遣唐使 阿倍仲麻呂の夢 (角川選書)

著者 :
  • KADOKAWA/角川学芸出版
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本棚登録 : 32
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047035300

作品紹介・あらすじ

帝国・唐の重臣閣僚となった阿倍仲麻呂。その非凡な才は新生国家としての日本を体現する知そのものだった──。仲麻呂の生涯を貫く夢と、ただ一首だけ残された歌「天の原」の謎を、日唐交流史を背景に鮮やかに描く!

感想・レビュー・書評

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  • 上野氏の著作を初めて読んだが、とても読みやすい。阿倍仲麻呂についてわかることとわからないこととを分けながら、しかし当時の状況がイメージしやすく、どんな人生だったか夢見られるようになっている。何度も読みたくなる本。

  • さいきん、近代以前の日本と外国との関係に対する興味がふくらみ、関連する本を読んでいます。
    この本は、西暦700年頃に生まれた阿倍仲麻呂の生涯を、万葉集の研究者が検証した一冊。
    中級貴族の家に生まれ、その学識により遣唐使に選ばれた仲麻呂。
    717年頃、唐に渡った仲麻呂は、その目的である学問をさらに重ね、科挙に及第したと言われています。
    唐の宮廷社会の中で人脈を作り、出世していく仲麻呂。
    皇帝の信頼も得た彼が、長い在唐期間を経て選択したのが「日本に帰る」ということ。
    しかしその彼に待ち受けていた運命は・・・。
    当時の「先進国」である唐に入り、李白、杜甫、王維といった一流の知識人たちと交流し仲間となった日本人がいたことに、今更ながら驚きました。
    科挙については以前、浅田次郎の小説でその過酷な受験の様子が描かれていたので、日本に生まれ育った人がどのような勉強をしたのかと、当時の様子を想像してしまいました。
    そして当時の日本という新しい国がいかに、唐という大国に学び国としての形を作ろうとしていたのかも、リアルさを持ってイメージすることができました。
    本書のクライマックスは、友人となった王維が、日本に帰る仲麻呂にあてた詩の解釈の部分になっています。
    その背景としてに、中国で政治を司る人々に何が求められていたのかが説明されているので、これまで理解できなかった、「歌を読む」という行為の意味がようやく、理解出来たように思います。
    小説と比べると読みやすさという点では割引が必要ですが、今の自分にとてもフィットした、知的好奇心に応えてくれた一冊でした。

  • 遣唐使を経て、科挙に及第、皇帝から寵愛を受けるまでの高級官僚になった阿倍仲麻呂。遠い昔にこんな日本人がいたことにまず驚くが、そんな遠い昔を史実を調査し続ける研究者(著者含む)たちの情熱に感嘆する。

  • 最近読んだ本のどこかで、
    阿倍仲麻呂と李白等の交流について
    ちらりと触れられていたので、
    改めてその生涯を知りたくなって読んでみた。

    阿倍仲麻呂と言えば、
    遣唐使として唐に渡り、帰国が叶わなかった人、
    ぐらいにしか覚えていなかったので、
    唐での活躍ぶりを知り、驚いた。

    そういえば、唐で重用されたと
    日本史の教科書にも書いてあった気がするが、
    これほどまでとは思っていなかった。

    そして、東の最果てから来た留学生が、
    皇帝の近くにまで出世することができるとは、
    唐帝国の国際性にも驚いた。

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著者プロフィール

一九六〇年 福岡県に生まれる
一九八四年 國學院大學文学部文学科卒業
一九九〇年 國學院大學大学院文学研究科博士課程後期単位取得満期退学
現在    奈良大学教授
主な著書  『古代日本の文芸空間―万葉挽歌と葬送儀礼』(雄山閣出版)
『芸能伝承の民俗誌的研究―カタとココロを伝えるくふう―』(世界思想社)
『魂の古代学―問いつづける折口信夫』(新潮社)
『日本人にとって聖なるものとは何か―神と自然の古代学―』(中央公論新社)

「2017年 『論集上代文学 第三十八冊』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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