戦争宗教学序説 信仰と平和のジレンマ

  • KADOKAWA (2024年10月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (306ページ) / ISBN・EAN: 9784047036925

作品紹介・あらすじ

従軍する聖職者、帝国海軍の艦内神社、聖書の一節を示す銃の刻印──。なぜ戦争は宗教を求め、宗教もまた武器や戦いのイメージを用いるのか。宗教学と戦争研究の交錯点から「平和」の意味を問う人文学の新たな試み。

みんなの感想まとめ

戦争と宗教の複雑な関係を探求する本書では、軍事の中に存在する宗教的要素や、戦争における宗教家の役割が豊富なエピソードを通じて描かれています。著者は、従軍する聖職者や艦内神社の存在、さらには歴史的な背景...

感想・レビュー・書評

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  • 軍事と宗教を扱った本で、一章で軍事の中にある宗教的な物、二章で軍で活躍する宗教家などの人、三章で軍で求められる精神や士気、四章で昭和日本軍の精神主義的傾向、五章で宗教の軍事的側面について、豊富なエピソードをもとに述べている。
    洋の東西を問わず宗教的なモチーフが武器にあしらわれ、現代の自衛隊においても艦内神社がありお祓いがされる。弾除けの聖書については聖職者からの批判もあった。
    米軍のチャプレン科、語り継がれる4人のチャプレン、原爆とチャプレン。日本の陣僧。
    機関銃を即座に採用しなかった軍人たち。重装歩兵として従軍していたソクラテス、プラトンのラケスで示された勇気が何であるか実はわかっていない。
    大正の反軍的な世相のもとにあった軍の満州事変で社会的地位が変化する。ただ、大正次代に軍人が抱いたルサンチマンや予算が如何ともならない中で精神主義に傾いた。イーハトーブと満洲国は日蓮に源流を発する同じ思想の別の表れとする宮下隆二の指摘。

  •  「序説」とあるのは、網羅的でも体系的でもないことを著者が自認するため。特定の宗教が平和的又は好戦的とは決めつけないが、軍事の中に入る様々な宗教的要素を紹介する。士気・精神修養だったり、WWIに多くの国で流行したお守りのように庇護だったり。昭和日本軍の精神主義にも著者は宗教的要素を見る。
     本書の核は、前書きと第五章で著者が述べる、宗教も戦争・軍事も最終的に目指すものは「平和」、という言葉だろう。また宗教者の「戦争協力」ひいては「平和主義」自体の複雑性も指摘する。

  • 戦争と宗教の結びつき、十字軍が思いつくが、第二次世界大戦などの米国を中心とした従軍チャプレン(様々な宗教の観点からじゅぐうんし基本丸腰で軍人のメンタルをサポートする)の話と日本軍の精神論が主な話。
    チャプレンは、いろんな人がいるが軍の士気を高めることにつながっている。当然ジレンマはあるだろうが、おおむね協力的に働いてきた。
    日本軍が精神論に傾いたのは主に弱い設備国力の裏返しでそれしか頼るところがなかった。

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著者プロフィール

石川 明人(イシカワ アキト):1974年生まれ。北海道大学文学部卒業、同大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。北海道大学助手、助教を経て、桃山学院大学社会学部教授。専門は宗教学・戦争論。著書に『キリスト教と日本人』(ちくま新書)、『キリスト教と戦争』(中公新書)、『すべてが武器になる』(創元社)など多数がある。

「2022年 『宗教を「信じる」とはどういうことか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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