怪しいものたちの中世 (角川選書 566)

  • KADOKAWA (2015年12月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (198ページ) / ISBN・EAN: 9784047035669

作品紹介・あらすじ

日本の中世に暗躍した「怪しいもの」とは何者か。山伏、占い師、ばくち打ち、勧進聖……。神仏の威光を利用した彼らの活動は多様であり、心の平安を与える方法は多岐にわたる。一見すると詐欺のようにも思えるが、殺伐とした環境に置かれた人々に夢見る喜びを感じさせ、人間らしい感情や希望、未来について考える機会を与えていたのだ。中世の「宗教」の果たした知られざる効用を、豊富な事例から解き明かす新しい中世史。

〈目次〉
   はじめに

第一章 中世の博打
   身ぐるみはがれた姿/天竺冠者事件/『古今著聞集』の天竺冠者/博打の聟入り/甲子のお祈り/親王を騙る/平泉の姫宮/文覚の書状/大山の王子と平泉の姫宮/博打と山伏/山伏・鋳物師・遊女

第二章 夢みる人々
   夢の力/夢語り共同体/摂関家の浮沈/清盛のクーデター/木曽義仲と松殿基房/源義経の登場/九条家の夢/占筮と夢/近衛基通と後白河院/和漢の藤と松/日輪を抱く兼実/死相をみる/霊魂の評価/九条家と中原家/大地震と夢/正夢と偽夢/頼朝追討と夢/ついに摂政・氏長者に

第三章 勧進の時代
   罪にはよも候はじ/永観と念仏信仰/来迎・往生・救済/永観の出挙/財貨・福・徳/東大寺別当としての永観/算をおく人/東大寺大勧進/天狗にさらわれる/周防国の経営/平等の感覚/多様な信仰/東大寺との対立/救済の欺瞞/中原師員と専修念仏

第四章 異形の親王
   家族の辺境・家庭の境界領域/以仁王と八条院/以仁王の死/以仁王生存説/北陸宮/土御門天皇の系譜/以仁王の姫宮/姫宮と春華門院/包囲される姫宮/親王・内親王/母系から父系へ/待賢門院と叔父子/皇子女の立場/平清盛の落胤説

第五章 法勝寺執行の系譜
   六勝寺の造営/法勝寺の組織/御願寺の執行/政経・増覚・信縁/俊寛/信西の息子静賢/後白河院側近としての静賢/法勝寺執行静賢/脳円/章玄と九重塔/章玄と能円/尊長/承久の乱と尊長/潜伏する尊長/京都における捕縛/北条義時毒殺説/怨霊の出現/その後の法勝寺執行

おわりに

参考文献

あとがき

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

中世の日本における「怪しいもの」とは、山伏や占い師、ばくち打ち、勧進聖など、多様な存在であり、彼らの活動は神仏の威光を利用して人々に心の平安や夢をもたらしていました。一見すると詐欺のようにも思える彼ら...

感想・レビュー・書評

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  • p.11
    _第一章 中世の博打
     cf) 網野善彦氏「職人歌合」
    __博打と山伏
     日本の山々を歩き回遊することで担う情報ネットワークについて。
    __山伏・鋳物師・遊女
     山伏・鋳物師・遊女の出てくる物語での、山伏の語られかた。

  • 自由と悲惨は表裏一体、強者は弱者に。
    そんな中世社会を跋扈した「怪しいもの」とは何者だったのか。
    第一章 中世の博打・・・詐欺を行う者たち。「博打」と行者との関係。
    第二章 夢みる人々・・・卜占も夢も神意の現れ。
    第三章 勧進の時代・・・浄土思想と勧進。永観と重源。
    第四章 異形の親王・・・院政開始から増えた天皇や院の御落胤たち。
              以仁王の子らの運命。清盛は果たして?
    第五章 法勝寺執行の系譜・・・院政を行い、絶大な権勢と富を得た
             白河天皇が造営した法勝寺。その寺院経営の
             中核であった執行たち。信西の息子や俊寛も!
    参考文献有り。系図も複数。
    平安時代末期から鎌倉時代初期。
    政治、信仰、人々の世界は混沌としている中世社会。
    白河天皇が始めた院政は、政治のみならず、貴族や武士、宗教にも
    影響を及ぼす。婚姻ネットワーク、認知されない皇子女たち。
    権勢と富を得た法勝寺執行の人間模様。
    庶民の世界に現れる信仰を騙って詐欺を行う者たち。
    神仏の威光は多様に人々に作用し、夢見、希望を与える。
    魑魅魍魎は生ける者・・・人。
    一般的な歴史書では語られない「怪しいもの」の姿は悲喜こもごも。
    以仁王や北陸宮、承久の乱の乱に関わる法勝寺執行の尊長等、
    興味深い内容があり、楽しめました。

  • 歴史

  • 「あやし」に俗っぽい期待を持つと裏切られます。純粋な中世日本史です。

  • 世界の辺境とハードボイルド室町時代とこれと、私が高校大学の頃習った中世から近世の前までのイメージが今はずいぶん違うんだな。
    怪しいものの必要性がおそらくネットの今とは大きく違うんだろうけれど。何かどんなふうに校正の歴史研究者に今が読まれるのか結構気になってきた。

  • 異人・異形・非人などに触れるかと思いきやちょっと想像と違いました。

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著者プロフィール

東京大学史料編纂所教授。
一九六〇年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。
著書『買い物の日本史』 (角川ソフィア文庫、二〇一三)、『怪しいものたちの中世』(角川選書、二〇一五)ほか。

「2016年 『近衞家名宝からたどる宮廷文化史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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