- Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047034389
感想・レビュー・書評
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川村裕子さんの古典の本は読みやすいです。
恋の手紙を通して平安時代の恋愛事情が生き生きと浮かんできます。
今だとプライバシーの侵害になることも平気で行うので、出した文も読まれる危険性が常にあったらしい。
当時は複数の妻を娶る人が多かったから、別の妻からの手紙がうっかり目に触れるなんて泥沼も。
文使いの存在がとても興味深かった。特に文使い的役割を果たした惟光の話は面白かった。よく惟光が光る君にどれほど貢献したかが語られるけれど、惟光がいかに重要な役割だったか、この本で実感した。
結婚制度や、複雑な人間関係、狭い貴族社会などがあって、平安時代の貴族たちは細やかな気遣いができること、機転がきくことを求めたのでしょう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
[ 内容 ]
王朝に生きた人々は、私たちとは比べものにならないくらい多くの手紙を綴っていた。
紙や文字に細心の配慮をし、内容にふさわしい植物の枝に付けて文を送るような工夫も凝らす。
心待ちにしている返事がなかなか届かなければ不安にかられ、素早く返信をもらえば幸福感に包まれる。
一方、途中で盗み読まれたり、間違った相手に届くといった危険も多く、それを防ぐ手立ても必要とされた。
王朝人にとっての手紙の意味を『蜻蛉日記』『源氏物語』など古典の名作から探る。
[ 目次 ]
第1章 王朝の危険な手紙たち
第2章 手紙を運ぶ人たち
第3章 王朝手紙の作法入門
第4章 手紙の作成機器
第5章 王朝の恋文技術
第6章 王朝の遠距離手紙
第7章 手紙の華麗な装飾
第8章 手紙の時間と命
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