満州と岸信介 巨魁を生んだ幻の帝国

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  • KADOKAWA (2015年9月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784046533531

作品紹介・あらすじ

満州と戦後日本。二度の国創りを行った男の「見果てぬ夢」とは。長州の血筋と反共・反ソの記憶、産業開発計画に賭した夢と野望、戦後の岸を支えた満州人脈の光と影――知られざる昭和史を描く渾身のドキュメント!

みんなの感想まとめ

戦前と戦後の日本の歴史を深く掘り下げたこの作品は、岸信介という人物を通じて満州の位置付けやその影響を描き出しています。著者は岸信介をリスペクトしつつも、その視点には一定の偏りが見られるとの意見もあり、...

感想・レビュー・書評

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  • 岸信介のような人が近くにいたら、私とは水と油だろうなといつも思っていた。波風を立てずに、上手く自分の求める方向に丸めこむ。こういう人が世の中には存在し、しかも上手に出世していく。それでも人間研究のために、本著を読んでみようと思った。

    読んでいるうちに意外と人たらしで、新聞記者にベラベラと余計ないかことを話して隙が多いのだという。私と共通点があるとすれば、神様のような松蔭より、高杉晋作に惹かれる点。そして学理の骨格を掴んでから、細目に及ぶ理解を深める点か。

    満州の関東軍司令部の建物は、大◯組がつくったとある。なるほど、そうなのか。また溥儀の側近が馬賊が多く、彼らをなだめて繋ぎ止めておく手段になっていたとは。

    また岸信介は、国家を上げて自動車産業を考え、規格を統一したらしい。しかも某自動車メーカーは、満州で車をつくっていたとは!

    満州建国から、大戦に至るまでの流れは大体理解していた。ただ今に繋がる細かい情報が、非常にためになった一冊。

  • 岸信介リスペクトという目線で書いてあるため、やや偏りがあるように感じられる。満州国というものがどういった位置付けだったのか、無主地であったという主張には無理があるようにも思われるけれども、一定の理解が深まった。産業統制とそれによる成果を目の当たりにしたら、日本でもそれをやろうと考えるのは不思議ではない。この男が戦前も戦後も内閣にいるということが、日本の歴史がいかに地続きであるかを表しているように感じる。
    そして、戦後、現代を作ったといっても過言ではないように思える。

  • 名を残すリーダーは大胆である。
    満州を統治していた軍から産業経済を取り上げた岸信介。

    日本史の授業では習わなかったが、日本が統治していた満州政府で阿片が資金源となっていた。

    岸信介を祖父に持つ安倍首相が北朝鮮拉致問題について悔やんでいる意味が分かった気がした。

  • 安倍首相が、敬愛しているであろうおじいちゃん、昭和の妖怪「岸信介」。
    その岸信介を調べれば、安倍首相の考え方が想像できるかな?と思い読んでみた。

    いきなり、不勉強を再認識。
    岸信介と佐藤栄作は実の兄弟だったのか。
    安倍首相と岸外務大臣が兄弟だという話は有名だが、そこに佐藤が入ってくるとは知らなかった。
    佐藤、岸、安倍 いろいろな苗字に分かれてはいるが、明治維新のひとつの勢力であった長州閥。
    一時、権力を握ったものは、姿を隠しつつ、権力を握り続けるという構図に、君の悪さを感じた。

    また、岸信介というのは、戦後首相であった時期が主たる活躍場所ではなく、満州国設立、運営に非常に深くかかわっていた官僚であったことを知る。
    関東軍、満鉄が実務機関であるとすれば、岸はその展開のグランドデザインを書いて、しかも、それを現地で中心となって推進していたのだった。
    さらに、多くの国民を満州に送り込んだ後、戦局の変化を機敏に察知し、多くの国民を満州に残したままさっさと内地に戻り、官僚として復帰を果たしていたのだ。

    本書は、その岸が満州にかかわった時代を中心に、岸がどれだけ優れた人間だったかを綴った、親安倍首相的な歴史書。
    きっと安倍首相の本棚に並んでいるのだろう。

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著者プロフィール

太田 尚樹:1941年東京生まれ。東海大学名誉教授。専門は比較文明論。著書に、『パエリャの故郷バレンシア』(中公文庫)、『満州裏史─甘粕正彦と岸信介が背負ったもの』(講談社文庫)、『死は易きことなり─陸軍大将山下奉文の決断』(講談社)、『伝説の日中文化サロン 上海・内山書店』(平凡社新書)、『満州と岸信介─巨魁を生んだ幻の帝国』(KADOKAWA)、『ヨーロッパに消えたサムライたち』(ちくま文庫)、『満洲帝国史─「新天地」に夢を託した人々』(新人物往来社)、『支倉常長遣欧使節 もうひとつの遺産─その旅路と日本姓スペイン人たち』(山川出版社)などがある。

「2022年 『南洋の日本人町』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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