本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
本 ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784046312235
作品紹介・あらすじ
超口うるさい母親とチクリ魔の妹……秀一はすっかり人生がイヤになっていた。「こんな家出てってやる!」いきおいで近くのトラックの荷台に飛びのった秀一だったけれど、なんとそのトラックがひき逃げをおこして!?
感想・レビュー・書評
-
教育に熱心すぎる母親と、母親の理想像から外れ問題児のレッテルを貼られた小学校6年生の主人公。
強く叱責されても、抗えず別のところでストレスをはく、その結果、また叱られるという悪循環。
あるとき、「こんな家出て行ってやる。」というと、母親から「家出すら出来ない。」とこき下ろされ、感情的に家出を敢行。それをきっかけに様々な出会いが少年を成長に導いた。
家出をしたことで世界が広がった少年には、これまでの強権的な母親とは違う姿が見えるようになっていた。視点が変わると、物事が違って見える事をいろいろなエピソードから教えてもらえる。
古い書籍なので、戦争の話しやら学生闘争やら昔の言葉が多い。
めがねをかけたつり目の教育ママなんて流行らないとも思ったが、大人の浅さやエゴをうまく表現していて面白かった。現代でも通じるかな?
雪崩のように災難が落ちてくる母親に同情的になったのだが、「それは自業自得だ」と他人事のように話しを締めくくる主人公たちの親子関係にも寂しさを感じた。。
夏休みの読書感想文にいかがでしょうか。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とても懐かしい本です。
小学生の頃に読んで出会いって良いな〜と感じてました。 -
読む本がなくなったので、うちの子のおすすめ本を借りて読む。
うちの子が推薦するだけあって、ちょっとミステリーもあって面白い。
主人公が、自分で考えて納得して前にすすんでいくのが気持ちいい。
小学校高学年からおすすめ。
2012/07/31 -
1969年に刊行され、その後出版社が変わりながらも版を重ねている名作。
婿養子に入り母親の尻に敷かれっぱなしの父親。
兄弟4人は全員優等生なのにただ1人出来が悪いと秀一(ひでかず)をいつも叱り、抑圧する母親。
学校での秀一の素行をとことん調べあげ母親に密告する妹のマユミ。
母親に押さえつけられ、妹に見張られて、自分のやりたいことがすべて否定され、奪われている様子に胸が苦しくなります。
自分だけが勉強ができない、他の兄弟のようになれないことにもがき苦しみ、ある日、抑圧に耐えらえなくなった秀一は家出を決行します。
その途中、ひき逃げを目撃したり、転がり込んだ山中の家が武田信玄の隠された財宝に関係する家で、住人のおじいさんと少女は何か事情をもっていそう。
色んな冒険や事件が待ち構えています。
学校と家という狭い世界で暮らしていた少年がおじいさんと少女に出会うことで新たな世界が見え、影響され、少年の心の中が少しずつ変化し、整理されていきます。
一見、母親の敷いたレールを素直に走っているかのように思えた兄や姉も、きちんと自分の考え、主張を心の中で持っていたことも秀一は知ることができました。
子どもだって親の庇護は必要ではあるけれど、親の所有物ではなく、いつまでも思い通りにはならない、ひとりの人間、一個人なのだ、ということを最後には教えてくれます。
大人である自分も胸が苦しくなったりハラハラさせられたのです。
子どもが読んだら…子どもの心にも激しい化学反応が起こるでしょうか。 -
家でをめぐり起こる事件、友との関係、家族、いろんなことが起きる中で、主人公はどう決意したのか。おすすめです。
-
ダメな子のレッテルをはられ成り行きで家を飛び出した小学6年生の男の子。ついたところはおじいさんと女の子の住む田舎の家。夏休みの1ヶ月そこで過ごしながら彼は自分を省みる。家を離れてわかること、ひとりになってわかること。母親の言動がひどくて母親である私も全く母親目線にはならず子ども目線で読む。子どもに対して怖いくらいひどい大人。大切なものを守るために親とだって闘わないといけない時がある。自分が自分として生きるために。これはおもしろかった。子どもたちにもどんどんすすめたい。
著者プロフィール
山中恒の作品





