ドミナント 4 (MFC)

  • KADOKAWA (2024年5月23日発売)
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Amazon.co.jp ・マンガ (210ページ) / ISBN・EAN: 9784046837448

作品紹介・あらすじ

学園祭ライブ開始。そして屋敷の扉が開かれる最終巻!
数学教師で軽音部顧問の田辺に理不尽な暴力を受けるせいか。恐怖と後悔から屋敷を去る彼女は、越郎に最後のお願いとして学園祭のライブに来てほしいと告げる。そしてそれぞれの思惑が交錯する学園祭が始まる……。

感想・レビュー・書評

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  • 14話後半では引き続き越郎の過去が語られるのだけど、前半部とは彼の印象が異なると感じられるのは、一人暮らしや美羽との付き合いが良い意味で彼に柔らかさを与えたからなのだろうな
    今まで誰かに追い立てられるような生活をしていた。だから解放された環境は安らぎを味わう機会となった

    そんな彼の安寧が悪意と呼ぶ事も憚られるような雑な悪意に拠って呆気なく崩壊してしまうのが嘆かわしい…
    彼の崩壊の裏には幾つかの意図が絡んでいるのは確か。様々な巡り合わせが宜しく無かったのも確か
    それでも何かを「悪い」と表現するのが間違っているような感情の坩堝によって彼の未来が閉じられたのは悲しい事だと思える

    だからこそ、自身の手元に迷い込んできたせいかに越郎が投げかけていた言葉が自分にこそ投げかけて欲しかった言葉だと気付く流れには感動してしまったなぁ…
    どうしても涙が止まらない苦しみを知っている。だから涙に抗おうとしていた彼女に越郎は親身になれたのかも知れない

    彼女との精神的な繋がりに気付ければ越郎は彼女の為に歩み出せる
    封じられた場所から蘇る封じられた記憶と時間間隔。それは越郎が閉じられた空間から脱出した証拠


    せいかの文化祭は近付いて、以前は無かった級友との付き合いも生まれて。そこには前巻にて田邊から振るわれた暴力の形跡が感じ取れないほど
    最初に読んだ時はその違和感をどう受け止めたものかと悩んだのだけど、裏事情が明かされて吃驚
    彼女は恐怖に打ち克ったのか!

    教師からの暴力と口止めという普通の少女に抗う事は難しい理不尽。これにせいかは真っ当に勇気を振り絞り戦ったという事実に感極まりそうになる
    「信じて」という言葉を起点にして始まる理不尽と戦おうという機運の流れは素晴らしい

    せいかが戦えたなら、次は越郎の番
    これまでは自分が悪いと信じ込まされて美羽の暴力にただ従うだけだった
    そんな彼が美羽という束縛から逃れて『外』へと行く様は一つの終わりなのだと感じられたよ
    ただ、後から思えば、彼がこの時逃れようとした束縛は美羽だけではなかったのだろうけど……


    越郎は自身を閉じ込める家から出られてハッピー、せいかは恋人の居なくなった越郎に告白できてハッピー
    …と成らなかったのが本作の行き着いた先か……。全ての重しが取れて、せいかに越郎が示したのは子供じみた感謝
    考えてみると、家族からも恋人からも誰からも重量感の有る愛情を得られなかった彼の精神はずっと子供のままだったのかな…
    なら、そんな相手に自分勝手な想いを告げるなんて間違いで。この時、せいかは越郎よりも大人びた態度で彼を守ったと言えるのだろうな

    それともせいかは越郎を縛り付けるべきだったのか?その答えは容易に出せそうにないな…
    ただ、彼は最後の最後に思うが儘自由に行動した。それは確かだったのかもしれない…

    そんな越郎に対して、せいかが最後にすべきは何か?
    理不尽な別れに対して、泣きながらもそれに抗おうとする彼女はやはり強さを手にしたのだと思えるね
    だからギターという形代に拠って授けられた彼の思い出を大切なものとしつつも、その形代を壊せたのかも知れない
    彼への想いを捨てたというわけではないのだろうけど、あの行為によりせいかが越郎の居なくなった家に囚われる事はない。彼女は彼女の支配者のままで居られる。そのようなラストだと感じてしまったな

  • 初版 帯

  • 面白かった。連載で最後まで読んでいたが、一気に読み返すと感慨深い。越郎や美羽が幼く描かれる表現が好き。椎名兄妹が燻ったままだったり、図書委員の子が先生に好意を持っていたことだったりと、続けばまだ語られることもあったのかなと思うけど、この終わり方も好き。

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