午後4時。透明、ときどき声優1 (1) (MF文庫J)

  • KADOKAWA (2023年6月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (328ページ) / ISBN・EAN: 9784046824417

作品紹介・あらすじ

わたし、山田良菜は『無色透明』で地味な女子高生。
憧れの創作に挑んでも全く目立たず、自分は脇役だなんて諦めにも慣れてしまった。
そんな高3の春、突然目の前に現れたのはわたしと同じ声の超人気声優・香家佐紫苑! 
彼女が言った、“世界中で良菜にしか頼めないこと”は……。

「わたしと──入れ替わってくれない?」

素人の私が、紫苑の替え玉声優に!? 絶対に無茶……! 
でも、やってみたいと思ってしまった。『わたしの声』が必要とされて、胸が高鳴った。
紫苑に変装して飛び込んだ、痺れるようなアニメ作りの世界。
意外にもそこには、透明なわたしにしかできない芝居があって──!

感想・レビュー・書評

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  • クリエイティブの世界に憧れながら挫折して自分は『無色透明』と思っている高3女子・山田良菜が、人気声優・香家佐紫苑の代役を務めることから始まる青春物語。岬さんの新作は「自分なんて」という少女が自分の世界を広げていく素敵な作品でした。良菜の「透明」は、透明だからこそ何色にでもなれる、という作品中で語られる良菜の強みであるとともに、透明だからこそ演者・良菜という”フィルタ”の向こうにある様々な色や形を、ありのままにみせられる表現者としての力を示しているのではないかなと思いました。続きが楽しみです。

  • 岬先生の初めて(?)のお仕事モノ。
    人気声優である紫苑に声が似ている事から、紫苑本人に声優の代役を頼まれた良菜。代役をきっかけに、良菜が声優という仕事に彼女が全力取み、表現者として成長してゆく展開がとても熱く、良きお話でした。特に最後の展開は、力を持つ者同士の争いを彷彿させるもので、非常に熱かった!
    ただ、入れ替わりの部分など、所々どうなの?というか、声優の仕事にプライドが無いの?と感じてしまった所があるのも確か。

  • 「芝居の面白さには果てがない。一生かけても味わい尽くせない。」――恩田陸『チョコレートコスモス』新潮文庫のカバー煽り文の冒頭。

    当初ライトノベル分野で声優の話なら先行作品は『声優ラジオのウラオモテ』(二月公)かな?と思いましたが、タイプの異なる才能がぶつかり合う競演の先に待っている世界は、『チョコレートコスモス』やその更に先行作品である『ガラスの仮面』のようです。
    同じ声で異なる芝居をする二人が、『チョコレートコスモス』の東響子と佐々木飛鳥のように「芝居の業」を挟んで対峙する物語に期待したいです。

    そんな感じで『ガラスの仮面』の王道の系譜ではありますが、それとは別に、「瓜二つの二人の入れ替わり」という王道も割と好きなのですよ。
    さすがに『とりかへばや物語』はきちんと読んだことがないですが、『王子とこじき』『ふたりのロッテ』の普遍的な面白さを挙げれば、そのポテンシャルは充分でしょう。

    とりあえず、良菜は領収書と適格請求書をきちんと保存して確定申告に備える勉強を始めないといけないですね。
    インボイス制度が始まってからは特に書類の取得と保存の事務処理スキル大事。

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著者プロフィール

第19回電撃小説大賞〈電撃文庫MAGAZINE賞〉受賞。同受賞作『失恋探偵ももせ』でデビュー。以降、電撃文庫・メディアワークス文庫で青春小説を中心に執筆。

「2023年 『あした、裸足でこい。3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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