エンタテインメントの作り方

著者 :
  • KADOKAWA/角川学芸出版
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本棚登録 : 239
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046533494

作品紹介・あらすじ

読者を魅了する物語はどのようにして作られるのか? ホラー、ミステリ、SFで文芸賞を受賞し、『黒い家』『青の炎』『悪の教典』と年代を超えてミリオンセラーを出し続けるエンタメ・キングが手の内を明かす!

感想・レビュー・書評

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  • タイトルから「エンタメ全般」をイメージしてしまうが、小説、とりわけサスペンス、ホラー、SFジャンルの書き方について、新人賞選考委員であり、新人賞受賞者であり、数々のヒット作を世に出してきた貴志さんの立場からのアドバイスが記されている。

    映画も漫画も演劇も音楽も、あらゆるメディアを漁って貪欲にアイデアを盗んで自分の作品に注入せよ、と訴えているので貴志さん的には「エンタメの作り方」としているのだろう。

  • エンターテイメントの……とあるが読者を意識した小説家なら前提にしておくべきことという感じ。どういうことに気を配って書いているのか書いてあり書き手として読んでも発想の邪魔にならない。それでいて、いい感じでそそのかしてくれる。いろいろと創意工夫したから言えることなんだろうなと素直に思えるレクチャーだった気がします。

  • この本に類する書を他にも結構読んだことがござりまする。

    名古屋ご出身 清水義範先生の『小説家になる方法』、岐阜ご出身 鯨統一郎センセの『努力しないで作家になる方法』、これまた名古屋ご出身 大沢在昌兄ぃ先生の『売れる作家の全技術』等など。(ありゃ、全部中部地方人でござった。独り占めですまぬのう)

    思うに、沢山読む人はそのうち書きたくなることもござるので、こういう本を偉い作家が書くと売れるかもしれんぞ、という作家のいや出版社の思惑があるのでござる。でも、これらを全部読んだって何にも書けはしないので念のためw

    この貴志作品の決定的「瑕疵」わ(作品中にNGな事と云う意味でこの”瑕疵”があまりに何回も使われているので、ボクもここで使ってみたw。すまぬ)、比喩にかこつけて時分の作品からの抜粋をかなり頻繁に使ってしまっていること。これぞ「興醒め」である。すまぬのう。m(_w_)m

  • 貴志さんファンなので、へぇ~、なるほどねぇ・・・と思いながら、おもしろくて一気読みw
    貴志さんが影響を受けた本なども載っていて、私でも題名は知ってるくらいかなり有名な本も含め、全然読んだことないものばかりだったので、翻訳物苦手だけど、そのうち読んでみなくちゃなぁ~と思ったり。

  • 貴志祐介の小説と同じく、読みやすくて面白い。アイデアの種の拾い方、整理法から始まる。どんな本を読んで、自作小説のどこに反映されているのか。
    紹介されている小説はどれも読みたい。
    すぐに読んでみたいのは、リチャード・アダムスの「ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち」。うさぎたちは創生神話を持ち、文化や世界観が作り込まれているとのこと。
    小説を書く気がなくとも、貴志祐介の着眼点は面白く、ブックガイドとしても楽しめる。

  • 貴志祐介流小説の書き方を教えてくれる本。こういう本を読むことはあまりないからなるほどなぁ~とたびたび感心しました。当たり前のようなことが書かれているのかもしれないけどそれができるかできないかで作品の質が大きく変わってくる。自分は小説を書こうと思ったことはないが帯に興味を惹かれて購入。つまり、帯も小説が売れるかどうかのカギを握っていると思う。作品の裏話とかが分かるから貴志さんが好きな人にはオススメ。個人的に『新世界より』が好きなのでその舞台やキャラ設定等が知れて満足です。これからも頑張ってほしい。

  • 貴志さんの小説は重厚だけど読みやすいと思う。
    自分の文章を他人に楽しく読みやすく読んでもらうための手法、工夫、理由などが披露されている。
    貴志さんの頭の中はどうなっているのか、その秘密が垣間見えたような気分になれる一冊。

  • 個人的にかなり参考になりました。おすすめです

  •  本書の後半が参考になりました。

  • エンタメ小説の書き方をわかりやすく説明してくれていた。
    なんか無性に映画『黒い家』を見たくなった。なんでだろう。

  • 好きな作家さんだから「へえ、そうやって書いたんだ。」という目線で興味深く読んだ。

  • 執筆の基本的なことをまどろっこしくなく、サクサク読める。分かってることも多いがそれが難しいことも再確認出来る。読む勢いを止めない書き方はなるほどと思った。

  • 読んでいるだけで脳が刺激され、小説自体のネタ、執筆に取り組む際の手法など、様々なアイデアが浮かんだという点で非常によかった。図書館で借りた本だけど、手元に置いて詰まったときに読み返したいので買おうかな。(結局他のノウハウ本を読み比べてからにしようとステイ)

    なぜ脳が刺激されたのか?おそらくだけど、物語を生み出すまでの過程で、どう取り組むべきか、なぜそれが良いのか、実行した結果どうなったのか、が経験ベースで語られていたからだと思う。

