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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784047021488
作品紹介・あらすじ
「塞翁が馬」の「翁」は中国の故事にはない。ではどこから来たのか? 故事成語の誕生に大きな役割を果たした「類書」(中国の百科事典のような書物)を追い、文字の加除や意味の反転が起きる謎を解明する。
みんなの感想まとめ
故事成語の誕生とその変化について深く掘り下げた本で、特に「類書」が果たした役割に焦点を当てています。原典の意味と現代の解釈とのズレを取り上げ、具体的な例として「杞憂」や「沈魚落雁」が示されています。著...
感想・レビュー・書評
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原典での意味と、現在に通じている意味との間にズレのある故事成語を取り上げ、それらがどのような過程を経て変化したのかについて述べた本。その変化に大きく寄与していたのは類書だそうで、その関わり方が非常に分かりやすく説明されている。私はこの本で類書という存在を知ったし、有名な故事成語の原義や成語にまつわる寓話を知れたのも面白かった。
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最初本屋で見たとき、成語に関する本がまた出たかと思ったが、なんとなく気になって手にとって少し読んでいくうちに、これは一般の成語ものとは一線を画す面白い本だと思い、購入して、その日のうちに読了してしまった。締め切りが迫っていた雑誌『東方』(2010・11 357号)の連載のテーマを「覆水盆に返らずの「盆」はどこからきたか」に変えるまでになったほどである。本書は、故事成語の形や意味がいかにして変容したかを追究した本である。とりあげられている成語は「杞憂」「沈魚落雁」「出藍の誉れ」「朝三暮四」「塞翁が馬」の五つ。「杞憂」は「天地崩墜」からなぜ「地」が取れたのか、「沈魚落雁」はなぜ逆の美人の意味になったか、「出藍の誉れ」の「出」は原書では「取」なのにどこで変わったか。「塞翁が馬」の「翁」も原書にないのに、どこで入ったか等々を問題にする。そして、それが類書による分類と改編の結果だという結論に導く。湯浅さんは、一つ一つの成語の変容を通して、「学問の下流化」が起きていることを言いたかったのだと思う。類書の利用といえば、古代日本人の漢籍の引用は、古典を直接読んだのではなく、類書を使ったのだという小島憲之氏の指摘を思い出すが、中国における類書の利用が成語の変容につながるという指摘はとても興味深い。
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