老い衰えゆくことの発見 (角川選書)

著者 :
  • KADOKAWA/角川学芸出版
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本棚登録 : 23
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047034952

作品紹介・あらすじ

"私が私ではなくなってゆく日々"を生きる老人。そして"老い"がもたらす圧倒的現実に翻弄される介護者。互いに相手を思いやりながら、なぜケアの場は歪み、両者の関係は抜き差しならぬものになってしまうのか。複雑な感情に彩られた高齢者ケアの"親密な空間"を、老い衰えゆくことに固有の社会性として発見。柔らかく老いを支える社会制度を、介護の現場から展望する。

感想・レビュー・書評

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  • 老いとケアをめぐって、ほぼどの頁にも鋭い切り込みが見られる。そこはきわめて政治的な場だったのだ。ミクロとマクロをつなぐ記述が見事。しかし、見事などと手放しで言ってられないほど、自分事であるのが老いとケアである。

    また、本書の真価を理解するためには、社会学が切り開いてきた地平を知っておくことが必要であろう。それはジェンダーであり、家族であり、国家であり、組織であり、施設化である。

    この本には答えはないかもしれないが、答えを出さねばならない切実な問いと、答えを出すための材料はふんだんにある。ヒントは自尊心を手なづけることに、あるのではないか。

    ・「できる私」の物差しこそが<老い衰えゆくこと>を過酷にする
    ・「『忘れたこと』を忘れた状態」であることは強く感受する
    ・忘却と記憶という情報処理装置で自己を保っている
    ・周りに先取りして、自分をバカにし、命がけで自らの存在を守る
    ・他者へのまなざしの敏感さ、他者からのまなざしの敏感さ
    ・そこで語る/語られる言葉が、介護者の現実の参照点となっていた
    ・罪の意識、嘘の意識、自己の燃え尽きという特徴的な態度
    ・相手の気持ちを考えてしまうが故の閉塞状況

  • できていたことができなくなる体、そしてこころも含めてどっちつかずの存在だと語る。老いは個人の事象でありながらも、高齢社会の多数派となった時、その存在の意味は社会的なものになる、いわば社会学として取り上げた時には・・こうなるというのは分かったし、規範化された社会的な老いからの俯瞰する姿を予測させてくれたのは意義あるが・・。
    老い衰えていくことを社会の軸として見ていくことの方向と回答はどうなのだろうか。

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著者プロフィール

中央大学文学部社会学専攻教授

「2016年 『談 no.107』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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