世阿弥 神と修羅と恋 (能を読む 2)

  • 角川学芸出版 (2013年3月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784046538727

作品紹介・あらすじ

新釈の現代語訳で“能を読み”、先鋭な論考で“能を解き”、演者から“能を聞く”。第2巻では、能の大成者・世阿弥の作品36曲を収録。「鬼」「狂い」「恋」などを鍵として世阿弥の複式夢幻能の世界を読み解く。

みんなの感想まとめ

テーマは、能楽の大成者である世阿弥の作品を通じて、彼の芸術的世界とその歴史的背景を深く理解することです。新釈の現代語訳と鋭い論考が融合したこの書籍は、世阿弥の代表作36曲を収録し、能の多様な側面を探求...

感想・レビュー・書評

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  • 2013年6月に実施した学生選書企画で学生の皆さんによって選ばれ購入した本です。
    通常の配架場所: 開架図書(2階)
    請求記号: 773//A43

  • 11世紀から300年間猿楽が修正会・修二会の場に組み込まれることによって修正会全体をカーニバル空間へ、「狂」的な時空へと変貌させる一方で、猿楽そのものが呪術性にあふれ、憑依的な「狂」の芸として確立されていく、そしてその過程で鬼面を獲得し、さらに翁面を手に入れる猿楽の変質の本質的議論に触れられる好著。すばらしい。

  • 「複式夢幻能の世界」にドップリ浸りたい。。。

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    「新釈の現代語訳で“能を読み”、先鋭な論考で“能を解き”、演者から“能を聞く”。第2巻では、能の大成者・世阿弥の作品36曲を収録。「鬼」「狂い」「恋」などを鍵として世阿弥の複式夢幻能の世界を読み解く。」

  • 骨肉化された南北朝以来の歌舞音曲の伝統

    前巻の「観阿弥」に続く「能を読む」シリーズは子の世阿弥の作品の解釈・解題と興味深い論考、対談がぎっしり詰まった660頁です。

     ここに収められた「敦盛」「井筒」「浮舟」「姥捨」「砧」「恋重荷」「西行櫻」「実盛」「関寺小町」「当麻」「高砂」「忠度」「野森」「斑女」「放生用」「屋島」「山姥」「養老」「頼政」など世阿弥の代表作を目にするだけで、私の脳裏には彼の作と伝えられる「羽衣」の有名なくだり「東遊の数々に。東遊乃数々に。その名も月乃。色人ハ。三五夜中の。空に又。満願真如乃影となり。云々」を朗々と吟じる亡き祖父小太郎の声音と舞が浮かんでまいります。

     祖父が漱石と同じ宝生流の初心者なら、お向かいの芦田布団屋の得意は義太夫で、でっぷり肥った狸おやじが三味線ではなくなぜか琵琶を激しくかきならしながらシングアーソングする「妹背山婦女庭訓」と下駄屋の祖父が総桐造りの二階狭しと鼓を乱打しながら仕舞う「羽衣」は霧深き丹波の山奥で激烈なジャムセッションを繰り広げたものでした。

     去年亡くなった義母の父親は神奈川県庁に勤務しながら観世流の極意を体得した謡と仕舞いの名人で、その影響を受けた義母は観世流の原理主義者として生涯をまっとうしたことでした。

     能ではおおかたワキの「諸国一見の僧」が日本全国の名所旧跡を訪れ、故地ゆかりの伝承に接するところからそのドラマが始まり、やがてシテとの問答を経て二度目のシテの登場となり、その多くが「喜春楽」「春鶯囀」「傾盃楽」「秋風楽」「北庭楽」「万歳楽」「青海波」などのうるわしい四季の舞を舞って大団円を迎える演目が多いのですが、私たちの文化や教養の基底にはこうした南北朝以来の歌舞音曲の伝統が先祖代々骨肉のものと化していることを忘れてはならないと思うのです。

    値が安く丈夫で長持ち履きやすい買うならことと下駄は「てらこ」で 蝶人

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著者プロフィール

哲学者。『隠された十字架』『水底の歌』で、それぞれ毎日出版文化賞、大佛次郎賞を受賞。縄文時代から近代までを視野に収め、文学・歴史・宗教等を包括して日本文化の深層を解明する〈梅原日本学〉を確立の後、能を研究。

「2016年 『世阿弥を学び、世阿弥に学ぶ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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