異端の皇女と女房歌人 式子内親王たちの新古今集 (角川選書 536)
- KADOKAWA/角川学芸出版 (2014年2月22日発売)
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- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047035362
感想・レビュー・書評
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後鳥羽朝廷は藤原道長・一条天皇の時代と並ぶ、朝廷歌壇の最盛期。式子内親王は「玉の緒よ・・・忍ぶることの弱りもぞする」の歌、そして定家が憧れた13歳歳上の薄幸の美形女性のイメージだったが。皇女として珍しいほどに歌会などに参加したり、和歌を詠み送っていた異端的な存在だったとのこと。実際の恋に基づくものではなく、当時の歌は歌題に基づく題詠だった!このあまりにも有名な歌は男歌で本来男性の立場に立って式子内親王が詠んだとの説が有力だそうだ。がっかり!恋の進行に沿った時系列構成で勅撰集や百首歌が配置されているらしい。それが15段階で「初恋、忍恋、聞恋、見恋、尋恋、祈恋、契恋、待恋、遇恋、別恋、顕恋、稀恋、絶恋、怨恋、旧恋」で終焉に至るそうである。
そして後半は女房歌人の代表2人を紹介。それぞれ樋口一葉、与謝野晶子に例えられるという宮内卿と俊成卿女(実際には俊成の孫)
花さそふ比良の山風吹きにけり漕ぎゆく舟の跡見ゆるまで(宮内卿)
露払ふねざめは秋の昔にて見はてぬ夢に残る面影(俊成卿女)
後鳥羽と彼女たちの時代が鎌倉時代の承久の変を思うと、新古今時代の優雅さが、庶民の苦しみと政治を無視した貴族たちの遊びであったと改めて感じる次第。詳細をみるコメント0件をすべて表示