俺の友達♂♀が可愛すぎて困る! 07 (7) (MFC キューンシリーズ)

  • KADOKAWA (2023年3月27日発売)
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Amazon.co.jp ・マンガ (128ページ) / ISBN・EAN: 9784046823946

作品紹介・あらすじ

子供のころに天野滉一・沢渡雪緒・水瀬夏希の3人で埋めた
タイムカプセルを開けたら、光と煙が滉一を包み込んだ。
煙が晴れるとそこには、幼い少女になった滉一の姿が――。
女体化してしまった滉一と、女体化する雪緒たちとの
複雑な百合(?)模様が始まる予感……!?

既刊重版出来!!
女体化する幼馴染みが可愛すぎてドギマギ!?
禁断のTSF(性転換)ラブコメ第7巻!!

感想・レビュー・書評

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  • 埋めた男女の外堀は、関係性、だけじゃなく境界線でもありました。

    「TSF(後天的性転換を題材としたフィクション作品)」という表記も、ライトでポップな漫画のジャンルとしていい加減定着してきました。
    それから、男から女に性転換するヒロインを大量投入してきたこの漫画もいよいよ七巻を数えました。

    それとは別に、主人公が「TS(性転換)」というパターンが同ジャンルで目立つため、あえて主人公はTSさせなかったというのは原作者の言でしたか。
    よって、ここまで主人公は男のまま周囲に振り回され時に受け止める姿を描いてきたわけですが……。

    というわけで、新章突入といった感じもあるため振り返りも兼ねてつらつらと述べてみましょう。
    主人公を取り巻くヒロインは、久々に再会した純真系幼馴染、アメリカンでOTAKUな留学生(二重人格)、主人公を慕う親戚の弟分(日焼け系)、ひとつ屋根の下な芬蘭からの留学生(妹系)。以上です。

    方向性と距離感は違えど留学生がふたりいます。そこはツッコまれているので別にいいとして、どいつもこいつも属性過多な野郎どもが揃いも揃って性転換体質という開き直り方はもはや潔しです。

    なお、なんで主人公の周囲に局地的フィーバーが起きているのかは現状不明となっております。
    この辺、裏設定は作っていそうですが種明かしはされてもいいし、されなくてもいいのかもしれません。
    この漫画、妙なリアリティと葛藤は用意されている一方で、ライトでポップな感じがいい感じに支配的ですから。新展開はやってきたものの、引き続き質の高いドタバタコメディを堪能できて安心しました。

    本作はだいたい一巻ごとにひとり新ヒロイン(?)が追加されるペースだったわけで、表紙の手番も性別:女性で据え置きなもうひとりの幼馴染を含めて順回りで五巻までを数えました。
    よって一巡してから六巻の表紙を再び飾りましたは、並び立つTSヒロインの中で主人公と最初に巡り合った、無知・無垢・無防備、三拍子揃い踏みな幼馴染ヒロイン「沢渡雪緒」だったわけです。

    そうして、ここまでの六巻の中でほかのヒロイン(?)たちを含めたドタバタな日常を描くかたわら、彼(彼女)が自身の女性性、それに主人公「天野滉一」相手に恋の芽生えを自覚するまで。
    自覚してからは、同性の友人としての関係性に安住したくなくなった彼(彼女)の乙女心を描きました。

    雪緒は自分が近いうちに男女どちらかに性別が固定化されるかもしれないと現状をつぶやくことで、ふわっとした未来に至るように放物線を投げかけます。読者にも想像させます。
    結局まだ先のことということでその場では収めないのですが、将来的にはどうであれ、幸せな着地点を思い描かせます。結果、六巻はここで〆ても問題ない王道の区切りでしたね。好評につき続くようですが。

    そんなこんなで冒頭に話を戻すと新展開の到来です。三白眼で筋肉質でゲーマーな主人公「天野滉一」も腹をくくってヒロインの列に加われというわけか、第七巻の表紙を飾るのが彼あらため彼女でした。
    ほかがグラマーながらも面影を残したり、成長途上なのでほとんど変わっていなかったりする中、主人公の場合はパッと見、男時代の面影が消え失せました。肉体年齢も高校生から小学生くらいに落ちました。

    すなわち屈強で頼れる男子が無力なロリへと成り果ててしまったギャップはなかなかに面白いです。
    周囲から着せ替え人形にさせられるなどして男の尊厳が速やかに崩壊していく様子はやっぱり面白いと思います。もちろん、一読者の感想であるとしても人の悪い物言いであることは認めますけどね。

    ただ、その辺にえげつなさや湿っぽさを感じさせないのが上手いなあと思いました。
    テンポの良さでコメディとして昇華させる漫画としての巧みさを感じるところなのです。
    それに性転換前後で主人公が漫画のコマ構成にどう収まっているかを比べてみたら色々見えてきました。

