巡る冬の果てで、君の名前を呼び続けた (MF文庫J)

  • KADOKAWA (2024年12月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (328ページ) / ISBN・EAN: 9784046843418

作品紹介・あらすじ

勇者によって魔王は討ち倒され、この世界から魔王の脅威はなくなった――だが世界は平穏を手にすることはできなかった。決戦時の強大な魔力の余波が、人類を侵し滅びをもたらしてしまったのである。
世界の平和と人々の命を守るために尽くした勇者一行の一人・魔法師エルメもその例に漏れず、大切な人を失い、自らの死期もそう遠くないことを悟った。
孤独となり自身の存在意義と未来を見失った彼女は、がむしゃらに王都から飛び出した先で、アンデッドの少年と出会う。
不思議な彼に勇気を貰い、余命わずかな少女と不死の少年は、終わりゆく世界を巡って、幸せな思い出と生きた証を後世に残すことを目指す旅に出る――

みんなの感想まとめ

壮大なラブストーリーが織りなす物語で、魔法やアンデッドが登場する中、深い愛情と死の美しさが描かれています。主人公エルメは、終わりゆく世界で出会った不死の少年ディートと共に、幸せな思い出を残す旅に出ます...

感想・レビュー・書評

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  • 今年、最後の小説はラノベファンタジーの「巡る冬の果てで、君の名前を呼び続けたい」
    ラノベらしく魔法、魔王、アンデットなど出てくるが、なかなかどうして壮大なラブストーリー。
    ディートとエルメの旅の前編と、ディートの果てしない旅の後編。なぜアンデットが必要だったかは、後編からラストにかけて分かってくる。前半は中だるみした感はあったが、奇想天外なストーリーで面白かった。

  • 『巡る冬の果てで、君の名前を呼び続けた』は、世界の終わりを背にした旅路を、これほどまでに静かで、誠実な筆致で描き切った作品は稀だと感じさせる一冊だった。物語は決して派手ではない。しかしその分、一歩一歩の歩みが確かな重みをもって胸に刻まれていく。

    余命を抱えた魔法師と、終わりを知らない存在。その対比は単なる設定に留まらず、「生きるとは何か」「名前を呼び続けるとはどういう祈りなのか」という根源的な問いを、読者に静かに投げかけてくる。言葉を交わし、同じ冬を越えていく中で育まれる関係性は、過剰な感情表現に頼ることなく、むしろ抑制された描写だからこそ深く心に染み入る。

    滅びゆく世界の描写には冷たさと美しさが同居しており、その中で紡がれる会話や沈黙が、確かな温度を持っているのが印象的だ。旅の終着点に向かうにつれ、避けられない現実が迫ってくるが、そこに描かれるのは絶望ではなく、受け入れる強さと、残されたものの尊さである。

    読み終えた後に残るのは、悲しみよりも静かな充足感だ。すべてが失われていく中でも、確かに名前を呼び、呼ばれた記憶は消えない――そんな確信をそっと胸に残してくれる。冬の果てに立ち尽くしながらも、どこか温もりを感じさせる、余韻の深い物語だった。

    著者初読

  • 1巻完結。
    綺麗な言葉で"死"を生々しく描かれた。常識なら目を背け鼻をつまむ状態なのに、とても美しい。死に行く人、死んだ人への深い愛情があるから。
    寓意として読めば、"核"という身に余る力を得た人類が共倒れで滅亡する世界への警鐘。世界を救うのは諦めない愛情。
    章タイトルの意味が最終盤わかった。
    とても素敵なファンタジーです。
    エルメのポニーテールイラスト可愛い。エルメ可愛い。

  • このぐらいの終わり方が丁度いい。中盤があまりにも辛すぎて「展開が辛い!」という気持ちもあったけどそれ以上に「これ結末どうなるんだよ」の方がかなり上回ってた。だからこそ満足のいくエンディングだった。ファンタジーでありおとぎ話でもある作品。

    丁寧な序・破・急の3段階構成でストーリーラインは綺麗に1本なんだけどそれぞれに個別の味付けがされているのがミソ。場面が切り替わるタイミングも各章特徴がハッキリとしていて物語の印象をより一層深めに来ている。話としてはコマ切れだけど1作の長編としての仕上がりが美しかった。

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