王女リ・ルゥ、普通の女の子になりたいというフェノン。
    果たして彼女たちは、古城ホテルマルグリットの女主人になれるのか…という話。
    ***
    膨らまそうと思えばもっと膨らませられるんだろうなぁと思えるくらい展開が早い一冊でした。1時間で読み終わった。
    漫画のように読めますが、本書は長い物語の登場人物を揃えるための序章といったところ。でもそれぞれの特徴はわかるし、これだけで読むのはやめないほうがいいかもな、と思いました。
    ていうか女の子たちかわいい。そしてジゼットが天然イケメンすぎて惚れた。(笑)

  • 100冊め!

    帰る場所をなくした4人の少女が古城ホテルの女主人をめざす

    うーん
    なんだろなぁ

    言葉使いや台詞回しがイマイチ

    設定は惹かれるものがあるといえなくもない

  • 家を失った、家に帰れない少女4人が、誘われて? ホテルオーナー見習いに。
    個性豊かというよりは、前職にかなり難あり、状態。

    4人で魔法使いが出てきている時点で、某魔女たちを思い出しますが
    かすっているのは4人と…その設定?
    後は別段それほどでも。

    確実に人じゃないのがお客で混じってましたが
    その存在の似顔絵はどうなっていたのでしょう?
    当たったのが動じない人でよかったね、という感じですが。

    しかし最後…金と言う圧力使いまくり?w
    ある意味正攻法ではありますが、ありですか!?
    思いつきもしない落ちですが、複線(?)はありました。
    というよりも元軍人。
    仕事離れたからって、そこは荷物担いでいていいんですか!?
    すっぱり切りかえられて、それはそれで…人生幸せ、かも?

  • おちこぼれの魔女、亡国の姫君、元・大どろぼう、美形(?)の元軍人・・・と過去を持つ4人の少女がホテルの女主人となって大奮闘。しかも訪れるお客様はみんな訳ありで・・・?!ケンカするほど仲が良い、4人の大騒ぎっぷりが楽しめるシリーズです。

  • 子供向けだが、紅玉いづきさんの作品なので読んでみた。

    やはり、子供向けだからかストーリー的には少し物足りない。
    だが、主人公四人のキャラや過去の事情などそれなりにおもしろかったし、ふつうなら決して出会わないような四人の組み合わせがよかった。
    次巻以降に期待。

  • まだ序盤、序章ってかんじで2冊目以降も手元に積んであるので期待。この女の子4人に、なんとなく楽魔女を思い出したのは私だけかしら。でも紅玉さんだし違う手触りになってくるんだろうなー

  •  湖のほとりの古城ホテル・マルグリット。
     その新たな女主人の候補として集められた四人の少女たちのお話です。
     四人の少女たちはそれぞれ帰る場所を持たず、「このホテルの女主人になる気はないか?」の問いに頷いてやってきました。

     魔山を追放された魔女・ピィ。
     軍から追放された美貌の軍人・ジゼット。
     とある稼業から足を荒い、「普通の女の子になりたい」・フェノン。
     そして今はもう亡き国の姫君・リ・ルゥ。

     四人の少女はたった一人の湖上ホテルの主の座をかけて、争い始める。

     という感じで。
     すごーくすごーく、少女小説だったんですが。

     そんなことよりも、ジゼットさん! ジゼットさん!
     かっこいいですよジゼットさん! 金髪に群青の瞳! おまけに軍服の似合う男前。

     口説かれたい! 口説かれたいです!!笑

     後、個人的にはリ・ルゥが好きだったりします。
     強気の女の子は好きですよ。しかも黒髪! 素敵です(真顔)

     そんな素敵な登場人物がいっぱいの素敵な少女小説です。
     内容についてはあまり多くを語りませんが、少女たちが己が誇りを胸に戦って(?)、最後には素敵な友情を手に入れる話です。
     なんというか、女の子が和気藹々としているのはかわいいし、素敵だと思います!

