屍王の帰還 ~元勇者の俺、自分が組織した厨二秘密結社を止めるために再び異世界に召喚されてしまう~1 (MFブックス)

  • KADOKAWA (2024年7月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (324ページ) / ISBN・EAN: 9784046833730

作品紹介・あらすじ

「よくもまあ昔の俺は、こんな恥ずかしいことノリノリでやってたよ!」
中学三年生のとき、異世界に召喚され世界を救った勇者、日崎司央。悪魔王を倒し現代に強制送還された彼は、その三年後、今再び異世界に召喚される。秘密結社「ヘルヘイム」の暴走を止めるために――。
しかし、実はその組織、かつて厨二病を患っていた彼が「屍王」と名乗り組織した、思い出すも恥ずかしい黒歴史だった!?
一体誰が"ヘルヘイム"の名を騙り、悪名を振りまいているのか。その謎を解き明かし組織の汚名を返上すべく、屍王はかつてヘルヘイムを最強たらしめた幹部「八戒」を再集結させ、再び異世界で行動を開始する――黒歴史に悶えながら……。
まずは鉄鋼都市ガギウル。不作に喘ぐ街と窮地に立つ鈍色の伯爵令嬢を救出せよ。
「――ヘルヘイム、作戦開始だ」

みんなの感想まとめ

異世界での冒険と成長を描いた物語が展開されます。主人公は、かつて勇者として悪魔王を倒した経験を持ちながら、再び異世界に召喚されます。しかし、彼がかつて結成した秘密結社「ヘルヘイム」が悪事を働いていると...

感想・レビュー・書評

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  • なろう系特有の「痛さ」はあるものの、見せ方が上手くてスラスラ読めた一冊!

    読んでみて感じたポイントは

    厨二設定の緩急が絶妙:
    悪役っぽい痛い言い回しや組織構造がずっと続くわけではなく、ここぞという締める場面で出してくれる。このメリハリがすごく良かった。

    仲間との関係値が熱い:
    2回目の召喚で主人公は弱体化しているけど、かつての仲間(八戒)からの好感度が高いままなのは読んでいて気持ちがいい。長寿種ばかりなのはご都合主義っぽさもあるけど、それだけ屍王が慕われていた証拠として素直にエモさを感じた。

    敵組織はまだ謎だらけ:
    偽物組織は現状「体よく名前を利用されただけ」という印象。八戒も集結していないから、誰が怪しいとかの推理は今の段階では難しいかも。

    総じて、弱体化した主人公と、彼を慕う仲間たちの関係性がとにかく魅力的。これから過去の深掘りがされたら、もっとキャラクターに愛着が湧くと思う。
    散り散りになった八戒がどう集結していくのか、次巻以降の展開に期待!

  • 過去のやらかし(厨二病で作った組織)を片付けるため、再度異世界に。妹も行く展開は新しい。

  • 【読書メモ】
    日崎司央はクラス召喚されるも友人たちの死を乗り超え悪魔王を倒し日本に帰還するが、当時結成したる結社ヘルヘイムが悪事を働いて困っていると再召喚されてしまって……という話

    日本での時間経過を遥かに超える180年という時間経過もあり、倒した悪魔が復活していたり王家による歴史改変が行われていたり、となかなか興味深い
    クラス召喚されてしまった妹との関係や、偽ヘルヘイムの目的とか、上級悪魔とのバトルとかいろいろ興味深い……
    仲間との再会はやや安直な気もするが、軸が多いのでさっさと仲間を集めないとグダりそうな気も?

  • ★2.5。可もなく不可もなし。悪くはない。むしろ、設定は面白いと思う。中学3年生の頃に集団で異世界に召喚された主人公シオウ(屍王)。悪魔王との戦いにおいて仲間たちが死にゆく中、自分だけが生き残り、厨二病を拗らせてつくった組織「ヘルヘイム」と共に悪魔王を倒す。その後、無事に元の世界に戻ったものの、異世界では「ヘルヘイム」を語る何者かが世界を脅かしているという。シオウは再び異世界に召喚され、真相に迫る。過去の厨二病が生み出した仲間たちとのやりとりに悶えながら…というお話。

    本作は既存の異世界転移ものの定番パターン、特に集団で異世界に勇者として召喚されるタイプの物語をうまく活用している。ジャンルは異なるが、勇者のその後を描く点では『異世界おじさん』、厨二病を拗らせた点は『陰の実力者になりたくて』などを彷彿とさせる新しさを感じた。異世界ものでは、転生や転移するところから話が始まることが多い。しかし、この作品では主人公が一度ラスボスを倒して帰還し、再び異世界に召喚されるところまでがダイジェストで描かれる。異世界ものに慣れている人にとっては、別の作品で異世界召喚されてからの流れが蓄積されているため、詳細に描かなくても想像できる。本作ではこれを利用している点が上手いと思った。過去に読んできた異世界召喚ものの知識が、導入部分を補完する役割を果たしているのだ。10年前や20年前なら、導入の描写があっさりしているという意見があったかもしれない。しかし、2024年の現在だからこそ、詳しい説明なしでもこのような導入が可能になったのだと思うと、感慨深いものがある。

    ⚫︎気になった点
    ①仲間集めのテンポが速すぎて、180年という時間の重みが感じられない。主人公の魔力を感知して、2人の仲間があっという間に集まる。仲間がチート能力を持っているため、仲間がすぐに集まるというのも納得はできるが…180年の時間の余韻がなかったのがやや残念。

    ②転移の魔法が使えるため、世界がすごく狭く見える。世界が点と点でしか描かれないため、奥行きがないように思ってしまう。京都旅行でバスを使って移動するのと、徒歩で街の雰囲気を味わう違いに似ているかもしれない。

    ③主人公の能力はリセットされるものの、結局主人公無双系。自分のキャラクリエイト方法を知っているため、淡々とレベルアップしていく育成ゲームの2周目のような主人公の成長感。弱体化させる必要があったのだろうか。

    ④キャラの掘り下げはこれからやるにしても、設定の面白さを活かしきれていない感がある。例えば、マスコット的な獣人と駄竜という確立されたキャラ以上の魅力がない点がやや残念である。仲間との再会や過去の喪失感などの感情描写をうまく表現できたらもっとよかったと思う。とりあえず仲間を集めることと、偽物「ヘルヘイム」を追う流れを小説にまとめただけになってしまっており、もったいない。

    ⚫︎総評
    この作品は「こんな設定で物語を作ったら面白いのでは?」というアイデアの段階で止まってしまっている印象を受けた。キャラクターの深掘りや感情描写をもっと丁寧に行えば、より魅力的な作品になるポテンシャルはある。既存の異世界召喚ものの流れを引き継ぎつつ、物語を構成する点は良いが、逆に既存の物語のテンプレ設定に引っ張られ過ぎてしまっているようにも思える。現状では、仲間を集める目的と偽物の正体を追究するのを楽しむ物語になっているのが少し残念。

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