希望の政治学: テロルか偽善か (角川叢書 38)

著者 :
  • 角川学芸出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047021389

作品紹介・あらすじ

現代のグローバル社会の歪みが噴出した9・11テロ事件-。テロルはもともと「恐怖」を意味するが、私たちの生活は文字通り、テロルの影の下にある。「だからこそ政治の出番ではないか」。元来、政治とは暴力と恐怖をもって民衆を支配するものであるとともに、暴力や死の恐怖が氾濫する危機的事態を回避する知恵でもあった。ホッブス、マキアヴェッリにまで遡り、民主主義や主権など、危機的現実の中でこそ要請された政治的概念の誕生と歴史的変遷を検証。丸山眞男の偽善論を核に、「政治的なもの」の現代的意義をソシュール/デリダの言語論やジジェクの資本主義論によって実践的に読み解き、再構築する。

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  • マックがある国同士では戦争は起こらないという都市伝説はマックがある国はどこでも既にテロリズムに巻き込まれているという現実がある。現在、恐怖をもたらす敵としての他者が非常に不明瞭で得たいがしれないことの理由は、我々が意識されざる日々の活動の中に刻印されている。

    クラウゼヴィッツ:戦争の目的
    政治は知性であり、戦争はその道具にすぎない。それが逆になることはない。

    丸山:政治の働きかけは、情緒であろうと欲望であろうと、人間性のいかなる領域をも必要に応じて動員する。

  • [ 内容 ]
    現代のグローバル社会の歪みが噴出した9・11テロ事件―。
    テロルはもともと「恐怖」を意味するが、私たちの生活は文字通り、テロルの影の下にある。
    「だからこそ政治の出番ではないか」。
    元来、政治とは暴力と恐怖をもって民衆を支配するものであるとともに、暴力や死の恐怖が氾濫する危機的事態を回避する知恵でもあった。
    ホッブス、マキアヴェッリにまで遡り、民主主義や主権など、危機的現実の中でこそ要請された政治的概念の誕生と歴史的変遷を検証。
    丸山眞男の偽善論を核に、「政治的なもの」の現代的意義をソシュール/デリダの言語論やジジェクの資本主義論によって実践的に読み解き、再構築する。

    [ 目次 ]
    テロルの構造―いま世界で起こっていること
    第1部 自発的服従から自己犠牲へ(敵対性の組織化―暴力・恐怖・秩序;兵士は「どこ」にいるのか―敵対性の現場の法的ステータス;自己犠牲のイメージ―絶対的現状容認と戦場への渇仰)
    第2部 政治の原風景(無内容の発見―政治学の原理論のために;偽善のすすめ―敵対性への応答;擬制としての公と私―「脱臼」した個別の生を縫合する政治的地平;脱理念化された民主主義のための政治理論―現代政治理論のフロンティア)

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著者プロフィール

布施哲(ふせ・さとし)
名古屋大学大学院人文学研究科准教授。
1964年生まれ。
慶應義塾大学法学部政治学科卒業、エセックス大学で博士号取得(政治哲学)。
主な著書に『希望の政治学――テロルか偽善か』(角川学芸出版)、『フーコー研究』(共著、岩波書店)、『現代思想と政治――資本主義・精神分析・哲学』(共著、平凡社)など。

「2021年 『世界の夜 非時間性をめぐる哲学的断章』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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