本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・マンガ (216ページ) / ISBN・EAN: 9784046814128
作品紹介・あらすじ
メイドの誇りは、静かに、強く光る。
今日も宝石商「ローシュタイン」には様々なお客様が訪れる。
ジュエリーの買い取りを依頼しに来た夫婦。
ビジネスから手を引き、田舎で穏やかに暮らすための費用に当てたいとのこと。
美麗なジュエリーの価値、そして夫人の思う「幸せ」に応えるためにメイドはーー
みんなの感想まとめ
物語は、宝石商「ローシュタイン」を舞台に、メイドが様々なお客様との関わりを通じて成長していく姿を描いています。特に、ジュエリーの価値を見極めながら、依頼者の幸せを考えるメイドの姿勢が印象的です。専門的...
感想・レビュー・書評
-
エリヤが子供たちに授業する回が好きです
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
物語としては悪くはないし、専門性を活かすテーマは好みではあるのだけど思ったより刺さってこない。
やはりメイドである必然性が弱いのが、個人的には厳しいのかもしれない。主人に恩義を超えた恋慕を持つ「脚長おじさん」的な孤児設定でも良いと思ってしまう。 -
■書名
書名:宝石商のメイド 2
著者:やませ ちか (著)
■感想
1巻に記載済み。 -
沈黙の中でも、ふんわりとした面影を宿す。宝石のようなメイドさん。
より良き方向に導くためには上位者に伝えなければいけないことがあります。
だけど分をわきまえて控えなくてもいけません。
矛盾するそれらをここまで高いレベルで調和させることができるなんて、はじめてかもしれません。
何が言いたいかといえば、主人公であるメイド兼接客係の「エリヤ」さんの特性の話です。
身分の差がある(作中の)時代背景あってのことなので彼女の姿勢は現代的価値観にはそぐわないと思わせる一方、客商売というもう一つの前提の上では高い職業倫理として今に通じるメッセージをもたらす。
メイドが貴人にお仕えする以上は、プライベートな空間で密に、そばにいてもおかしくはない。
けれどもあくまで黒子に徹することで自身は語り過ぎず、相手に華を持たせる形でその人に最も合った宝石を紹介する。そのことでより良い未来をもたらすことができる。
その辺のバランス感覚がメイドであり接客係でもある彼女らしくて、大変すばらしいと感じました。
と。挨拶が遅れましたが、本作『宝石商のメイド』の概要については一巻で触れさせていただきましたので今回は省略いたします。ご容赦ください。
第二巻については一巻のレビューでも軽く触れた貴賎結婚の話や、準レギュラー格の貴族令嬢「ラヴェンデル」嬢との交流の話など、引き続き上流階級の話がやはり目を惹きます。
その一方で宝石とは無縁に思える貧しい子どもたち相手に蛍石を使った鉱物の授業を行ったりと、一巻に引き続き順調に話の幅を広げていらっしゃるように見受けられます。
社会に明暗はある。けれど輝くための方法は一通りではない、そういった静かな言葉も伝わってきます。
またエリヤさんに母親がらみの過去があることを軽く匂わせており、今は裏方に徹している彼女個人のエピソードでストーリーラインを引っ張ってくるのかもしれませんが、それはこれからの展開次第ですね。
いずれにしてもエリヤさんは礼儀正しく真面目で正直な働き者なので好感度は高止まりだと思います。
続いて、絵柄の面について触れておきます。
一巻では輪郭をぼかしたような霞がかった幻想的な向きが強めでしたが、ここ二巻では連載向けにこなれてきたのか、輪郭線を比較的しっかりさせた印象です。
一方、明暗の中でエリヤの白いかんばせを際立たせ、あと無表情さを逆手に取ってエフェクトや注釈を加えることでどことなくシュールでふふっと笑みがこぼれてしまう親しみやすさに転じさせている。
結果、一見して隙が無い彼女の魅力的な内面を読者に伝えてくださっているように感じたりもしました。
わずかな表情のゆるみが雄弁に語るのはもちろん、どことなく輝いているのが素敵なんですよね。
そういえば、あとがきでも触れられていますが一巻で取り上げられた「スファレライトのティアラ」がこの作品に合わせた企画展の一環として実現したそうです。
それから、ここ二巻の巻末の描き下ろしおまけ短編「宝石商のメイドと悩めるパティシエ」に登場した「宝石箱のフルーツタルト」も実際に商品化されたそうです。
気運に恵まれたということもありますが、こういった作品外の展開がやってくるということすなわち作品自体にパワーがあるということの証明かもしれません。
それと、後者に関しては静かな緊張感の中に、気品と微笑みをたたえて宝石の深い知識を添え、そして最後により良い未来が提供される――といった意味でこの作品らしくて好きな短編だったりします。
総じて、作品の基本路線をより強く固め、広がりの余地も残したしっかりとした第二巻だと思います。
紅茶好きで真面目で頑固。職はもちろん少女と女性の境界にいるように見える、不思議な彼女「エリヤ」の今後に期待したいところなので。――と。よって、それをもって二巻のレビューの〆といたします。
この本が好きな人におすすめの本
やませちかの作品
本棚登録 :
感想 :
