九相図をよむ 朽ちてゆく死体の美術史 (角川選書)

著者 :
  • KADOKAWA/角川学芸出版
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本棚登録 : 42
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047035560

作品紹介・あらすじ

腐敗し白骨化してゆく亡骸の様子を克明に描く「九相図」。仏教とともに伝来し、日本に深く根を下ろしたこの図像には、生と死、そして肉体の無常をめぐるいかなる想いが秘められているのか。豊富な図版とともに探る。

感想・レビュー・書評

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  • 人間の死体が腐敗し、白骨化してゆく様子を九段階で描き出す「九相図」と呼ばれる絵画。西域より中国を経て仏教とともに伝来し、日本に深く根を下ろしたこの一連の図像は 時代の流れに沿ってそのもつ意味合いを変化させながら脈々と現代まで続いてきました。
    人びとはこの図に一体どのような思いを込めていたのでしょうか?たくさんの図版を使い、わかりやすく解説します。

  • 人が死んで朽ちてゆく姿を描いている。現代の日本では亡くなると焼却するのでこのような絵を見るしか朽ちてゆく姿を見ることは出来ない。しかし、昔の日本や紛争地では普通に見られた光景であったのだろう。

  • 九相図に関してまとめた一冊。手に届く範疇で唯一か。年表や図像も見やすく(とはいえ図録の方が見やすいのは言うまでもないが)、資料も原文・現代語訳等を掲載紙非常に読みやすい。これを足がかりにして更に奥へと進むことが出来そう。
    図書館で借りたものを読んでいるが、これは是非蔵書にも欲しいと思った。

  •  面白かった。

     朽ちてゆく死体? 入口は素人には少々グロテスクだなあと思ったものの、結局、謎解き気分でワクワクしながら読んだ。

     九相図とは、死体が腐敗し白骨となるまでの九つの相を描いた絵。
     仏教における観想修行に用いる画像として発生。
     西域にも見られる。
     仏典を基にするが、そこから派生した九相詩、または和歌、九相観説話などが聖と俗の架け橋の役目を果たす。
     四季、無常観等日本人の心性によって、日本独自の発展。
     江戸期の絵解き、模本によって流行。
     不浄を浄化、凡夫に悟りを、女性に誇りを、と救済対象が広がっていった。

     これもまた、日本の海外思想の取り込み方の一例なんだなあとの思いになった。

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著者プロフィール

1970年、宮崎県生まれ。共立女子大学教授。専門は日本中世絵画史。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(文学)。大分県立芸術文化短期大学専任講師、金城学院大学准教授、共立女子大学准教授を経て、2013年より現職。著書に『九相図をよむ 朽ちてゆく死体の美術史』(KADOKAWA、平成27年芸術選奨文部科学大臣新人賞・第14回角川財団学芸賞を受賞)、共編著に『国宝 六道絵』(中央公論美術出版)、『九相図資料集成 死体の美術と文学』(岩田書院)などがある。

「2018年 『闇の日本美術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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