    従来の主人公は大柄なので高い視線から画面の上の方を占有しながらヒロインに華を持たせるべく、どちらかと言えば引き気味のポジションにいました。
    それは一人の男としてほかのヒロイン(?)と向き合って視線を交わし合うシーンも含めてのことです。

    ひるがえって女体化後の主人公は愛でられる対象として全身を画面に収めるようになった風です。
    身長がガクッと落ちたこともあって、画面の中心に置く必然性が生まれたのも主人公の面目躍如といったところでしょうか。
    七巻が主人公の女体化バージョンお披露目の巻とあり目立っていることを差し引くとしてもです。 

    やっぱり主人公がヒロインを兼任すると漫画として画面作りが違ってくることもわかりますね。
    それもこれも今までの六巻を通して男性としての主人公の姿を描いてきたから。
    きっと土台として固めたからこそ生まれる効果なのでしょう。
    仮に一巻や三巻や四巻から彼女を出したとしても違っていて、ここまで溜めたからこそ効いている。

    硬派な男としてスキンシップがそうそう取れない天野君と、女体化してからべたべた触られまくる「コウちゃん」との激しすぎる差異はすっごく面白いと私は思ってます。
    さっきから面白い面白いばっかり言ってるようですが、実際個人的にヒットしたんだから仕方ない。

    なぜなら主人公は女体化したと言っても女性未満の幼女なのでマスコット属性が強く出ています。
    ゆえに、上から抱きしめられたり、軽々持ち上げられたり、手を引かれたりする女性同士のアグレッシブなスキンシップが、まるであつらえでもしたかのようによく似合うのです。漫画として映えます。

    とまれ、主人公という本丸を落とすにあたってここまでの六巻を使って丁寧に外堀を埋めてたんですね。
    ほかのヒロインとのわちゃわちゃを楽しみつつもメインヒロインの雪緒との恋の行方に、だいたいの読者が目を向けていたと思われます。だからか水面下で仕込んでいたこちらに私も気づかなかったのです。

    たとえば。
    軽いノリで周囲からやんややんやと主人公の女体化後の予想図が数度に渡って提示されました。
    性転換を引き起こす病気が遺伝するか否かは不明ですが、主人公の親類縁者に発症者がいました。
    ヒロイン勢の脇を固めるサブキャラの中に性転換に伴って年齢がガクッと落ちる事例もありました。
    などと、事前に伏線が十二分に張られていたわけです。

    それと先ほどは主人公から男時代からの面影が消えたと言いましたね。
    けれどよく読めば、男時代の仕草を幼女姿で見せたり、そもそもが母譲りの容姿だったり、要所では印象的な表情を共通させたりと同一人物であることの示唆はしっかりなされていました。漫画が上手いです。

    なお今後の展開は不明ながら、六巻までと七巻からは別の漫画といってもいいかもしれません。主人公が性転換体質になったことを前提に話を組むのなら。当初のプロットから転回したこともあいまって。

    言ってしまえば、今までを喩えるなら主人公自体は不動の恒星でした。
    その周囲を距離感はさまざまでしたが、惑星ヒロインたちが周回する構図だったわけです。

    そこから主人公もまた公転する星のひとつという構図に変わりました。
    なんなら主人公も誰かにとってのヒロインになるかもしれない可能性すら想像できるようになりました。
    イイ感じに今後の話が予想できなくなりました。非常に面白いですね。

    主人公を女児姿で画面に置く以上、バランスを取る意味でほかのヒロイン勢が男子姿であるタイミングが増えても許されるかどうかについては定かではありません。
    今後の展開に幅が生まれるのかもしれませんし、そうでないのかもしれません。

    ただ、男子姿を描かないと女子姿とのギャップが生む魅力が半減するのも確かなので注目はしたいです。
    劇中の男成分の多くを担っていた主人公が転じるってのはそれだけ大きい事件なので。
    やがてどちらかに性別に固定されるにせよ、ヒロイン全員が女性で落ち着くのもなんかバランスを欠くようで面白くないので、そこに向けた取り組みも行っていくのかなとか当たらない予想もしてみますか。

    もしや今後は慣れを防いでギャップを生むためにロリ主人公とそれを愛でる男子って関係に注目してもいいのかもしれませんが、まぁその辺は商業的なニーズと顔を付き合わせつつ要相談ってところでしょう。

    いずれにせよ、武骨で動じない男という、主人公が作品中で占める唯一無二のポジションが揺らいだことも確かです。主人公の従来の立ち位置は貴重この上なかったので賛否が分かれる展開かもしれません。
    天野滉一あらため「コウちゃん」の完成度が前述した通り非常に高かったと思うので、私個人としてはこの展開を積極的に許容して推していきたいところなのですけれどね。

    兎にも角にも、主人公の天野君にとって男の子という肉体が陥落した一方、逆に女所帯に積極的にカチ込めるようになったので今後は攻めに転じてるのかもしれませんが、どうでしょうね。
    まさにどうとでも展開できる、次を見据えた大転回の巻がここ七巻であったと思う次第でありました。

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