ようこそ、古城ホテルへ 湖のほとりの少女たち (角川つばさ文庫 A こ 3-1)

著者 :
制作 : 紅玉 いづき 
  • アスキー・メディアワークス
3.52
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本棚登録 : 301
感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046311818

作品紹介・あらすじ

その古城ホテルは湖のほとりに佇んでいる。人でないものさえ泊まるという、不思議なホテル、マルグリット。そこに集められた四人の少女たちは、こう、言い渡された。「このホテルの女主人になる気はないか」魔山を追放された魔女、ビィ。所属を捨てた美貌の軍人、ジゼット。とある稼業から足を洗った、フェノン。そして亡国の姫君、リ・ルゥ。これは、少女たちと、不思議なホテルの、優しく切ない物語。小学中級から。

感想・レビュー・書評

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  •  私がこのレーベルの対象年齢の頃に読んでいれば、彼女達を大切な友人としていたかのも。彼女達のホテルへ5人目の女主人として共に在ることを願いながら眠りにつき、他愛のないお喋りに花を咲かせ、お客様を一緒に出迎える事を空想していたかもしれない。
     今、この本を読む少女達にとってもきっと、そうであることを作者は願っているのではないかしら。
     それ程には彼女らは魅力的で、古城ホテルというロケーションも想像力を掻き立てる。

  • 湖の側にある古城「マルグリット」。
    帰る場所を失くした4人の女の子が蒼の番人に
    「このホテルの女主人(メトリーゼ)にならないか?」と
    話しかけられることで始まる、メトリーゼをかけた少女たちの物語。

    魔法を封印されたピィ、軍を追われたジゼット、
    秘密の過去を持つ普通であることを願うフェノン、
    国を亡くした王女リ・ルゥ。

    メトリーゼになれるのは4人のうち、ただ一人だけ。
    後継者を探す老いたメトリーゼ・リュシエンヌと
    いつも傍らにいる青銀の瞳、青みがかった灰色の髪、
    髪と同じく青銀の衣装に包まれた羽のように軽やかな所作、
    思いの他低い声を持つ蒼の番人サフィール。

    奮闘する個性豊かな4人の少女と、忍び寄る黒き獣。
    悲しみの過去と秘められた恋、蒼き番人の守りしもの。

    異界への扉が開く古城ホテル・マルグリット。
    変わるもの、変わらなければいけないもの、その後に残るもの。
    カモミールの咲く頃、喜びへと変わるはずの約束。

    みんなの寂しさや悲しみを包み込み、変わろうとしている
    マルグリットのこの先が楽しみ!

  • ホテルの女主人になる気はないかと問われるのは、追放された魔女、美貌の軍人、とある稼業から足を洗った娘、亡国の姫。
    紅玉いづきらしさを児童文庫に封じ込めた作品。
    これで新しい世界へと踏み出す子が増えると楽しいなあ。

  • 「あなたのことを、お待ちしておりました」
    帰る家のない四人の少女と、不思議なホテルの物語ーーー

    四人の少女、サフィール、ヘンリー、リュシエンヌ、そして古城ホテルマルグリットそのものに、それぞれの背景物語を感じさせるところがとても好きです。四人の少女についてはそれぞれ王道ものの追放者なので入りやすい。王道ものの追放者が四人も揃って、一つのホテルを経営するとかワクワクする。それとあとがきで書かれていたように、〝ホテルの〝あかりが旅をする人の心をあたためる、というホテルという場所への愛も感じるのがなんかとても好きだった。建物好きなのが呼応したか…。
    時々へこたれることはあっても、決して負けない女の子のお話。小学生が主対象であるというのを考えても、女の子だけでなく男の子にも、勇気を与えてくれるお話だと、いいなぁと思う。続き読む。

  • (2015-05-03)(2017-07-22)(2017-9-02)

  • 児童書から出てるが中身はちょっとファンタジー入ったラノベ。わけあり少女4人が古城ホテルで女主人として奮闘するさま。それぞれ個性的で欠陥もあって面白い。フェノンが一番凡人そうでおっとりしつつ、実はすごいんです、ていうの好き(笑)。まあ皆すごいけども。マルグリットとヘンリーの心通わせる回想シーンがもうちょっとほしかった。ヘンリー切ない過去なのに、4人の少女たちにかかるともうぼろくそに・・・。あとはせっかくいい舞台なので、もうちょっとホテル内部の描写がほしいかな。いまいち頭に思い浮かべなかった。

  • まじ面白かった

  • 戻る場所を持ち合わせない、全く性質の違う四人の少女が集い、古城ホテルの女主人の座を競う。
    少女達にはそれぞれに事情があり、客もまた一筋縄ではいかず、さらにはホテルにすら裏がある。
    そんな中で、彼女たちは自らの性質と才を生かしてそれぞれできることをする。

    樹川さとみの「楽園の魔女たち」を彷彿とさせました。
    あちらも好きだったのですが、こちらも面白いですね。
    微笑ましい話は好きです。
    女子が集まるとちょっとえげつなくなるのでヘンリーくんがんばれ。

  • 異世界のお客様も滞在する古城ホテルの女主人(メトリーゼ)に合格するのは、
    4人の少女のうち誰か?


    最初からシリーズとして出す予定だったのか、
    掘り下げが全然ないのが残念。

  • 書店勤めで児童書担当の時、並べてて表紙が気になり、ずっと読んでみたかったものでした。中心の軍人かっこいい!と思ってたら女じゃないか。惚れた。

    内容は、それぞれの理由で帰る場所をなくした少女たちが、謎の美少年の導きによって古城ホテルの女主人(メトリーゼ)になるべく奮闘する話。
    魔法の使えない魔女のピィ、元軍人のイケメン少女ジゼット、滅んだ国の王女リ・ルゥ、普通の女の子になりたいというフェノン。
    果たして彼女たちは、古城ホテルマルグリットの女主人になれるのか…という話。
    ***
    膨らまそうと思えばもっと膨らませられるんだろうなぁと思えるくらい展開が早い一冊でした。1時間で読み終わった。
    漫画のように読めますが、本書は長い物語の登場人物を揃えるための序章といったところ。でもそれぞれの特徴はわかるし、これだけで読むのはやめないほうがいいかもな、と思いました。
    ていうか女の子たちかわいい。そしてジゼットが天然イケメンすぎて惚れた。(笑)

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著者プロフィール

1984年、石川県金沢市出身。金沢大学文学部卒業。『ミミズクと夜の王』で第13回電撃小説大賞・大賞を受賞し、デビュー。その後も、逆境を跳ね返し、我がものとしていく少女たちを描き、強固な支持を得ている。

「2022年 『雪蟷螂 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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