女帝の世紀 皇位継承と政争 (角川選書 391)

  • 角川学芸出版 (2006年3月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784047033917

作品紹介・あらすじ

六世紀末の推古から八世紀の称徳まで、一五〇年間に八代六人が即位した「女帝の世紀」。白村江の戦いや壬申の乱など、動乱と政争の時代を統治した女帝の皇位継承システムと、王権の視点からの歴史像を描く。

〈目次〉
   はじめに

第一章 奈良時代史の枠組みへの疑問─女帝は中継ぎか
   一 藤原氏陰謀史観と皇位継承への収斂
   二 通説へのさまざまな疑問
    1 なぜ七・八世紀には女帝が多いのか
    2 なぜ「不改常典」は天智に仮託されるのか
    3 なぜ長屋王は失脚しなければならなったのか
    4 なぜ光明子の立后は必要だったのか
    5 なぜ藤原広嗣は太宰府で挙兵したのか
    6 なぜ銅鏡には即位の可能性があったのか

第二章 「臨朝称制」─女帝出現の前提
   一 大后は嫡妻か─推古女帝即位の背景
   二 大后は国政参与と女帝即位

第三章 「ミオヤ」と「ワガコ」─皇統譜上の女帝
   一 女帝と「不改常典」法
   二 女帝と皇統譜
   三 奈良時代の女帝

第四章 「政の要は軍事なり」─対外論争の敗北と軍国体制の整備
   一 白村江の敗北
   二 奈良時代の内政と外交

第五章 「長屋王、国家を傾けんと欲す」─内乱の勝利と功臣の処遇問題
   一 壬申の乱体制
   二 「長屋王家」の家産と家政機関

第六章 「藤原夫人を皇后と定め賜う」─転換期としての聖武朝
   一 聖武天皇と長屋王
   二 ポスト壬申の乱体制
   参考文献一覧
   図版出典一覧

   あとがき

感想・レビュー・書評

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  • 212頁「大宝令制では、臣下に与えられる位階は、一位から八位までと初位の九ランクがあり、そのうち一位から三位までは正・従の二区分、四位から八位ではさらに上・下の区分、初位には大・少に加えて上・下の区分があり、一位から三位までは六ランク、四位から八位までは二十ランク、初位は四ランクの区分があり、内位としては正一位から少初位下まで合計三十階が存在した。/加えて補助位階として下位があり、下正五位上から下少初位下までの二十階を定めていた。」

  • 古代史に限らず日本史は政治史というより政争史に傾きがちな議論が多く見られるような気がするが、対大陸・半島政策や、国内紛争にしてもより広く(地域的にも)より長いスパンで影響を考慮すべきで、女帝の輩出もそうした背景のもとで考えるべきとする主張は説得力があると思ったが、実際は、第1章から第3章までが当時の皇位継承の考え方について、後半の第4章から第6章が飛鳥から奈良時代にかけての主要政治史と分かれてしまって、孝謙・称徳以外は、その絡み合いがうまく論じられていないように思えた。内輪の政争史にとどめたくないと書きつつ、サブタイトルは「皇位継承と政争」なのも何なのだろう。
    前半の、飛鳥時代は若年男性皇族や後ろ盾の脆弱な男性皇族よりも有力で、特にキサキとして実績のある女性皇族のほうが優先されたという説明は納得できるし(少なくとも在位35年の推古はどう考えても「中継ぎ」ではなかろう)、「不改常典」の解釈も結構説得力があると思うが。

  •  仁藤敦史『女帝の世紀』

     奈良時代の通説批判的な本でした。
     内容についてはあまり突っ込めるほど知識はないのだけれど、とりあえず、第三章がさっぱり理解できませんでした(苦笑)
     とりあえず、この方は非中継ぎですよね? 私の読解力の問題なのか中継ぎとしか読み取れなくて………
     後、女帝の結婚は予期されていたって書いてあるけど、実際は結婚しなかった理由とかは書いてないなあ…確かにその規定はわかったんだけど、だから孝謙の即位は別に袋小路じゃなかったというのもわかったんだけど…でも、やっぱりそこで草壁系は潰えちゃってるし………
     長屋王とか白村江のあたりは面白かったんだけど(刀の話はぶっ飛んだ感じが否めなかったけど…)、女帝のところだけ物凄く腑に落ちませんでした^^;
     なんというか…「僕はチャーハンを作ります!」って言ってたのに出てきたのはピラフだったような、そんな感じ…です、はい………

     ところで、まったく理解できなかったのが「スメミオヤ」なんだけど、これは結局なんだったんだろう…?

  • [ 内容 ]
    6世紀末の大王推古から8世紀の称徳天皇まで、150年間に8代6人が即位した「女帝の世紀」。
    この時代に多発した政争の遠因は、白村江の戦い・壬申の乱という古代史上最大の外征と内乱にあった。
    宣命で「ミオヤ」「ワガコ」と呼びかけ、擬制を含む父母子関係を結び、男女の性差よりも年齢・資質を重視した古代の皇位継承のシステムを提起。
    藤原氏ではなく、王権を主体とした新たな奈良時代史像を描く。

    [ 目次 ]
    第1章 奈良時代史の枠組みへの疑問―女帝は中継ぎか
    第2章 「臨朝称制」―女帝出現の前提
    第3章 「ミオヤ」と「ワガコ」―皇統譜上の女帝
    第4章 「政の要は軍事なり」―対外戦争の敗北と軍国体制の整備
    第5章 「長屋王、国家を傾けんと欲す」―内乱の勝利と功臣の処遇問題
    第6章 「藤原夫人を皇后と定め賜う」―転換期としての聖武朝

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  • 〈所在:図書館(067200611230)〉

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著者プロフィール

1960年生まれ。1989年、早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程史学(日本史)専攻満期退学。国立歴史民俗博物館研究部教授・総合研究大学院大学文化科学研究科教授(併任)、博士(文学、早稲田大学)。 ※2022年8月現在
【主要著書】『古代王権と都城』(吉川弘文館、1998年)『古代王権と官僚制』(臨川書店、2000年)『女帝の世紀』(角川学芸出版、2006年)『古代王権と支配構造』(吉川弘文館、2012年)『藤原仲麻呂』(中央公論新社、2021年)


「2022年 『東アジアからみた「大化改新」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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