「待つ」ということ (角川選書 396)
- KADOKAWA/角川学芸出版 (2006年8月31日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047033962
感想・レビュー・書評
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僕が通っている大学総長の一書。
待つことの重要性を教えてくれる。待ってなくなった現代のせせこまっちさ、みみっちさを感じさせてくれる。
ここでいう<待つ>は、ゆとりとは違います。時間の云々ではないです。
自分を開くとう意味に近いと思います。
一度お会いしたいと思っています。
今度、伺ってみようっと。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2006年に出てるとしって、知らなかった6年間、損したと思った。
暮らしと仕事に追われ、本にタイするアンテナ低かったな~と、馬鹿みたいな自己反省ばかりしている。
「待つ」ことができなくなってる自分を感じ、この震災の後、もう一度自分の暮らし方と向き合いたい。
みみっちいほどのせっかち..このことばが胸にしみます。 -
100617by朝日からwith著者 110316 p124~再読必
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『小説 太宰治』 檀一雄 48,
河瀬直美監督作品 『沙羅双樹』 63,
『「心の専門家」はいらない』 小沢牧子 67,
『はじめての精神科』 春日武彦 95,
『認知症とは何か』 小澤勲 100,
『痴呆を生きるということ』 小澤勲 106,
「かれらを『痴呆性老人』と呼ぶ前に」 出口泰靖 『現代思想』2002年6月号、
『老いの空白』 E.M.フォースター (弘文堂) 112,
『精神と情熱に関する八十一章』 小林秀雄訳 124, -
たしかに、ぼくたちは「待たない」「待てない」存在になってきたのかもしれない。「待つこと」「待てること」は、フィールドワークには欠かせない…。定点観測の基本だ。
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途中話が認知症治療とか老いの方へ向かったが、引用している小説や色々な人達の言葉と共に印象的だった一冊。
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まえがき
1 焦れ
2 予期
3 徴候
4 自壊
5 冷却
6 是正
7 省略
8 待機
9 遮断
10 膠着
11 退却
12 放棄
13 希い
14 閉鎖
15 酸欠
16 倦怠
17 空転
18 粥状
19 開け
あとがき
(目次より) -
ちょうおもしろい
章分けの2文字の連続が個人的にとても好み
待つことは待たれる者への・・はー
2回りくらいして脳に落とし込まないととても他者へきちんと話せる内容ではないです -
待つことという肯定 希望
期待することを放棄した先にある「待つ」ということ。
待つことという自由。 -
信号が黄色ならば、アクセルを踏み込んでギリで渡ってしまったり、携帯の返事がすぐ来ないことに腹を立てたり…などなど。現代は「待つ」ということが非常に困難な時代だ。その「待つ」ことについて考察した一冊。哲学者の本だけに細かいことに思考を重ねているので、正直、イライラさせられるのも事実。けど、この本を読みながらイライラしている自分がもう「待て」ていないというパラドクス。本を読んでいる自分ですら、現代の速度に飲み込まれていることに気付く。
もうひとつ瞠目したのは、期待をしない待つ、という考え方。どうにもうまく行かない時、ただ待つ。そこに期待を求めない。春が来ると桜が咲くように、気が付くと変わっていた…急がない。かと言ってじたばたしない。今はすっと流す。偶然が、時間が、物事を気付かぬうちに変える。
そう、スロウに気長に期待もせずに(ある程度のことは)待ってみる。そんな思考もいいんじゃないでしょうか? 長い休みでもあれば、噛みしめるように読んでみて、セカセカした生活を俯瞰しながらゆっくり考えるのもいいのでは? -
「待つことが空回りをはじめるのは、この<待つ>に終わりが保証されていないとき、時が満ちるという予感もなしに、<待つ>という位置に縛りつけられるときだ。」
無期限の「待つ」はとても耐えられるものじゃない。だから、待つことを放棄しなければ待つことはできない。でも心がある限り、放棄することは簡単じゃない。
破片を捨て、時間を詰め込んで、細心の注意で残り香を消し、望ましい未来への期待を押し殺すことで待つための準備が整う。しかし、その時には自分が待っているもの自体はもう霧散している。