地名の歴史学 (角川叢書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047021112

作品紹介・あらすじ

地名によって人間の暮らしを考え、復原することができる。著者はそう考え、地名を歴史研究の大切な史料と位置付けその研究を進めている。急激に変貌を続ける日本。失われつつある地名を全国の農村、山村、漁村とあらゆる地域に訪ね、現地に足を運び、古老からの聞取りを丹念に行い、一方で文献史料につきあわせ、地域の歴史と景観の復原を試みる。本書は、その実践的研究の足跡をまとめ、今後の地名研究の学問的可能性を探る意欲作。

感想・レビュー・書評

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  • 地名から歴史を探り、人間の暮しの本質を知る。そして古日本語の発音にまで迫る。少し学問的過ぎ、細かい話が多く、しんどかったですが、終章の住所表示の問題を憤る文章は急に人間味を帯びて迫力がありました。宮本常一「忘れられた日本人」の中から花田植は庄屋の田で行なわれたという引用があり、古い地名(特に“字”)に秘められた情緒を大切にしていきたいと思いました。金沢市の主計(カズエ)町の復活の素晴らしさも痛感します。

  •  歴史学では地名研究に消極的であるかと、思う。なぜならば、地名の変化の局面に、いつ=年月日、なぜ=画期となる事実を、特定しがたいからである。

     しかし、資料や記録がないから、「歴史はないか」といえば、そんなことはない。歴史はあるが、記録は作られないってことだって、往々にしてあるからだ。
     地名はある。その地名を歴史の資料とは、できないのか。本書は、そうした発想にたって、地名研究に投じた著者の研究姿勢を表明している。

     「現地に足を運び、地元の人々から地名を聞く。聞き取った地名を地図に落とし、その土地にかかわる生活を記録、叙述する」。
     全国には、地名研究団体は実に多い。本書が提案する「地名研究の基本スタイル」は、今急がれている地名記録と地名研究を志す人に、是非、お目通しをーと考える。

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著者プロフィール

1949年、名古屋市に生まれる。東京大学大学院修士課程修了。博士(文学)。東京大学文学部助手、文化庁文化財保護部記念物課調査官、九州大学大学院教授などを歴任。現在、くまもと文学・歴史館館長。九州大学名誉教授。『景観にさぐる中世』で角川源義賞、『河原ノ者・非人・秀吉』で毎日出版文化賞を受賞。他の著書に『蒙古襲来』など。

「2017年 『蒙古襲来と神風 中世の対外戦争の真実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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