かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (角川つばさ文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046313003

感想・レビュー・書評

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  • 子どもたちがキラキラしていて、なんだかうらやましい感じ。
    人間は出会いと別れを経験して成長していくというのは、こういうことなんだと改めて思った。娘がもう少し大きくなったら読んでほしい。

  • 変な響きを持つ言葉が好きな好奇心旺盛の小学一年生・かのこちゃんと、雨の日にやってきた、老犬・玄三郎とは夫婦の猫・マドレーヌ。ある夏の日のこと、昼寝から目覚めると、マドレーヌのしっぽが二股に! しかも、人間の姿に化けてしまい――!? かのこちゃんとすずちゃんの友情、マドレーヌと玄三郎の愛情を描いた、万城目学の贈るくすっと笑えてうるっと泣けて、心がほんわかする、ちょっとおかしな物語。

    およそ一ヶ月くらい本を読んでませんでした……何してたかって言うと自分の小説を読んでました…(校正作業で)もともと読書自体のモチベもちょい下がり気味なので…ええい!なんとかしなきゃ! と言うことで児童書からリハビリを…児童書、ではないのですが、つばさ文庫から出されてる手前このカテゴリに。最近もりみーより万城目の方が好きで、でもこの作品だけまだ読んでなかったので、好きなレーベルから出てることもあって選びました。
    そしたら! かのこちゃんのお父さんが「鹿男あをによし」の「おれ」なんですね~! 多分そうかと。鹿と喋れる、と言うことでピンときました。他の万城目作品でもこういう作品同士のつながりってあるのかな。最近出たやつは読んでないからわかんないのですが。
    鹿男~が坊ちゃんのオマージュ作品と言うことを考えると、このかのこちゃんとマドレーヌ夫人は吾輩は猫であるの現代版みたいだなーと思いました。マドレーヌ夫人の目から見た人間社会やかのこちゃん、他の猫、そして玄三郎についてなどを描いていくので。といってもかのこちゃんパートの方がメインだし、漱石の猫よりも風刺に満ちているわけではないし。それどころかほっこりしましたね。子供を描くって言うのは子供と同じ感性を持ってないと出来ないだろうなあ、と思うので、万城目氏はその感性を持ち続けているんだろうな、と。があとがきで書いている「ヘン」なものへの興味が尽きていないんだとも思います。
    猫好きなのでマドレーヌ夫人も他の猫も可愛いなあ~さわりたいなあ……とか思ったり。マドレーヌ夫人が猫又になって……と言うこの物語の中核をなすところのエピソードは実にじんわり来ました(´;ω;`) それからの玄三郎の死も……動物を飼って亡くした方の心にも響くかと… そしてかのこちゃん側のすずちゃんとの別れも、あっという仕掛け(と言う程おおげさじゃないけど)がありまして、これもじんわり来ましたね。猫の恩返し… そんで終わり方も私の好きな感じでした。マドレーヌは戻ってくるかな… きっと、顔を見せに来るくらいは…
    これも映像化して欲しいなあ。出来れば実写で! 万城目は実写が相性いいのだ。ぜひぜひどこか、お願いします。

著者プロフィール

万城目学(まきめ・まなぶ)
1976年生まれ、大阪府出身。京都大学法学部卒。
2006年、『鴨川ホルモー』(第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞)でデビュー。主な作品に『鹿男あをによし』、『プリンセス・トヨトミ』、『偉大なる、しゅららぼん』などがあり、いずれも文学賞ノミネート、映像化等など、大きな話題を呼ぶ。また、エッセイ集に『ザ・万歩計』、『ザ・万遊記』、対談本に『ぼくらの近代建築デラックス!』がある。

「2013年 『ザ・万字固め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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