日本霊異記の世界 説話の森を歩く (角川選書)

著者 :
  • KADOKAWA/角川学芸出版
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本棚登録 : 34
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047034570

作品紹介・あらすじ

『日本霊異記』は仏教説話集であるが、大きなエネルギーに満ち、律令制によって社会が変動する時代を人がどのように生きたのか、なまなましい姿を活写してまるで現代社会を映すようにリアリティをもって語りかけてくる。神話的な話もあるが、霊異記以前にはみられない話も多く、昔話につながる源流ともなっている。「トリック・スター」「小さ子」「強力の女」「神婚説話」など多彩な霊異記説話を、現代語訳を駆使して自在に読み解く。

感想・レビュー・書評

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  • 学校の古典の授業では扱いづらいような奇妙な話がいろいろありそう…と以前から気になっていた日本霊異記。
    いきなり原典に当たる前にまず概要を知ろうと思い入門書のつもりで本書を読み始めた。
    古代文学・伝承文学を専門とする著者らしく話の類型ごとに章立てし、古事記や民間の昔話と比較しつつ、当時移入されて間もない仏教思想の影響を探りながら論じてゆく。
    取り上げられる霊異記の話は期待通りどれも面白く不思議なものばかりで(中にはかなりエグいものもある)、著者自身によるわかりやすい現代語訳によって原典の魅力はよく伝わってきた。
    ただ、少々話の類型や分類論にこだわってしまっているところがあり、霊異記の内容そのもののダイジェスト的な入門編を期待した自分の趣旨とは若干違ったようであるが、あらかじめ各説話の類型や起源・バリエーションも含め一つ一つ掘り下げて味わいたい向きには、当時を生きた人々の考え方や時代背景も垣間見ることができ、よい解説書となるだろう。

  • 日本霊異記がずっと気になっていた。しをんさんの父上・三浦先生が本書を上梓されていたのを知り購入。仏教思想を基盤とした霊異記説話は、神話とは一線を画した感じで、それを判りやすく解説されている。日本昔話でもおなじみの一寸法師や浦島太郎の元となる説話はホノボノ系ではなく「あざとさ」を感じるような話だったことに興味をそそられた。何らかの証拠の品が遺されているという事実性が、実は事実に基づくものではなく、本当にあったことのように思わせる語りのテクニックであるということに驚かされた。

  • 仏教説話集というと固苦しいイメージを持っていましたが、学校では使えないような、とんでもなく面白い話が詰まっているんですね。著者の現代語訳が魅力を伝えてくれます。
    ただ後半へいくほど解説部分が長くなり、それはそれで面白いのですが、もう少し多くの話を紹介してほしかったと思いますね。あと他人の著書に否定的な文章が多いのも気になりました。

  • スラスラッと読めた。普通に面白かったです。

  • 読了:2010/08/04 図書館

  • [ 内容 ]
    『日本霊異記』は仏教説話集であるが、大きなエネルギーに満ち、律令制によって社会が変動する時代を人がどのように生きたのか、なまなましい姿を活写してまるで現代社会を映すようにリアリティをもって語りかけてくる。
    神話的な話もあるが、霊異記以前にはみられない話も多く、昔話につながる源流ともなっている。
    「トリック・スター」「小さ子」「強力の女」「神婚説話」など多彩な霊異記説話を、現代語訳を駆使して自在に読み解く。

    [ 目次 ]
    第1講 小さ子とトリック・スター
    第2講 一寸法師の源流
    第3講 力持ちの女
    第4講 神婚神話のゆくえ
    第5講 恩返しの発生
    第6講 盗みという罪悪
    第7講 悩ましき邪淫
    第8講 行基の奇行
    第9講 語られる女たち
    第10講 あの世からもどった人、地獄を語る人びと

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