よろこびの禅 人生を変える禅のことば(角川one21) (角川oneテーマ21)

著者 : 有馬頼底
  • 角川学芸出版 (2012年10月10日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046534170

作品紹介

相国寺・金閣寺・銀閣寺の住職を務める著者が、生きる智慧が詰まった珠玉の禅語をやさしく、丁寧に紹介-。一生の財産となる禅の言葉とともに、迷いを断ち切り、自分らしくある生き方を学ぶ。現代の名僧による人生指南。

よろこびの禅 人生を変える禅のことば(角川one21) (角川oneテーマ21)の感想・レビュー・書評

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  • 禅語とその解釈。いわゆる超訳。
    蔵書、電子書籍

  • 京都に旅行に行ったときに相国寺の承天閣美術館の売店でこの本を買った。

    禅とか茶の湯は中国古典、特に老荘思想の影響を受けていると田口先生から教えていただいてはいたが、読んでみて本当にそうなんだなと、驚くほど中国古典の考え方の影響が強いと思った。

    それと印象に残ったのは、これも中国古典と同じだが、禅は知識ではなく実践、経験で、体で分かるものだということ。紹介されている逸話の中には、ノイローゼになるほど繰り返され、徹底的に自我を否定される禅問答とか、何日も睡眠を取らないで限界を超える修行、誤った行動をして指を切り落とされる小僧さんの話、自ら腕を切り落として自分の決意を示す僧の話など、その実践と肉体の酷使は壮絶である。

    しかしながら否定ばかりされる禅問答は、実は誰もが経験する現実に、案外近いものなのかもと思ってみたりもする。人の心は微妙である。何をやっても、やらなくても、その反対をやってみても、否定される。必死になってはダメ、でも必死でやらないならもっとダメ、というのは普通の会社員でも経験することではないだろうか。人生はちょっと禅みたいだ。

    また言葉の使い方も壮絶である。
    親にあっては親を殺し、仏に会っては仏を殺し、というように、何もそこまで。。。という激しい表現だ。またこだわりを持つことは毛虫を喰らう猿、牛をさす蚊のようだ、といった批判の表現も熾烈である。

    論理的には、完全に破綻しているが、共感し、感動する言葉の連なりは不思議だ。

    福祉の現場など、弱者と向かい合う時には同じ視線で見よ、人格を認め合い、自分を虚しくして一所懸命に工夫を、そのようにして人の命は開花し、人との関わりが生まれる、

    と言ったかと思うと、

    別に工夫なし。放下すればすなわち是なり。
    とくるからなんか頭で考えているとコケそうになるが、でも私の心は深く感動している。

    それはまた、中国古典で、陰陽を和す、二つのうちどっちではない、両方とれといつも教えていただいているからかもしれない。

    迷いを断ち切り、恐れを断ち切り、真正面から自分の人生に挑む。
    見返りも何も求めず、ただひたすらに歩いているうちに理想にたどりついている。
    罵る相手には、言わせておく。暴力を受けても人格は傷つかないが、
    自分のカッとなる心は、自分を地獄に連れてゆくと心得る。
    裏切られても、裏切られても相手には誠意を持って接する。そうして得られるのが信用。
    心そのものが信。自分の心の仏性を見よ。
    大志を抱け。しかし欲は少なく、足るを知る。

    禅の生き方は静かで激しい。

    私は禅が、好きでまた好きでない。

  • 禅の言葉の解説を、「講話」風にまとめた本。講話風と書いたのは、それぞれの章、やや脱線した話も入っていて、「お説教」をそのまま書き起こしたような文章だから。
    言葉をどう考えるか、どう活かすかを解いておられ、わかりやすい。

    ただ、有馬 頼底さん、京都仏教会の活動などで、批判される方もあるようですが、この本読んでみると、所々にええところの出を自慢しているように聞こえる点もあったりするからかとも感じた。

    目次

    第1章 「今」を、夢中で生き切る
    1 命根を断つ
    ――「断命根」(『八示衆』)
    ただひたすら、夢中で生きることを心がける。

    2 別に工夫なし 放下すればすなわち是なり
    ――「別無工夫 放下便是」(『夢中問答』)
    自分をむなしくして一所懸命に工夫し、そして、その工夫を、忘れなさい。

    3 一綟絲を斬るが如し 一斬一切斬
    ――「如斬一綟絲 一斬一切斬」(『碧巌録』)
    迷いを断ち切り、恐れを断ち切り、真正面から自分の人生に挑む。

    4 ただ渓回り 路転ずるを見て 知らず 身の桃源に在ることを
    ――「只見渓回路転 不知身在桃源」(『禅林句集』)
    ひたすらに歩いてゆく。そうすれば、いつの間にか理想にたどりついている。

    第2章 自由闊達に、そして毅然としていること
    5 心は万境に随って転ず 転ずるところに実に能く幽なり
    ――「心随万境転 転処実能幽」(『景徳傳燈録』)
    大切なのは、転じる力。心は本来、自由なのだ。

    6 羌笛声声 晩霞を送る
    ――「騎牛欲還家 羌笛声声送晩霞」(『十牛図』)
    人は、自分が生まれてきたところにいつかは還ってゆく。

    7 玲瓏八面 清風を起こす
    ――「玲瓏八面 起清風」(『禅林句集』)
    常に心身を動かして行動していると、疲れることがない。そして、また別の新しい活力が湧いてくる。

    8 あいののしることは汝にゆるす 水を注げ
    ――「相罵るときはに饒す」(『碧巌録』)
    人には悪口を言わせておけばいい。そして、自分は毅然としていればいい。

    第3章 自分自身を鍛え、磨き続ける
    9 鉄牛 捧げ出だす 黄金の角
    ――「鉄牛捧出 黄金角」(『仏鑑禅師語録』)
    真正面から本気で向き合う。そうして初めて、道が拓けてくる。

    10 大疑団
    ――「大疑団」(『遠羅天釜』)
    徹底的に疑い、考え抜く。その中からやがて、深い理解と「信」が生まれてくる。

    11 青山もと動かず 白雲おのずから去来す
    ――「青山元不動 白雲自去来」(『禅林句集』)
    「静」と「動」は同じ。ただ、自然体でいればいい。

    12 手に白玉の鞭を把って 驪珠 尽く撃砕す
    ――「手把白玉鞭 驪珠尽撃砕」(『碧巌録』)
    一切の執着を断ち切り、ただ一心に、自分自身を磨き続ける。

    第4章 人は本物と出会い、自らも本物になる
    13 火に入って 真金 色 転た鮮やかなり
    ――「入火真金色転鮮」(『五灯会元』)
    本物だけが備える輝きは、いつまでたっても失われない。その輝きは、試練のなかでなお、一層、輝きだす。

    14 雲収まりて 山骨露わる
    ――「雲収山骨露」(『永平広録』)
    煩悩や雑念が消えると、本当の自分の姿、そして人間の善良な性質が姿を現す。

    15 神光天地を照らす
    ――「神光照天地」(『碧巌録』)
    禅の智慧の光は、一切を差別することなく、天地を照らしている。

    16 欲を少なくして 足るべきを知る
    ――「少欲知足」(『遺教経』)
    欲望のきりの無さを知りなさい。そしてその上で、身の丈を超えるような大志を抱きなさい。

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