躁うつでもなんとか生きてます。 ~俳句と私が転がりながら歩むまで~

  • KADOKAWA (2025年2月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784046846273

作品紹介・あらすじ

ウォーカープラスで約400万以上のPVと大きな反響のあったコミックがついに書籍化。
「中学校2年生から高校1年生までのはっきりした記憶がない」と語る実際のエピソードを原案にして、漫画家にフルカラーで描いてもらった。
躁うつ病で狂いそうになりながらも、何とか生き延びてきた壮絶な日々は読むだけで心苦しくなる。
家族の不幸に無意識に追い詰められていた日々と、それにより発覚した躁うつ病との日々を綴ってもらい、その心情にぴったりな俳句とともにコミカライズ。
かなりエグいエピソードもあるが、しかし、彼女を救ってきたのは、俳句や俳句を通じて知り合った友人たちだったという。
苦悩を乗り切って何とか今も生きているということを、同じく双極性障害(躁うつ病)に悩む人にも届け、生きる力を与えたい。

感想・レビュー・書評

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  • 絵と俳句が合っている。
    bipolarの難しい話が難しく感じない。
    私はまだまだbipolarについて知らなかったなぁ。
    知らない俳句と出逢えたのもよかった

  • 本書はライターであり連句人でもある高松霞さんが自らの双極性障害の闘病生活をつづったコミックエッセイです。高松さんは長年ワークショップやwebサイトで連句という文芸について世に発信されており、また「短歌・俳句・連句の会でセクハラをしないために」という活動など、多方面で積極的な活動をされている方です。私はかねてより彼女の活動のことを存じておりましたが、その裏にはここまでの苦渋があったものかと感じながら本書を読み終えました。
    本書の特徴としては構成の妙が挙げられます。全体を通して、第1話から第6話まででハードな話が続き、第7話、第8話でほっと一息つき、第9話から第11話で今後に向けての話がされるといった分類をすることができます。しっかりとした構成であることが分かります。
    局所的に見えると、時系列をばらばらにして並べるという手法が多く使われています。たとえば、第1話、第2話で診断までの経緯と家族との辛い過去のあらましが語られますが、恋人との外国旅行の話が挟まれる構成になっています。このような構成は高松さん自身の複雑な心境の投影と読めますが、苦しい展開の中にほっとする一息という捉え方もでき、本書を苦しいだけでなくユーモアや優しさを感じさせる作品に押し上げているといえるでしょう。
    本書を語る上では、桜田洋さんの絵が難しい内容と読者の橋渡しをしている点について触れないわけにはいかないでしょう。ほのぼのとした絵柄でありながらシリアスな描写も真正面から描いており、並々ならぬ覚悟を感じました。これは憶測も入るのですが、桜田さんにとっても本作を描く作業は精神的にきつい部分も多々あったのではないでしょうか。高松さんの人生を作品として昇華した桜田さんに、敬意を表します。
    個人的に好きなコマを挙げると、高松さんがミニブーケを買うコマがひときわ暗い第5話の中で清涼剤のようになっており、すごく好きです。このコマは腰帯にも抜粋されていますが、作品全体を象徴するコマとしてよくぞ選んだものだと思っています。また、第8話の勇者の衣装を着た高松さんも、つい笑ってしまう好きなコマですね。
    苦しみをユーモアや優しさに変えて歩む高松さんの姿勢は、高松さんとは別のタイプの方々をも勇気づけるものと思います。本書は一人の女性の生き方を描いた普遍的な感動を与える作品として、双極性障害や俳句に関心のある方にとどまらず、多くの人に手に取って欲しいです。また、他言語に翻訳をしてもよいと思います。
    高松さんと歩めること、高松さんと共に歩む方々と歩めることに大きな喜びを感じます。これからも素晴らしい作品を紡いでください。

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