- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784046526090
作品紹介・あらすじ
「回転ずしは夏の季語?」「美術館で見た絵画を俳句に詠んでもよい?」俳句の常識から文語文法、俳句の理論、テクニックまで、今さら聞けない俳句の疑問に一問一答で明快に回答。この一冊で、俳句の奥深さが見えてくる。
感想・レビュー・書評
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岸本尚毅さんの本が読みたいということとタイトルに惹かれて借りてきた
しかし、中を開くなり私にはまだまだ早すぎる、難しすぎると断念しかけたが、まあ、とりあえず読めるところまでと読み始めた
難しいこともあったが、俳句初心者の取るに足りない疑問にも丁寧に答えてくださる
とにかく何から何までどんな質問にも懇切丁寧に、例句を提示しながら、答えてくださる
季語について
何を詠むか
どう表現するか
文体・文法
等々
高浜虚子や阿波野青畝、中村草田男など名だたる俳人の句が300句は載っているのではないだろうか
それが何より楽しく貴重だった
『 落花生喰ひつつ読むや罪と罰 』 高浜虚子
『遺品あり岩波文庫「阿部一族」』 鈴木六林男
読書のことや文学作品のことを詠んだ俳句があるなんて
はじめて知った
名句を鑑賞する楽しみが少しずつ分かってきた気がする
たった17音に込められた情景、その季語を選んだ理由
想像の翼を広げて・・・詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
眼前の景色を言葉でなぞろうとしても完璧な捕捉はできない。言葉とは所詮近似値。見たものの印象を言葉で追いかけるだけでは自ずと限界にぶつかる。一旦眼を閉じ言葉だけの世界で言葉を再構成してみるのが肝要。一瞬の飛躍もあるかもしれないが可能性に賭けてみる。風景の後ろから言葉で追いかけるのではなく、むしろ言葉を先回りさせることにより風景を待ち伏せする。このときはじめて真の意味での風景と言葉が合一する。俳句の疑問が氷解したのみならず、俳句をはるかに超えた世界にまで心を展ばすことができた。