君の心に火がついて

  • KADOKAWA (2022年5月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (434ページ) / ISBN・EAN: 9784046814685

作品紹介・あらすじ

「狭苦しいこの世界で
人形のままでいられたら
どれほど楽だったろう
言葉を 炎を 魂を持った私たちは
もうこの道以外は選べない
私が私であるために」

Twitterで人気の作家・ツルリンゴスターが、WEBメディア『DRESS』に連載した人気創作漫画に描き下ろしを加え、434Pの大ボリュームで書籍化!

私の心を閉じ込めていたのは”無自覚の私”――夫婦のすれ違い、男女の恋愛に違和感を持つ女子高生、60歳からの新しい恋、男子高校生のメイクなど「常識」から外れてしまうから、大切な人をこれ以上傷つけないために私が我慢すれば…と、自分の気持ちに蓋をしてきた主人公たち。そこへ、人間の心に灯る“火”を食べて生きる妖怪・焔(ほむら)が突然現れては、心の中に灯る小さな火を見つけ、変化を生み出していく8つの物語。

感想・レビュー・書評

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  • だいぶ前に購入したのに、読まずにつんどく。
    ランジェリー・ブルースを一気によみ、同じ作者としり、これも一気読み。
    見えない未来への不安とか、今の自分を見つめなおして、少し勇気をもらえる作品。
    元々マンガをあまり読まないけど(読みたい本が多すぎてマンガまではチェックしてない)、かなり久しぶりに1日で2冊も読んだ。
    病気続きで、本を読む体力、気力がなくなってしまっていたけど、今日のマンガ2冊読破から、また本を読める気がする。
    仕事も読者も楽しんでやってみる。

  • モラハラ、ジェンダーギャップ、SOGI差別...暴力や世の中の変な"常識"に違和感を覚えながらもグッと言葉を飲み込んできた方、その周囲の方に、ぜひ出会ってほしい漫画です。アセクシャル・アロマンティックスペクトラムの登場人物も描かれます。
    各話の連関も、年齢のバランスも良かった。日本の漫画は制服を着た学生ばかり描きたがる印象を受ける時がありますが、自分が中高生の時も中高生の話より大人の話を読みたかった、今が苦しいから将来に希望を持ちたかった、だから大人や社会問題をしっかり描いて議論するのは凄くいいと思います。
    あとがきまで誠実でした。本来変わるべき側が変わらず、暴力や変な"常識"に苦しめられる側が声をあげ動かなくてはならない理不尽...その通りだと思います。この漫画も理不尽の暗闇に飲み込まれそうなときに火を灯してくれる一つ。受けとりました。描き続けてほしいと思いました。

  • 心に抱えた想いを解放し変化していく登場人物達を応援したくなる、オムニバス系式の短編集。生き辛さを抱えた人に読んで欲しい。
    理不尽を強いている側の世界の仕組みはなかなか変わらないのに、理不尽を強いられている側ばかりが変化しなければならない現状に気づく事が大事なのだと思う。

  • WEBでちょっとだけ読んで続きを読みたいと思っていたら、旅先の図書館で偶然見つけて読めた。ありがたや。案の定面白いというか、社会派?な漫画だった。最初のモラハラ夫の話や会社での女性の話、メンズコスメ、恋愛感情なしで生きたい高校生の話、作家と息子の話、高齢になってからの恋愛の話等々。でも孤独に押し込まれそうになって、作家の勧めで物語を書き始めた人の話が一番来たな。この人に似てるというわけじゃないけど、ほんとは作家の人みたいに生きたかった。でもこんな強い生き方、できなかったな。息子がいい子に育ってほんとに良かった。本当は、いろんな人に育てられるというのが社会の本来の姿になれば、楽になる人が大勢いるだろうに。そういう社会こそが脱少子化な気もする。

  • 2024/06/19 更新

  • webで読むと割とサラッと読んでしまって後に残らないものが多いけれど、これは読了後に「紙で手元に残さなければ!」と強く感じた作品。

    夫婦間の家事育児分業、メンズメイク、アセクシュアル、、、色々な「世間の当たり前」に感じたモヤっとした気持ちに蓋をせず、心に灯った小さな炎を消さぬように自分自身を取り戻すいくつかのオムニバス。

    マジョリティに合わせて生きていくことの方が楽だけど、あなたが感じたあなたの気持ちを大事に生きていいんだよ、と大きくなったら娘たちにも教えてあげたいので、この本は我が家の本棚にずっと居て欲しいと思った。

  • 面白かった。
    短編集という性質上どうしても展開が速く、ご都合主義的な場面が見られたけれど、それを差し引いても伝えようとしていることを極力説教臭くならないように伝えているように感じた。

    テーマは『私の美しい庭』に近いと思う。女性が読んで楽しい作品なので、男性が読むにはだいぶ骨が折れるように感じる(女性の活躍、家事育児の分担等)。
    そもそも、制度と男性は結びついているものがほとんどなので、男性が制度を批判するとき、男性は男性自身を批判しなければいけない試練があるし、それはなかなかつらい面はある。男性視点の話も少しあるが、そこにはあまり救いがないかもしれない。

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著者プロフィール

マンガ・イラストレーター。長男出産後、育児ブログ「新月堂」を開設。ほかTwitterやインスタグラムで何気ない日常のふとした出来事や気持ちをマンガやイラストでアップ。WEB『DRESS』『ninaruポッケ』で不定期連載中。著書に『いってらっしゃいのその後で』(KADOKAWA)。関西在住で3人の子どもと夫、猫1匹、とかげ1匹と暮らす。

「2022年 『君の心に火がついて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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