戦いの日本史 武士の時代を読み直す (角川選書)

著者 :
  • KADOKAWA/角川学芸出版
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本棚登録 : 60
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047035157

作品紹介・あらすじ

武士の時代、その闘争、そして武家政権とは何だったのか?平清盛と源頼朝の対立から、鎌倉、南北朝、室町、戦国の世を経て、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の進めた天下統一事業まで。鎌倉幕府・北条家による撫民の思想と謡曲「鉢木」の真実、山名宗全の復讐劇に始まった応仁の大乱、戦国における「天下」の意味と信長の思想…史実の刮目すべき新解釈を鮮やかに示す。

感想・レビュー・書評

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  • 後鳥羽上皇の承久の乱は日本史で大きなエポックだった気がしてきた。
    武士の時代が確定したのはココだな

  • 歴史も科学と同じで、現象論だけを見ていると真実を見誤る。同じ武士の時代でも源平それぞれのインセンティブは表裏一体。「上洛」の理解の仕方ひとつで戦国武将の考え方は違って見えてくる。信長、秀吉、家康の違いを表現するのによく使われる「ホトトギス」。実はホトトギスって天皇のことだったのか?

  • 戦いを理解するには、次の3つを明らかにすることが必要だと述べています。
     ①相争うAとB,どちらが攻めでどちらが守りか。
     ②攻める側、つまり戦いを起こした側の目的は何か。
     ③戦いの目的が達成されたか否かを検証し勝敗を確定

    国際体制にも同じことが言える気がします。ウィーン体制の目的は何でしょう。ヨーロッパ中を巻き込む戦争の回避だったら、クリミア戦争まではそのような戦争は起こっていませんから、ウィーン体制の崩壊は1848年というのはいかがか、と思います。

  • 日本史は暗記ものではないよ!
    ということを伝えるべく書かれた本と言いますか。

    二つの対比によって、それぞれを浮かび上がらせる、という手法で書かれた本です。

    史料を文字通りにしかとらえないのでは、何も理解できないというのは、よか分かる気がします。
    踏み込んで考えないと、ただの年表なので。

    通説といわれるものと、違う解釈が多々出てくるので、
    とてもおもしろいのではないかと思います。

  • ≪目次≫
    はじめに
    第1章  平清盛と源頼朝―治承・寿永の内乱―
    第2章  後鳥羽上皇と北条義時―承久の乱―
    第3章  安達泰盛と平頼綱―霜月騒動―
    第4章  足利尊氏と後醍醐天皇―南北朝内乱―
    第5章  細川勝元と山名宗全―応仁の乱―
    第6章  今川義元と北条氏康―駿東地域の争奪戦―
    第7章  三好長慶と織田信長―戦国の畿内争奪の諸相―
    第8章  豊臣秀吉と徳川家康―小牧・長久手の戦い―
    おわりとあとがきを併せて

    ≪内容≫
    日本史中世の専門家が、武士の時代を2人ずつ対立関係で時代を見ていこうという大胆な試論。本郷さんの著書はとてもわかりやすいので、廉価な本が出ると手に入れています。しかし、内容はなかなかハードで、大胆な提案もちらほら。今回も史料を縦横無尽に使いながら、現在の歴史学の主流に棹さす提案が見られます。ただ、まったく新しいものは少なく、どこかで読んだようなものも…(たとえば、信長は天皇を利用する意図はなかったが、秀吉は必要だった、など)。
    霜月騒動や北条義時論などは、私の知らなかった(ただの勉強不足ですが)論点だったので、面白く読めました。

  • 鎌倉幕府の中頃から現れる「統治派」と「権益派」の出現と対立、は面白かった。統治派は為政者としての自覚を持ち始めた武士で、権益派はあくまで鎌倉幕府を武士の権益確保の機関とみなすもの。しかもこの統治派の考え方は、京都の朝廷でも同時に生まれていて、底流に浄土宗があるという。
    これはひじょうに分かりやすい上に、納得がいく。
    そしてこの考え方は、どの時代にも、どの社会にも共通するものである。
    卑近な所で言うと、会社とは何なのか、ということだとも言える。だから、たんに日本中世史というにとどまらず、システムと人のあり方というのの、ケーススタディであると言えるし、原題から見た中世の意味でもあるといえる。中世の白眉だと思った。

  •  資料を読み込んで再配置する歴史研究からもう一歩踏み込んで、「考える」歴史を試みる。
     鎌倉から応仁の乱あたりを主題にした章が最も興味深く読めた。戦国時代については細かいところで「それは踏み込んで言い過ぎでは?」と感じたところもあったけど。

  • 内容的には既出の研究だが、「対比列伝」形式になっている。「平清盛と源頼朝」「細川勝元と山名宗全」「豊臣秀吉と徳川家康」辺りはベタですなあ。
     でも、本郷先生の真骨頂はやはり東と西の中世日本の違い。なので、「北条重時と九条道家」「北条氏康と今川義元」「織田信長と三好長慶」あたりは、全体的な中世像との関連で生き生きとしている感じ。
     中世の始まりと終わりを清盛から家康までと設定しているのが何とも面白い。半日程度で読むにはもってこいの分量なのもよい。

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プロフィール

1960年生まれ 1988年、東京大学史料編纂所教授 ※2015年11月現在〈主要編著書〉『中世朝廷訴訟の研究』 『新・中世王権論』 『人物を読む 日本中世史』 『天皇はなぜ万世一系なのか』

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