平清盛の闘い―幻の中世国家 (角川叢書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047021143

作品紹介・あらすじ

時代は、まさに貴族政権と武士政権に分裂しようとする前夜、十二世紀後半。この混迷する変革期に、政治家・平清盛は、従来の院政を否定し、天皇を擁立して遷都を行ない、新たな政治秩序の確立に向かって渾身の力を振りしぼる。貴族社会の真っ只中にあって、王権の本質に果敢に挑戦したその生涯は、彼の突然の死によって誹謗だけが喧伝される結果となった。中世前期政治史を研究する著者が、清盛を、変革期を迎えた貴族社会の一員として捉え直し、その行動と政権の特質を通して政治家清盛の実像を描き出す意欲作。

感想・レビュー・書評

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  • 神戸の散策の参考にしようと思って読んでみた。

    保元の乱、平治の乱から後白河院との対立、以仁王の挙兵、福原への遷都と還都など、歴史上の様々な事件について、当時の京をとりまく情勢、地方での種々の紛争、寺社勢力の圧力などの背景を交えてわかりやすく解説している。大河ドラマで描かれたことの裏にあるものを知るのにもいいかも。

    福原への遷都は、平城京から平安京への遷都の時のように天皇の系統を新たにする意味を含んでいた、という指摘になるほどと思った。

    清盛の遺骨は京都に残るのではなく福原へ還されたという。海の向こうにある無限の可能性に思いをはせたであろう清盛の姿が思われて、なんだか感慨深い。

  • 「平家物語」に代表されるように、驕る平氏の頂点として平清盛は極悪非道の大悪人として描かれるが、誤解を解くように人物像を明らかにしている。
    長年にわたる貴族社会の中で、摂関家につながる家系ではない武家出身ながら、院政の否定、武力を背景とした力による天皇擁立、福原遷都のように公家政権の改革へと立ち向かった清盛像を、史実と客観的な分析に基づいて丹念に描いている。
    「平家物語」があまりに有名なので事実が曲げられて後世に伝わっている例もあるが、実際は異なる一面が多い。実際の清盛は深慮遠望に富んだ魅力な政治家であり、彼がもう少し長生きしていれば中世の政体は鎌倉幕府のような地方武家政権とは異なる性質になっていたのかも。神戸市民代表として再評価されてほしい。

  • [ 内容 ]
    時代は、まさに貴族政権と武士政権に分裂しようとする前夜、十二世紀後半。
    この混迷する変革期に、政治家・平清盛は、従来の院政を否定し、天皇を擁立して遷都を行ない、新たな政治秩序の確立に向かって渾身の力を振りしぼる。
    貴族社会の真っ只中にあって、王権の本質に果敢に挑戦したその生涯は、彼の突然の死によって誹謗だけが喧伝される結果となった。
    中世前期政治史を研究する著者が、清盛を、変革期を迎えた貴族社会の一員として捉え直し、その行動と政権の特質を通して政治家清盛の実像を描き出す意欲作。

    [ 目次 ]
    第1章 王権下の清盛
    第2章 後白河院との対峙
    第3章 王権への挑戦
    第4章 新王朝の樹立
    第5章 遷都と還都
    第6章 最後の戦い猛き者清盛
    終章 平氏の滅亡

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著者プロフィール

1954年兵庫県生まれ。1983年京都大学大学院文学研究科博士課程指導認定退学。1995年京都大学博士(文学)。 現職京都大学大学院人間・環境学研究科教授。 ※2013年5月現在【主な編著書】『源義経』(吉川弘文館、2007年)。『河内源氏 頼朝を生んだ武士本流』(中央公論新社、2011年)。『平清盛と後白河院』(角川学芸出版、2012年)

「2017年 『源 頼義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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