雨森潤奈は湿度が高い (1) (MF文庫J)

  • KADOKAWA (2025年2月25日発売)
3.94
  • (9)
  • (14)
  • (7)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 152
感想 : 6
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (264ページ) / ISBN・EAN: 9784046845528

作品紹介・あらすじ

雨で部活の練習が早めに終わった栗本詩暮は、忘れ物を取りに戻った視聴覚室で、一人の女子生徒・雨森潤奈と出会う。読書や音楽の好みが合致した二人は、互いの時間が重なる雨の日の放課後限定で会うようになり、密かな交流を始める。

「詩暮っていう名前、好き」
「私は独りが好きで、無駄な他人と関わりたくはないけど……詩暮なら、いい」

じめっとした雨の日にだけ会える潤奈は無表情でドライだが、やたらと距離感が近く、甘えたがりな女の子。
さらにある晴れた日、潤奈の「秘密」を知ってしまったことで、詩暮に対する潤奈の距離は吐息がかかるほどにまで近づき、深すぎる愛情がだだ漏れになっていく――。

みんなの感想まとめ

雨の日にしか会えない特別な関係を築く二人の物語が描かれています。主人公が出会ったのは、独特の趣味を持つ魅力的な女の子、雨森潤奈。彼女との交流を通じて、互いの距離が縮まり、深い愛情が芽生えていく様子が丁...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 初めて読む作家さん。文章がシンプルかつ流麗。雨に濡れる校舎の様子や二人の会話シーンなど、情景描写が非常に巧みであり、読んでいて情景が映像として頭の中にすっと浮かんでくるという貴重な体験をさせて頂きました。「湿度が高い」というのは確かに彼女を内面を的確に表していて、しっとりとした雰囲気のあるとても魅力的なヒロインと言えましょう。そして主人公の詩暮は飄々としているように見えるけど芯があり好感が持てる少年です。変わるものと変わらないものに焦点をあてた、学園青春物語の傑作と思います。続編があれば嬉しいかぎりです。

  • 湿度が高い、なのでよほど陰鬱な小説なのかと思いきや読んで納得した。ああ、これは確かに湿度が高い。何となく梅雨の、ジメッとして暗くなってしまう時を連想していた。
    実在するバンドの名前が多数出てくるので想像しやすい。個人的にあれは鬱ロックなのか、という疑問はあったが……まあ、確かにアップテンポな曲とは裏腹に歌詞には結構殺意が満ちているのでそうなのかもしれない。
    まだ一巻なので、大きな動きがないのが残念だが、二人の関係が進展する姿がすれ違いとタイミングの悪さがかけ合わさって楽しみながら読んだ。

  • 著者初読。KU。

    水城水城『雨森潤奈は湿度が高い』は、ただの学園ラブコメに収まらない、深い余韻を残す物語である。雨に濡れた校舎を舞台に、感情を隠さず吐露する潤奈と、飄々としながらも確かな芯を持つ詩暮の対話は、どこか詩的な響きを帯び、読者を強く惹きつける。湿度の高さという表現は、彼女の重さではなく、むしろ豊潤な感情の厚みを示しており、そのしっとりとした存在感が物語全体を包み込んでいる。

    さらに印象的なのは、心理描写の緻密さだ。潤奈が創作への渇望と恋情の間で揺れ動く場面には、青春特有の痛みと切実さが凝縮され、誰もが心の奥に抱える「諦めきれないもの」への共感を呼び起こす。背景として描かれる音楽や雨の情景は、その葛藤に一層の深みを与え、物語を単なる恋愛譚から人生の断片を切り取った文学へと昇華させている。

    本作は、潤奈という湿度を帯びたヒロインの存在を通じて、人間関係の濃密さ、そして生きることの重みを描き出した佳作である。ページを閉じた後もなお、胸の奥にしっとりと残る感触が、この作品の真価を物語っている。

  • 雨の日だけに会う事ができる可愛くて鬱ロックが好きな女の子とのボーイミーツガールの物語。鬱ロックという音楽ジャンルに詳しくないので、二人の会話の中で挙げられていた曲がどれ一つ分からなかったのが、残念。聞いてみたら、ハマるのかな。潤奈がYOHILAというバンドのボーカルJUNである事が明らかになってからの展開が面白かった。昏くて、重すぎる潤奈の音楽が他のバンドメンバー達との関係を壊してしまったというのが、音楽の持つ怖さだよな。詩暮を好きになった事によって、作る音楽も学校での生活も変わっていくラストが良かった。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

■水城水城・・・・・・ ライトノベル作家として『サイコメ』『カフェ・ド・ブラッド』『魔王城のシェフ』『死神少女と最期の初恋』など。 『瘴気のガスマスカレイド』のマンガ原作を担当。

「2019年 『魔王さまはかきんちゅう! ②』 で使われていた紹介文から引用しています。」

水城水城の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×