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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784046519931
作品紹介・あらすじ
安政の江戸地震の直後に誕生した鯰絵は、滑稽さと風刺に満ちている。この鯰絵を落書と捉え、鯰絵が生み出された背景とその人気の秘密を、江戸の庶民文化の成熟や江戸っ子気質などの新視点から探った意欲作。
感想・レビュー・書評
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アウエハントさんの『鯰絵』とは違い、鯰絵の歴史的背景や文学的観点からの考察がメインで、鯰絵の新たな側面を垣間見ることができる。反骨精神旺盛な江戸っ子の気質はどのようにして表現され、成熟されたのか。鯰絵やそれ以前の落首・落書を読み解くことで、当時の民間信仰のみならず、江戸っ子の性格、考え方、笑いのツボ、一般教養などさまざまなことが窺える。
挙げられている図版を見ながら読むことで、より当時の感情に耽溺できる気がするのでオススメ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
安政の地震後にたくさん発行された地震の風刺画=鯰絵について(鯰絵が発生した背景について),その前後の時代背景を含めてまとめています。とても興味深く読みました。
この鯰絵は,それまでの江戸っ子のしゃれっけや滑稽さや粋や「はり」などがあってこそ生まれてきたものであり,けっして特殊なものではないということが分かります。
本書にはカラーの図はないので,興味を持たれた方は,別に鯰絵の図版を手に入れることをおすすめします。 -
[ 内容 ]
安政の大地震直後に誕生した鯰絵は、滑稽と風刺に満ちており、当時の江戸っ子に大歓迎された。
大地震に見舞われた江戸っ子は恐怖を笑いで吹き飛ばしたのだ。
しかし、人々を熱狂させた鯰絵はあっという間に姿を消してしまう。
謎につつまれた鯰絵が生み出された背景とその人気の秘密を、江戸の庶民文化の成熟や江戸っ子享質などの視点で探った意欲作。
[ 目次 ]
はじめに―江戸っ子が生み出した鯰絵
第1章 鯰絵説話を成立させた諸条件(地震が急襲した時;鯰絵の創作―内的要素と外的要素;安政地震以外の鯰絵の様子)
第2章 文学的な観点から見た鯰絵の隆盛(百人一首をめぐって;『野馬台詩』をめぐって)
第3章 鯰絵は落書か(落書と鯰絵;黒船騒動の中で誕生した「開国絵図;御開帳と鯰絵;開港絵図「合衆山亜米利加唐寺伯理爾天之象」)
第4章 火事をめぐる落書と鯰絵(明暦の大火と落首;目黒行人坂火事の落書とその表現様式;神田佐久間町火事の落書とその表現様式)
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