日本の名字 (角川新書)

著者 : 武光誠
  • KADOKAWA/角川学芸出版 (2015年4月10日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046534323

作品紹介

名字の分布は日本人の移動の軌跡を物語る。身近でありながら謎の多い名字の由来。その分布からは、さまざまな歴史ドラマが浮かび上がってくる。日本全国に分布する地域特有の名字を、歴史エピソードとともに解説。

日本の名字 (角川新書)の感想・レビュー・書評

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  • 私、鈴木といいます。当時住んでいた東京の小学校に入学したとき、クラスが4つありましてどのクラスにも「鈴木」という名字の同級生がいて、たしか1年生の時にはクラスに二人いて、自分だけ名字で呼ばれずに名前で呼ばれた記憶が残っています。

    また小学5年の初めに神戸へ転校したとき、クラスが10クラスもあったのに、鈴木という名字の同級生は3人もいなかったという記憶があります。特に、鈴木という名字は全国で2番目に多いと聞いていたので、子供ながらに、鈴木という名字は地域によって偏りがあるのだなと思いました。

    そんな私が、先日図書館に行ったときに目にしたのがこの本です。著者は、今まで何冊も読んで面白かった記憶が残っている武光氏です。彼がこの本は、日本の名字の地図のようなものを作成したいと、まえがきで書いていますが、日本で多く見られる名字、地域に特色のある名字等について解説しています。

    この本で私の小学校の時に感じたものがデータで証明されました。つまり、東京では鈴木は一位ですが、兵庫県ではなんと、11位でした(p172,177)

    以下は気になったポイントです。

    ・日本には約12万種類の名字がある、これは自家の名字を重んじて長期にわたってそれを伝えてきたことによるもの。同じ読み方でも漢字が異なるものを別の名字とすると、29万種類とも言われる。アメリカには100万以上の名字がある(p8)

    ・武蔵の武士七党(小野氏出身の、横山・猪俣党、平氏出身の、野与・村山党、日奉氏出身の、西党、有道氏出身の、児玉党、丹比氏出身の丹党)を構成する武士たちは、11世紀後半には、猪俣・戸田・高柳などの領地の地名を通称とした(p13)

    ・足利家や今川家は、嫡流の人間だけ自家の名字を名乗らせた、嫡子以外の当主の男子はそれぞれ別の名字を名乗って、新たな家を興した。これとは反対に、佐藤家・斎藤家・渡辺家は、家来筋の者にも気前よく自家の名字を与えたので、佐藤の名字が多い(p15)

    ・古代の貴族は、名字でなく、姓を用いていた。同じ姓をもつ貴族の集団が、氏、という大きなまとまりをつくっていた(p15)

    ・武士の時代の名前は、名字+個人名+姓(カバネに付した名称+カバネ)+公式個人名の構成であった(p16)

    ・平安時代はじめまで、西日本が先進地で、東日本は行進地であったので、近畿・九州・四国・瀬戸内海沿岸の農業技術はめざましく発展した(p21)

    ・有力な武士の指導力が強かった東日本では、佐藤、加藤、伊藤、斎藤、渡辺、佐々木などの名字が多い。これらは、源氏、平氏、藤原氏などの流れを引く武士が広めた。一方で西日本では、田中、山本、井上、中村、山田、吉田、などの自然の地形や農村の地名による名字が多い、西日本では藤原氏の流れを引く、藤のつく名字(藤原、藤井など)が多い。(p22)

    ・岐阜県の垂井町と関ヶ原町の境に東西の名字の分岐点がある、太平洋側の名字の境は伊勢国である(p25)

    ・日本人の1割が、上位10大名字を使用している、佐藤*・鈴木*・高橋・田中・渡辺*・伊藤*・山本・中村・小林・加藤*、*は特定の由来から生まれた名字が大規模に広がったもの(p140)

    ・鈴木の由来、熊野本宮大社は平安時代末から、民衆にも意欲的に布教したので、各地に修験者(山伏)を派遣して熊野の御利益を説いた。このような修験者に「鈴木」を名乗るものが多かった(p144)

    ・武士身分の多くは、平安時代なかばに本拠とした土地を動かずに過ごしたと考えて良い(p225)

    平成27年5月2日作成

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