  • 紅玉さん作品は、相変わらず脳内でRPGできてるんじゃないか、っていうくらいしっかりした世界が広がっていて、異国に行った気分になれる。児童書ということで、他作品よりキャラの個性が強めだったけど、強くてまっすぐな女の子達が微笑ましい

  • 作者買いです。
    ・・・が、うきうきして読んだらあまりに子供向けで残念でした。
    雰囲気は紅玉さんですが、物足らないというかなんというか。
    題材はとてもいいと思うので、もう少し対象年齢が上だったらよかったのに・・・

  • 小学生向けの本ですが、作者が紅玉いづきってことで読んでみた。あとがきによるとシリーズものらしいです。紅玉いづきがシリーズものですって!なんで電撃でやってくれないの!?
    ちなみにイラストも電撃大賞の人ですね。

    このつばさ文庫、創刊当初はハルヒやスレイヤーズが移植されてたし、椋本夏夜とかいのうといぢといったラノベ絵師が表紙描いたりしてるし、最近はキノの旅もオリジナル話入れて出てるらしいし、つばさ文庫も侮れないなw

    しかし改めて読んでみると、全ての漢字にルビが振ってあって読みにくいったらないw

    ・:*:・゜☆,。・:*:・゜☆,。

    (あらすじ)
    その古城ホテルは湖のほとりに佇んでいる。人でないものさえ泊まるという、不思議なホテル、マルグリット。そこに集められた四人の少女たちは、こう、言い渡された。「このホテルの女主人になる気はないか」魔山を追放された魔女、ビィ。所属を捨てた美貌の軍人、ジゼット。とある稼業から足を洗った、フェノン。そして亡国の姫君、リ・ルゥ。これは、少女たちと、不思議なホテルの、優しく切ない物語。

    そういうわけで、「小学校中級以上」が対象なだけあって、別に面白くはなかったけど。

    話としては、あらすじのとおり。4人の少女が最初は慣れない仕事に失敗し、互いを信頼できずに諍いがあって、でも協力し合って望んだものを勝ち取ろうとする話。
    途中でそれぞれの過去話とか、ホテルにまつわる切ないエピソードなんかを交えつつ、最後はみんな仲良く大団円みたいな感じ。

    俺も当時読んだ物語で、今になっても覚えているような本、今でこそもう一度読めば感銘を受けるであろう本はいくつか心当たりがあります。クレヨン王国とか。この「古城ホテルへようこそ!」も、今の小学生にとって、そういう作品の一つになったらいいですね。

    しかし紅玉いづきの、なんというか固いんだけど優しい文体は健在。もちろん語彙や表現は子ども向けにレベルが落とされているんだけど、特に章の切れ目の締め方なんかは、大人である自分が読んでも「おぉう」と唸っちゃうような切れ味があった。

    4人の中でも、特に亡国の姫君に関する描写が良かったです。国を滅ぼされ一族を皆殺しにされた絶望、それでも失わない王族としての誇り、何としても生き抜いていこうという覚悟、とかそんな感じのが、児童書らしく重すぎず、けどシンプルに苛烈に書かれていたと思います。

    ファンタジーな舞台、世界の科学水準だとか魔術の設定なんかは「人喰い」三部作と似た感じかな。共通の世界観ではないにせよ、作者の中である程度固まってるんでしょうかね。

    ・:*:・゜☆,。・:*:・゜☆,。

    ということで、なんせ簡単だし文字が大きいしページ数も少ないので1時間くらいで読めます。

    紅玉いづきの電撃やMWの作品が好きなら、読んで損はないです。

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著者プロフィール

1984年、石川県金沢市出身。金沢大学文学部卒業。『ミミズクと夜の王』で第13回電撃小説大賞・大賞を受賞し、デビュー。その後も、逆境を跳ね返し、我がものとしていく少女たちを描き、強固な支持を得ている。

「2022年 『雪蟷螂 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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