- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784046533494
感想・レビュー・書評
-
タイトルから「エンタメ全般」をイメージしてしまうが、小説、とりわけサスペンス、ホラー、SFジャンルの書き方について、新人賞選考委員であり、新人賞受賞者であり、数々のヒット作を世に出してきた貴志さんの立場からのアドバイスが記されている。
映画も漫画も演劇も音楽も、あらゆるメディアを漁って貪欲にアイデアを盗んで自分の作品に注入せよ、と訴えているので貴志さん的には「エンタメの作り方」としているのだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
エンターテイメントの……とあるが読者を意識した小説家なら前提にしておくべきことという感じ。どういうことに気を配って書いているのか書いてあり書き手として読んでも発想の邪魔にならない。それでいて、いい感じでそそのかしてくれる。いろいろと創意工夫したから言えることなんだろうなと素直に思えるレクチャーだった気がします。
-
貴志さんファンなので、へぇ~、なるほどねぇ・・・と思いながら、おもしろくて一気読みw
貴志さんが影響を受けた本なども載っていて、私でも題名は知ってるくらいかなり有名な本も含め、全然読んだことないものばかりだったので、翻訳物苦手だけど、そのうち読んでみなくちゃなぁ~と思ったり。 -
個人的にかなり参考になりました。おすすめです
-
エンタメ小説の書き方をわかりやすく説明してくれていた。
なんか無性に映画『黒い家』を見たくなった。なんでだろう。 -
小説家を目指すアマチュアに向けて書かれた指南書。心得集ともいえる。特筆すべきは、本書はリーダビリティが高いエンタテインメント小説であること。一般的なビジネス書であれば、読者を脅したり、著者の自慢話が延々と続くことがあるが、本書は読者を楽しませるためのビジネス書である。どうしたら面白い小説を書けるのか、その心得やTIPSを紹介しながら、それを実践したかのような本である。小説家を目指す人には、執筆のフレームワークになるだろうし、そうでない人はエンタテインメント小説の構造を知ることができる。ぐいぐいと読者を引き付ける力があり、一気読みした。
-
書く上で、漠然とつかみ取っていた方法論が正解だったことが嬉しかったり(もっと早く知っていればショートカットできたのに!)、実際書く方ゆえの、ほんのちょっとしたコツやモチベーションの上げ方が参考になったりした。
細かい部分は自分用メモに保存。 -
著者の作品で「硝子のハンマー」「狐火の家」「鍵のかかった部屋」を読んでいたので,次々と出てくる貴重なヒントが身近なものに思えた.第4章の「文章作法」が良かった.何か書いてみようかな思わせる本だ.
-
小説を書きたい人に向けに書かれたハウツー本です。
この前ジョジョの荒木先生の本を読んだ時も思いましたが、売れるべくして売れているといいますか、売れることを意識して、理論的に売れようとして、成功しているんだな、と感じました。
印象に残ったのは、読みやすい文章を書くということと、読者を惹きつけるメインエンジンのほかに最後まで読ませる補助ブースターが必要だということ。 -
クリエイターにとって、評価されるべき尺度はその作品の出来以外、何物でもないはずなので、こうして作品を世に送り出すまでの思考プロセスを、例え洗いざらいではないとしても明かすという行為は、本来とても恥ずかしいことなのだろう、と容易に推察できる。
またそれは、秘すべき心裡を明かすと同時に、自分が飯を喰っている業界のライヴァルを増やしかねない、いわば敵に塩を送るような行動でもある。
それを屈託なくしてしまうところに、貴志祐介氏の作家としての漲る自信を感じる。
読んでみるとそこには当然、誰でも高品質な小説を書き上げることができる魔法のような技が書かれているわけではなく、言ってみれば当たり前とすら思える、地道で堅実な手法が平易に解説されているに過ぎない。
文芸作品を仕上げるという、どちらかといえばアーティスティック、エモーショナルな作業のようにも捉えられる分野において、理論的かつ体系立てて教則本を整えた著者のこの仕事は、いろいろな意味で本当に凄いものだと思う。
一方で、小説家を目指す人々に向けた理屈を説く教科書然とした指南書、という立ち位置に対する本能的な違和感も依然残りはするけれども。
自分の能力の多寡は脇に置いといて、これを読んでいると自分も小説を書いてみたくなるし、また書けるんじゃないか、と錯覚を覚えてしまいそうになる。