愛の空間 (角川選書 307)

著者 :
  • KADOKAWA/角川学芸出版
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047033078

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  • 昔はどこで致したか、という興味深いテーマ。子供の数も多い長屋生活でプライベート空間はどこに。どうやら、野外の場合が当たり前にあったらしく、それが当然のように行われる時代は戦後まで続く。皇居前広場と言うと敗戦後は多くのカップルにとって野外で性行為をするための場所だった。そして、その場所を最初に利用し始めたのは米兵と商売婦。やがて日本人カップルに引き継がれる。女性の背中に落ち葉がついていると勘繰られるから、紳士的に払う。なんとも風流である。

    曖昧屋、木賃宿、円タク、円本など聞き慣れない言葉が多い。曖昧屋とは、表向きは料理屋・宿屋に見えながら実は売春婦を置いている、いかがわしい稼業の家という意味。何だか普通に人に対して使ってしまいそうな言葉だ。

    日本人の性愛空間を探る面白い本。誰にでもオススメできるものでもないが、そこから見えて来る世界も、あるかも知れない。

  • 愛を確かめ合う場所
    皇居前広場 ソバヤノニカイ

    寝@食&淫

    ディズニー宮殿 クリスタルホテル
    という変遷

  • 性愛空間についての研究書。
    待合等の施設、屋外から屋内への変遷、などなど色々知ることができた。
    最終的に印象に残ったのは、買売春の威力の凄さ。それは色々なものを動かす力を持っているんだと初めて知った。
    それにしても人間はセックスしたがり。

  • 室内外装飾の変容が玄人素人の差によるという判断。

著者プロフィール

建築史家、風俗史研究者。国際日本文化研究センター所長。1955年、京都市生まれ。京都大学工学部建築学科卒業、同大学院修士課程修了。『つくられた桂離宮神話』でサントリー学芸賞、『南蛮幻想』で芸術選奨文部大臣賞、『京都ぎらい』で新書大賞2016を受賞。著書に『霊柩車の誕生』『美人論』『日本人とキリスト教』『阪神タイガースの正体』『パンツが見える。』『日本の醜さについて』『大阪的』『プロレスまみれ』『ふんどしニッポン』など多数。

「2023年 『海の向こうでニッポンは』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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