ヒロシマの風伝えたい、原爆のこと (角川つばさ文庫)

著者 : 山室有紀子
制作 : 吉永 小百合  男鹿 和雄  YUME 
  • KADOKAWA/角川書店 (2014年7月11日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046314079

ヒロシマの風伝えたい、原爆のこと (角川つばさ文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 現代の子どもを主人公にした物語と、原爆詩で構成された一冊。
    「みどり」という名前なんて、いや、という主人公。でも、その名前には祖母が広島で亡くした妹への祈りがこめられていた。子どもの頃、祖母への反感から、大事にしていた遺品のおもちゃを川に捨ててしまう。祖母は叱らなかったが、ひどく後悔した出来事。その祖母が、ついに入院することになった。
    物語は素直で読みやすく、これがあることで、後半の実際に原爆や戦争を体験した方たちの詩が、より理解しやすくなっていると思う。子どもたちに、ぜひ、お薦めしたい。

    余談だが、この原爆詩の中に、「とまとが食べたい」とねだる妹の話が出てくる。これが、松下みよ子の「まちんと」の元になったのではないのかなあ…。

  • わたしの名前は、広島のおばあちゃんがつけたもの。おばあちゃんのこと、嫌いじゃないけど少し苦手。「みどり」なんて古臭い名前、本当は嫌い――みどりが自分の名前についての作文に悩んでいるある日、おばあちゃんが倒れてしまう。父と共に広島へ向かうみどり。おばあちゃんのいる病院は“広島赤十字原爆病院”だった――ずっとずっと前の日本と世界がどうなっていたのか、そして七十年前の夏、広島で何が起きたのか。「みどり」と言う名前に込められた祈りとは。現代の小学生の目線で原爆を追体験する書き下ろしの一篇と実際に原爆を体験した人々による“原爆詩”の20篇を収録。日本を代表する女優・吉永小百合さんの平和への願いがこめられています。

    アンネの日記を読んでかなり気持ちがロスってしまい、とても普通の読書に戻っていける感じじゃなかったのです。続けて戦争のものを読もうと思いましたので、今年の夏に買って積んでいたこちらを読書。前半はオリジナル小説となってて、後半は広島原爆の被爆者の方々が戦後間もない頃に発表した詩が何編か収録されています。特に感動したのは「生ましめんかな」ですねえ……小説の方には平和資料館に展示されている原爆の熱線によって破壊された品々や当時の写真なども収録されています。お話の方は大人にも響く話で、つばさ文庫を読む本当に若い子供達の世代にもきっと何かを残してくれるんじゃないかと、そう祈ってます。ほんとに、私の弱い話で……はい、読んでいて泣きましたよね普通に……
    作中で「日本が戦争をしないでいるのはとても難しいことだったんだよ」っていうお父さんの言葉にも頷けるし、それに対してみどりが「だからって戦争をしていい理由にはならない」って返すのにもハッとしましたよ。読んでいてつくづく思ったのは、人間が生活を、人生を営むうえで本当に一番大事なものは(アンネの日記を読んでいても思ったけど)日常の些細なことに対しての喜びだとか楽しさだとかで、いっそ苦しみとか怒りとかも、悪いものすべてをひっくるめてそういう普通の生活が送れることなんだなと、それが幸せで、誰も奪っちゃいけないんだなあって思いまして。そのことを大事だな、ああ幸せっていいな、って思える心や精神の余裕をなくし、人間としての尊厳さえもなくしていくから――人間が人間じゃなくなっていくから、戦争はいけんのだろうと思います。その最たる悪が、太平洋戦争では二つの原爆であり、第二次世界大戦ではホロコーストだったのだろうと思います。

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