    そして1つ前に読んだ『小説の書き方』がなぜあまりピンと来なかったのかがわかった。『小説の書き方』では、たとえば「情景描写は重要である」という主張に対して、実際の小説の文章を用いて良い例と悪い例を比較する形式が多かったように思う。しかしわたしが求めていたのは、「じゃあその良い例に辿り着くためにはどんな鍛錬が必要なの?」という過程の話だったのだ。

    最後に、最近薄々感じていたものの読んで後押しされたことが2つ。構想は大切だということ、特に初心者にとって。そして長編とは一種短編の羅列だから、短編をいくつも書いて鍛えるのは有効だということ。短編書き上げないと帰れま10の機運高まる。

  • 小説の書き方というのは作家さんによって随分違う。

    そういう意味では自分の好きなように書くのが一番なのかもしれないが、やはりある程度のルールとか定型は知っておいた方が良いだろう。

    小説も一度くらいは書いてみたいですね。

  • 小説家を目指すひとを対象とした、まさにエンタテイメントの作り方。貴志さんの色んな本がどのように生まれたか、読み手のことを考え計算され、どんな工夫がされているか、などがとてもわかりやすく書かれています。
    小説家を目指さないひとにもとにかく面白い本!!
    自分が貴志さんの本読んで色々感じていたこと、みんな貴志さんの計算によるものと知り改めて脱帽!!貴志さんの本は読んでて景色やにおいが目の前に広がって、その本の世界にストンと落とされる感覚がいつもある。頭の良い人の書く文章はとにかくすごい!と思わされる。
    また貴志さんの本を読み返したくなりました。とにかく面白い本です!!

  • 自分自身小説を書きたくて、また、貴志祐介のファンでもあるので、一石二鳥のような気持ちで図書館から借りてみた。

    貴志さんは結構ストイックな性格なようで、プロたるものこのような罠に陥ってはならない、このような堕落は恥ずべきものだ、というような作家の心を戒めていくような内容だった。

    確か貴志さんは理科系だった気がするけど、そのせいだか分析的で実際的なアドヴァイスを項目別に列挙して行っている観がある。

  • 小説家を目指すアマチュアに向けて書かれた指南書。心得集ともいえる。特筆すべきは、本書はリーダビリティが高いエンタテインメント小説であること。一般的なビジネス書であれば、読者を脅したり、著者の自慢話が延々と続くことがあるが、本書は読者を楽しませるためのビジネス書である。どうしたら面白い小説を書けるのか、その心得やTIPSを紹介しながら、それを実践したかのような本である。小説家を目指す人には、執筆のフレームワークになるだろうし、そうでない人はエンタテインメント小説の構造を知ることができる。ぐいぐいと読者を引き付ける力があり、一気読みした。

  • 【内容】
    筆者の考える、娯楽小説の書きかた。
    筆者の著作を例として交えつつ語ります。

    【類別】
    脚本構成、人物造形、舞台設定、他。
    娯楽小説の執筆をするためのものです。

    【着目】
    執筆手法における具体例として自著を引っぱってくる箇所は多々ありますが、詳述せず物語の核心に触れません。ゆえに、自著を作者の目線で細かく解体しながら娯楽小説のつくりかたを示す内容を期待する人にはお薦めできません。
    浅く広く自著の宣伝をされたり、軽い読物として楽しみたい人には適しているでしょうし、あるいは、この筆者の目線で執筆の基礎を簡潔に知りたい人にはお薦めできます。
    追い風は、頁46「組織というものがどう動いているのか、いかに理不尽なものなのかをリアルに描けるのは、やはり経験した人の特権だ。そこには人間社会の縮図があり、作品を書く上で必ず役に立つ」。

    【備考】
    このレビューは初版に拠っています。

  • プロの売れている小説家としての上から目線ではなく、新人賞に応募しようとする小説家予備軍への、新人賞受賞者(先輩)にたいして、応募者の目線に寄り添って経験談を教えている。

    以下が参考になった。

    ・アイデアは常にストックしておく。職業で得た実体験はアイデアの宝庫。
    ・冒頭、クライマックス、結末を決め、細かいサブエンジンになる仕掛けで読者を惹きつける。
    ・言葉のレトリックにとらわれるよりも、いかに明快に、短いセンテンスで読者へ伝えられるか、読者を意識すること。
    また、漢字をつかいすぎないこと。(漢字がないほうが読みやすい)
    ・主題にこだわらず、書き進めることで主題はおのずと現れるので、あまり主題にとらわれないこと。
    ・一人称で記載することは小説の表現の幅が狭まること(主人公目線でしか記載できない)ので、初心者には三人称がおすすめであること。
    ・長編小説はある意味短編小説の集合体であり、短編小説でクオリティを保てないレベルでだらだら記載しても意味がない。

  • 書く上で、漠然とつかみ取っていた方法論が正解だったことが嬉しかったり(もっと早く知っていればショートカットできたのに!)、実際書く方ゆえの、ほんのちょっとしたコツやモチベーションの上げ方が参考になったりした。

    細かい部分は自分用メモに保存。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学卒。96年『十三番目の人格-ISOLA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2023年 『梅雨物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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