拳の文化史 (角川叢書 3)

  • 角川書店 (1998年12月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784047021037

作品紹介・あらすじ

数拳・虫拳・虎拳・狐拳など、かつて日本にあったさまざまな拳遊び。“拳”という遊びがお座敷芸から拳道となるまでをたどり、江戸庶民のメンタリティを浮き彫りにした、「遊び」をめぐる日本文化論。

感想・レビュー・書評

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  • なにを指して「拳」なのかと思えば、現代では「じゃんけん」に類するものを指していた。

    じゃんけんに歴史あり。種類もあり。大別して二つ。
    数拳(かずけん)と呼ばれる、対戦者の指の合計を互いに言い当て合うもの。
    三竦み拳。じゃんけんに相当するもの。虫拳と呼ばれるものは室町時代にはすでに存在したそうな。
    いずれも源流は中国にありとのこと。

    三竦みで虫といえば、日本では蝦蟇、蛇、蛞蝓が思い浮かべられるだろうが、古代中国では蛞蝓ではなく百足だという。であれば、男体山の大蛇と赤城山の百足が戦ったことに由来するという戦場ヶ原のいわれにもなんとなく腑に落ちるところがある。なんで百足?と思いもしたが、由来があったということだ。

    お座敷芸としての拳が本題で、じゃんけんについては深く語られず、数多ある三竦み拳のバリエーションの一つくらいにしか扱われていない。
    考証の証拠として浮世絵や歌舞伎の題目が挙げられており、全く素養がなければ評価の術もないが、民俗学の実践例としては非常に興味深いものであった。

  • 754夜

  • [ 内容 ]
    ジャンケンを知らない日本人はいない。
    しかし、ジャンケン以外にいろいろな拳遊びがあったことは知られていない。
    江戸時代には、数拳・虫拳・虎拳・狐拳・藤八拳などのさまざまな拳遊びが大流行した。
    本格的に勉強するために「拳道」まで成立した。
    拳をめぐる唄・芝居・錦絵・文学などを通して、拳遊びの中にひそむ風刺性、反ヒエラルキー的性格を指摘し、江戸庶民のメンタリティをさぐる。

    [ 目次 ]
    1 江戸時代の中国崇拝とその風刺化―本拳
    2 限りないバリエーション―三竦拳
    3 「酒、女、うた」―総合的な遊びとしての拳
    4 拳道への道
    5 拳の絵とその変化
    6 あとがきにかえて―ジャンケンの勝利

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